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国際女性デーに寄せて

#MeToo運動が起こる前から、女性に対する暴力がメディアで毎日のように報道される前から、#googlewalkout(世界中の何千人ものグーグル労働者がセクハラ問題への同社の対応に抗議するため、職場を離れてストを行った)が起こる前から、UNI女性委員会は闘ってきた。

2000年代初めから、UNIは機会均等局を通じて、特に女性に対する暴力のインパクトに関する意識啓発に努めてきた。2009年に「悪循環を断ち切れ」キャンペーンを開始し、暴力を根絶するための闘いをより「見える化」した。UNIは常に、女性に関わる問題、とりわけ女性に対する暴力を根絶する闘いの先頭に立ってきた。

3月8日の国際女性デーにあたり、私たちの長期に渡る取組みをハイライトしたい。こうした辛抱強い取組みは、意識啓発だけでなく、より大きな夢を実現することにつながる。今私たちは、職場における、あらゆる種類の暴力を根絶するためのILO条約の制定を目指している。

3月8日、私たちは、嫌がらせやセクハラが夜のニュースになるまで長い間闘ってきたUNIの全ての女性の努力を称えたい。女性たちの辛抱強い取組みと熱意に敬意を表し、労働組合は、全ての人にもっと平等で公正な社会をつくるために不可欠であることを示したい。

「悪循環を断ち切れ」キャンペーン専用ウェブサイト(英語)はこちら

#1 私は、ジェンダー、年齢、人種、性的指向、信条にかかわらず、全ての人の基本的な権利を尊重する。 #2 私は自分がそう取り扱われるように他人にも接する。暴力は解決策ではない。いかなる種類の暴力も受け入れられない。
#3 もし私が職場で暴力やハラスメントを目撃したら、被害者への支援を申し出る。私は無関心ではいられない。私たちは暴力を終わらせるため共に協力しなければならない。 #4 私は、職場や地域でのジェンダーに基づく暴力やハラスメントに対し声を挙げる。

 

#5 私はジェンダーに基づく暴力とハラスメント問題に対して全員があらゆる行動をとることを信じている。 #6 私は、積極的な変化を起こし、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントを廃絶するために、あらゆる手段を使う。私の組合はこの闘いの協力者だ。
#7 私は、ジェンダーに基づく暴力とはどのようなものであり、誰が苦しみ、どのように撲滅できるかを周囲の人に伝える。 #8 私は、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントの被害者を支援し、耳を傾ける。私はあなたを信じている。
#9 私たちは、職場の暴力とハラスメントを廃絶するため、勧告を伴うILO条約の採択を強く推進する。 #10 私たちは、労働の未来における、あらゆる種類の暴力とハラスメントの禁止条項を含む労働政策を確保するために取組む。
#11 私たちの組織は、労働の未来における暴力とハラスメントが、世界中の国営・民間企業、正規・非正規、全ての職業及び産業に影響を及ぼすことを理解している。廃絶するのは私たちの義務だ。 #12 私たちは、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントに関する教育訓練を促進し、そのための資源を確保していく。私たちのあらゆる行動は、ジェンダーに基づく暴力とハラスメントの廃絶に近づける一歩となる。
#13 私たちは、とりわけ女性、青年、LGBTIQ+等のグループに向けられる暴力を防ぐために取組む。 #14私は、ジェンダー、年齢、人種、性的指向、信条にかかわらず、全ての人の基本的な権利を尊重する。
#15 私たちは、目撃者と内部告発者が守られるような、暴力とハラスメントの事例を解決するための適切なメカニズムと手続きを実行する。

#16 私たちは、職場におけるジェンダーに基づく暴力とハラスメントの被害者に耳を傾け、支援を提供する。私たちはあなたを信じる。組合はあなたの味方だ。

 

 


クリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI-LCJ年次総会で記念講演

司会:さて、ホフマン書記長は、年明け早々、世界経済フォーラム、ダボス会議に世界の労働組合リーダーと共に出席されました。まずは初めて参加したダボス会議の様子をお聞かせください。

ダボスには期間中3000人くらい集まり、うち企業は1000社くらい参加しています。今年、労働界からの参加は10人だったので、私たちのプレゼンスは限定的だったかもしれません。それでも存在感を示すことはできたと思います。連合から相原事務局長、3つのGUF代表、デンマーク、スウェーデンと米国の労働組合代表、シャラン・バロウITUC書記長が出席しました。多くのパネルディスカッションに参加し、様々なマスコミからインタビューを受けたので、存在感を示すことができました。今回も、将来についての議論がかなり行われました。グローバル経済にとって最大の脅威は、サイバーセキュリティーと気候変動であると認識されました。テクノロジーについての議論では、ロボットがやってくる、というヒステリックな論調から離れ、テクノロジーの活用に対してより現実的なアプローチになっているとの印象を受けました。

ダボスに参集したリーダーや専門家の意見を総合的に考えると、デジタル化は予想より遅いスピードで起こっており、企業は既存の従業員を置き換えるのではなく、再教育または再訓練してデジタル技術を導入しようとしています。これは私たちにとって朗報だと言えます。表向きには企業はそのようなことを言っており、私たちはもっと懐疑的に思うべきかも知れませんが、ダボスでは、少なくとも真摯な気持ちで言っていたと感じました。

ダボスで共有された雇用に関するデータは以前より良好なものでした。デジタル化によって雇用が大幅に拡大するという見方もありましたが、新たな雇用がどれだけ増えても、仕事を失う労働者は必ず出てきます。私たち労働組合リーダーは、ダボス会議の中で、「誰も取り残されないように、政府主導または政労使の取組みが必要だ。生涯教育を受ける権利を全ての人に保障するべきだ」と訴えてきました。

また、ダボスでは引き続き各国内での所得格差の拡大に懸念が示されました。最新情報によると、世界の富の半分はわずか26人の富豪によって所有されているといいます。しかし、富裕層への税率を引き上げることによって、富の再分配を図るという考えには、ダボスの参加者は反対しました。この考えはいろいろな会議の分科会で笑い飛ばされ、ある分科会では、これを提起した若いオランダのエコノミストの発言が衝撃的とされ、論議の的となり、彼のスピーチの動画はSNSで炎上しました。ダボス会議創設者のクラウス・シュワブ氏は、会議後のフォローアップの中で、「ことによっては富の再分配は必要かもしれない」というコメントを出しています。

ダボス・デビューとしては実りが多かったと自負しています。

司会:書記長は米国出身で、米国の労働運動でも長く活躍してこられました。ということで、米国や、ブラジル、ルーベン会長の出身国でもあるアルゼンチン等における労働運動について簡単にご紹介いただけますでしょうか。

私は米国出身であり、米州(南北アメリカ)で何が起きているか、いつも注視しています。

まず米国について、トランプ政権は組合に非常に敵対的ですが、そのことによって組合の役割が薄れたわけではありません。逆に昨年、組合の闘争活動、スト回数、スト参加人数はここ数十年で最高を記録したのです。現在の組合費徴収の仕組みに対して法的手段を用いた攻撃が続いているにも関わらず、組織人員は変わっていません。こうした攻撃を受ければ組合員は減るのではないかと言われていましたが、労働者はより強く問題意識を持ち、職場で声をあげたい、ディーセントな(人間らしい)仕事がほしい、という気持ちをより積極的に表現するようになりました。調査によると、若者はここ数年で一番労働組合を好意的に見るようになっていると言う結果も出ています。

民主党も労働組合により好意的で、州レベルでもはっきりと物を言う野党に生まれ変わりました。多くの州で最低賃金が1時間15ドルに引き上げられました。これは連邦政府が設定している最低賃金の約2倍です。法律で病気休暇を定めることが義務化された州もあります。今まで米国の労働者にはこうした法定の休暇はありませんでした。

最近では、従来の労働組合に代わる労働者グループの活動が活発になってきています。こうしたグループは、単一の問題についてSNS上でキャンペーンを展開したり、使用者に要求を行ったりしています。昨年だけで200ものキャンペーンが行われました。例を挙げると、昨年、世界中のグーグルで働く2万人の労働者が、組合は無いものの、世界各国で1日ストライキを実施しました。彼らの要求は、セクハラに関するものの他に、自分たちが開発する商品に関して発言したい、というものでした。大局的に見ると、組合費徴収が攻撃されているものの、労働者による行動が活発化していると言えます。ですから、米国の状況は非常に期待できると考えています。

一方、ブラジルの状況は全く違います。ボルソナーロ新大統領は、就任後すぐに最低賃金を引き下げました。新政府は全ての労働者を標的にしています。労働省は切り捨てられ、つぶされてしまいました。1日の労働時間は8時間だったところ、10時間労働を導入し、かつ、労働者の権利保護を縮小する動きが多数出ています。政府は、労働組合の結成承認と規制の権限を連邦警察に委ねると提案しており、これは結社の自由に対する恥知らずな攻撃です。

ブラジルの労働法制において、団体交渉、組合費徴収等の点がかなり前から弱体化されており、その結果、UNI加盟組織は組合費収入の相当の部分を失いました。ブラジルの組合は危機に瀕しており、今後、再編・統合を余儀なくされると思われます。しかし、ブラジルの組合は、極右政府によって突きつけられた制約の中でも闘争を続ける強い意志を持っています。

コルティナUNI会長の出身でもあるアルゼンチンには、リバプール世界大会後、2度訪れています。財政危機、通貨危機に陥って、政府がとった緊縮財政政策に多くの労働者が苦しんでいます。しかし、アルゼンチンの組合の交渉力はまだ強く、産業別労組は未だ健在です。組合は今でも重要な交渉当事者です。政府の力に屈せず、組合の力が強いことに期待していますが、通貨の切り下げの結果、通貨危機以前の資産を取り戻すには、ここから先4世代かかると試算されています。

司会:UNIは“労働の未来”について、5年前のケープタウン世界大会から取組みを始めていました。これについて最新情報をお聞かせください。

UNIにおいては、“労働の未来(Future world of work)”から徐々に“新しい仕事の世界(New world of work)”へと移行しています。ケープタウンで初めて提起されて以来、様々な取組みを経て、現在進行形です。“新しい仕事の世界”におけるUNIの役割は、さらに進化しています。最初はトレンドに対する問題喚起・啓発活動でしたが、その段階は終わり、次は解決策を求めていく段階です。この過程において、いかに労働組合を強化していくか。将来を形成するプロセスに労働者が確実に参画できるようにするにはどうすればよいのか、具体的には将来のあるべき姿に向けての交渉当事者として、労働組合の役割を強化しなければなりません。交渉議題には、新たな技術の再訓練の強化や、新たな技術の導入により可能となった使用者の過剰な監視等が、含まれるでしょう。他にも多くの交渉すべき議題があります。使用者と交渉する際に、加盟組合にはこのような課題を強調するようお願いしたいと思います。UNIは、世界各国から優良事例を集め、共有することを目指しています。UNI加盟組織は既に重要な成果をたくさんあげています。優良事例も教訓も蓄積されています。恐らく私だけではないと思いますが、「労働組合は過去の遺物だ」と言われることに辟易しています。将来のあるべき姿を決めるため、労働者が発言力を持つために、今まで以上に労働組合は大切です。労働組合の交渉は、正義ある未来への移行過程の一部なのです。

この移行期において、置き去りにされる労働者がいないようにするためには、団体交渉の諸制度を強化すべく、ルールを変更し、自営業、自由業、フリーランスの人たちにも組織化する権利や社会的保護を与え、生活賃金が保障されなければなりません。このような主旨がILOの報告書にも提案されています。

テクノロジーと言えば、UNIが組織化活動を推進する上で、いかにテクノロジーを活用できるかを探求する、「デジタル組織化フォーラム」を昨年、欧州で開催しました。そこで優良事例を共有しました。今年も5月に同様のフォーラムを開催する予定です。UNI本部で“労働の未来”を担当するクリスティーナ・コロクロフが、グーグル財団から資金援助を受け、特に若い労働者の組織化に役立つアプリの開発に取組んでいます。良いアイデアが出てきています。今度皆さんにも共有したいと思います。

司会:書記長になってから、既に4つか5つのGFAが結ばれました。短期間にそんなに結ばれた理由は何でしょうか?

新規に加え、更新されたものを入れると、8つだと思います。副書記長時代からGFA締結に取組んできました。リバプール世界大会以前から交渉していたものもありました。新書記長に花を持たせようと、スタッフが締結時期を調整してくれたのかもしれません。

最近調印されたGFAには、デューデリジェンスに関する有意義な文言が盛り込まれました。企業が果たすべきデューデリジェンス遂行計画の中で、UNIの役割もきちんと定められています。このようなブレイクスルーが達成されたことを大変嬉しく思います。他のGFAも新しい文言が含まれています。例えば、セクハラ条項、フランチャイズ条項、“つながらない権利(労働者が持っている通信機器のスイッチを切る権利)”条項が入っている協定もあります。

私は40年近く多国籍企業との交渉を行ってきました。今後もUNIの対象となる産業の多国籍企業とのGFA締結に力を入れていきます。私のアプローチは単純です。グローバル化時代において、多国籍企業が労働者の権利が尊重されていない国に進出する時に、GFAは不可欠だと会社側を説得するのです。リスクの未然防止の点からも、企業の評判を高める点からも、良いものだという付加価値を会社側にオファーするのです。UNIは長きに渡り信頼できるパートナーであることも主張します。私たちは約束したことは必ず守り、企業側にも必ず守ってもらう。目標は野心的に高く設定し、それを明確に相手に伝えなければなりません。

今は、新しいグローバルなルールがあります。企業はデューデリジェンスが求められており、GUF(UNIのようなグローバルユニオン)とのGFA締結の意義を多くの企業が認識するようになっています。私たちは信頼できるパートナーであると、企業も認めています。デューデリジェンスとは、企業が、労働者の人権や権利に関わるリスクの調査を行い、リスク防止の措置をとり、権利侵害が発生した場合には対策をとることが要求されることです。UNIはこの全てのプロセスに付加価値をつけることができるのです。デューデリジェンスの徹底は、私たちに追い風となっています。特にフランスでは法律により、使用者はデューデリジェンスの遂行が義務付けられました。デューデリジェンスの一環としてフランスの使用者は、GFA締結が奨励されており、そのためフランスの多国籍企業とのGFA締結が増えています。

司会:最後に、書記長としての今後4年間の豊富と、UNI-LCJに期待することをお聞かせください。

先週開かれたILO専門家会合で、GFAについても話し合われました。GFAが結ばれたのは欧州企業とだけではないか、と言われ、私は、日本をはじめとするアジアや、ブラジル等の企業とも締結されている、と発言しました。髙島屋やイオンとのGFAの意義について、ILO等の場を通じて他の使用者の理解が深まることを期待しています。

このような取組みを重ね、多国籍企業におけるUNIの認知度を高め、影響力を拡大したいと思います。労使関係の構築において、UNIはもっと重要な役割を担っていくべきだと考えます。

各部会でそれぞれの活動計画を立てていますが、中には部会の活動範囲を超えた分野もあります。例えば、アマゾン対策です。UNIは、アマゾン対策のハブ組織になろうとしています。アマゾンに対するアクションは、UNIの全ての部会を巻き込み、世界中の労働組合や関係者を連携させることが必要です。ICTS部会は、グーグルとの関係構築に取組もうとしています。グーグルで起きていることは、今までとは違います。何人かのグーグル労働者とコンタクトをとりながら、彼らをUNIに引き込み、彼らのまとめ役になりたいと考えています。彼らは自分たちで何でもできると思っていますが、私たちの仲間になって一緒に行動しよう、と粘り強く説得していきます。

世界は新たなルールを必要としています。ルール作りにもUNIは積極的に参加し、貢献していかなければなりません。実効力のあるGFAモデルをつくっていきます。サプライチェーンに正義をもたらす取組み、例えばバングラデシュ安全協定を、パキスタン等、他の南アジアの国にも適用できないか、検討しているところです。

GFA、OECD多国籍企業ガイドライン等の取組みを通じて、GUFをデューデリジェンスのプロセスにしっかりと組み込み、標準化していきたいと思います。これは私たちの将来にとって非常に重要です。さらに雇用労働者の定義を再検討し、自営業者として不当に分類され不利益を受けている何百万人もの労働者の問題に取組む必要もあります。全ての労働者を包摂することが重要です。

そのような中、日本の加盟組織には大変期待しております。皆さんの組織拡大には常に感銘を受けています。日本企業とのGFAは実効力ある理想的なものです。“新しい仕事の世界”で労働者が受ける影響は東洋と西洋で異なっても、世界の働く仲間とUNIを通じて連帯し、多国籍企業と建設的な交渉をしていきましょう。

 

 


第20回UNI-LCJ年次総会

2019年2月21日、第20回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員及び総会代議員、オブザーバー等約65人が出席した。2018年度活動報告、会計報告に続き、2019~2022年度UNI-LCJアクションプランやUNI-LCJ海外活動の方向性を含む、2019年度活動計画及び予算が承認された。最後に、松浦UNI-LCJ議長以下、副議長、事務局長、事務局次長、運営委員の再選が確認された。

記念講演及びレセプションには、UNI本部からクリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI Aproからクリストファー・ウン地域書記長、ラジェンドラ・アチャリャ書記次長が出席した。また、翌22日に東京で開催されるUNI Apro運営委員会に出席するため来日したUNI Apro運営委員会メンバーも来賓として参加した。

第5回UNI世界大会(2018年6月、英国・リバプール)において選出されたホフマン書記長は、連合、ILO、GUF、友誼団体等から集まった約120人を前に、「皆さんと共にMaking it Happen(実現していこう!)」と題し、最近のホットな話題から、新書記長としての決意や日本の加盟組織に対する期待等を述べた。司会の小川UNI-LCJ事務局長から、書記長として初めて参加した世界経済フォーラム(ダボス会議)の感想を聞かれ、「政界・財界・ビジネス界等から多数参加する中で、労働組合からの参加は非常に少なかったが、多くのマスコミからのインタビューに応じ、一定の存在感を示すことができた」と述べた。「“労働の未来”の議論におけるUNIの役割も、労働者への啓発から、団体交渉を通じたプロセスへの積極的関与の奨励へと変わってきている。いかに労働組合の存在感を高め、未来を形成するプロセスに労働者が確実に参画していくか、将来のあるべき姿に向けて労働組合の役割を強化していかなくてはならない。グローバル企業におけるUNIの認知度を高め、組合の影響力を拡大したい」と書記長としての抱負を熱く語った。また、最近のILO専門家会議において、日本の企業と結ばれたGFAの効果について発言し、欧州だけに限った取組みではないことを強調した。日本の加盟組織に対しては、組織化や効力あるGFAの経験について、UNIにおいて共有してほしい、と期待を寄せた。(全文はこちら

レセプションでは、厚生労働省の麻田千穂子国際労働交渉官、連合の逢見直人会長代行から連帯挨拶を受けた。ドワイヤーUNI Apro会長代行(オーストラリアSDA書記長)は、UNI Apro運営委員会メンバーを代表して挨拶した。ウンUNI Apro地域書記長は年末の自身の退任を控え、国際労働運動に42年もの長きに渡って関わった経験を振り返りつつ、乾杯の音頭をとった。

その後UNI-LCJ年次総会参加者は、他の加盟組織参加者及び国内外の来賓との懇親を深めた。


変化を起こす原動力になれ!第5回UNI Apro青年大会

2018年11月23~24日、マレーシア・サラワクにおいて、第5回UNI Apro青年大会が開催され、アジア太平洋地域15ヵ国から、計150人(UNI-LCJより32人、女性16人、女性比率50%)が参加した。

開会式では、ノリカ・ワルナスリヤUNI Apro青年委員会議長が挨拶し、「第4次産業革命の目まぐるしい変化において、私たち青年はまさに原動力そのものだ。私たち青年こそが、青年に対する投資が果たして十分なのかを問い、若手世代を率いていかなくてはならない。そのためには、若者の組合への参画を強化するとともに、意義ある貢献をするための交流が必要である。技術革新により、私たちは膨大な情報を入手でき、物理的に参加できない仲間ともテクノロジーでつながりあえる。これらのテクノロジーも活用しながら、お互いに学び合い、青年の発言力を高めていこう」と力強く訴えた。

開催国のマレーシア加盟協(UNI-MLC)を代表して、モハメド・シャフィー・BPママル議長が連帯の挨拶に立ち、「第4次産業革命の時代に、青年は重要な役割を担っている。アウトソーシングの拡大、国境を越えた移民問題、児童労働、貧困等、青年に関わる重要課題が深刻さを増している中、青年こそが最大限関与し、社会的な変化に対処していかなければならない」と述べた。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、「UNI Apro、変化のチャレンジに対応するため、労働組合を一新する」と題する基調講演を行い、「第4次産業革命の中で、雇用の非正規化はさらに進むだろう。多くの人が労働法の保護を受けられなくなり、格差が拡大し、組織化率も低下している。この変化に対し、抵抗するだけでは労働運動は前進しない。これらの状況を先読みし、最善の努力によって変化がもたらす影響にきちんと準備をしていかなくてはならない。今日のスピーチは、私が青年大会で話す最後の機会となる。青年の皆さんには、自らが困難な課題に対処していくのだというコミットメントが重要だ、ということを伝えたい」と述べた。

大会では、「2018~2022年度UNI Apro青年委員会アクションプラン」を決定するとともに、「組織化と青年の能力開発」や「第4次産業革命時代の変化の担い手としての青年」、「UNI Aproの中核的活動へ青年労働者を完全に統合させていくための包括的支援」等に焦点を当てたセッションが開催され、活発な議論を経て、各種動議が確認された。

UNI-LCJから3人がパネリストとして報告を行った。UAゼンセン・中川代議員は、若手組合員の組合活動への参画向上に向け、青年活動の広報誌への積極的な掲載や新入社員交流会を通じ、組合の認知度向上を図る等の取組み事例について、JP労組・飯澤青年委員は、全国にまたがるJP労組のユースネットワークの組織体制や青年による社会貢献活動について、情報労連・齋藤青年委員は、日本のクラウド・ワーカーやITエンジニアを取り巻く課題を共有し、彼らとの接点拡大に向けた情報労連の取組みについて報告した。

大会の最後に、UNI Apro青年委員会の役員選挙が行われた。東アジア、東南アジア、南アジア、オセアニアの4地区からそれぞれ指名された候補者が選出された。東アジアは日本の4人の委員(情報労連・齋藤委員、UAゼンセン・寺嶋委員、日放労・釘本委員、JP労組・飯澤委員)が再選され、東アジアを代表する副議長に釘本日放労副委員長が再選された。レイズ新議長(フィリピン加盟協・金融労組)のもと、新体制を確立した。

本大会で築き上げたネットワークを礎に、大会参加者が連帯して運動を前進させ、4年後の青年大会でその成果を持ち寄ることを誓い合い、2日間に渡る大会を終了した。


インドにおける労使パートナーシップの普及

2015年から開始した4年間の支援プロジェクトの最終年となるUNIインド加盟協との共同セミナーが、2018年11月18~19日、インドの首都・デリーで開催され、松浦UNI-LCJ議長を団長に9人の講師が参加した。インド側からは、ナドカルニUNIインド加盟協(UNI-ILC)議長、サンジーブ・ステートバンクオブインディア(SBI)労組書記長をはじめ、銀行労組、郵便労組、セキュリティ印刷労組、新聞労組、メディア労組、IT労連等から28人(うち女性5人)が参加した。

セミナー1日目(18日)は、日本人講師から日本の労働運動、格差是正の取組み、労使関係、組織化等について講義を行い、産業別グループに分かれてグループ討議を行った。

日本人講師からの講義

  • 松浦団長(UAゼンセン):「日本の労働運動の概要と今日的課題」
  • 松本講師(損保労連):「“⾮正規雇⽤社員の処遇向上(正社員との格差是正)”に向けた取組み」
  • 栗田講師(JP労組):「日本のパートナーシップ労使関係」
  • 浦講師(情報労連):「青年・女性の組織化」
  • 鈴木講師(自動車総連):「非正規労働者の組織化」
  • 甲斐講師(全信連):「日本の銀行部門におけるフィンテックと雇用への影響、仮想通貨の現状と課題」

グループ討論テーマ

  • 「労働組合の今日的課題」
  • 「家庭、学校、職場、社会における格差、不平等-格差是正、不平等をなくすため、労働組合はどのような役割を発揮できるか?」

社会パートナー対話セッション:「グローバル経済におけるインドの課題と労使による戦略的対応」

セミナー2日目(19日)午前中は、初の試みとして、インドでも模範的なパートナーシップ労使関係を築いているステートバンクオブインディア(SBI)から、アロック・クマール・チョードリーSBIデリー地区統括本部長、インド社会保障協会からプラビン・シンハ事務局長(元FESインド支部長)を招き、「グローバル経済におけるインドの課題と労使による戦略的対応」と題する“社会パートナー対話セッション”を行った。労働側代表として松浦UNI-LCJ議長、ナドカルニUNI-ILC議長、サンジーブSBI労組書記長がそれぞれの立場から意見を述べた。

SBIは、インド国内に約2万の店舗を持ち、銀行部門の利益の25%を占めるインド最大手の国営銀行である。パートナーシップ労使関係の長い歴史を持っており、今回は労使の協力を得て、特別に対話セッションが実現した。

アロック氏は、自由化が進展し益々厳しいグローバル競争に晒される困難な時代を生き延びるためには、労使双方が対立ではなく、市場競争力を高めるため、戦略的・建設的に協力し、イノベーションに対応し労働者への影響を配慮しつつ効率化を図っていくことが鍵となると力説した。

これを受けサンジーブSBI労組書記長は、労働者にとっても困難な時代を迎えており、雇用を守るためには毅然とした態度で臨むが、企業の発展に貢献するため、SBIの良き伝統である対話を軸とした労使関係を維持・強化していくと述べた。

シンハ氏は、現在のインドが直面する課題として、自由化・デジタル化の進展、社会保障の削減、インフォーマル経済及び格差の拡大、労働者の非正規化等を挙げ、企業が健全に存続するためには、労働者の能力開発と生産性向上を支える建設的な労使関係の構築・維持が欠かせないと述べた。

ナドカルニUNI-ILC議長は、UNIの下、サービス産業の労組が、政治・イデオロギー等、様々な違いを乗り越え結集する必要性を繰り返し強調した。国内外のUNI加盟組合とタイムリーな情報・経験交流を行い、UNI Aproや日本が推進するパートナーシップ労使関係構築を推進していきたいと述べた。

松浦UNI-LCJ議長は、日本の高度経済成長の鍵となった生産性三原則の労使合意、UAゼンセンの組織化の進め方、産業別労働組合の役割等について、実践的に分かりやすく紹介した。「枯れた井戸から水は汲めない」との諺を引用し、労働組合として最も優先すべきは「雇用を守ること=企業を存続させること」であり、労働組合も業績向上に向けて真摯に取組むことにより、ひいては企業の発展と労働条件の維持向上につながるとの考えを繰り返し示した。

インド側からは、「欧米の多国籍企業がハイデラバードに多く進出しているが、プロジェクトが終わると労働者を解雇することが多い。過労死も発生している。これに対してUNIや労組はどのように対応しているのか?日本にはこうした労働者を保護する制度はあるか?」、「移民労働者の問題に労組としてどう対応すべきか」という質問が出された。日本からは「経済成長のために、どのような産業の外資系企業を誘致したいか?」と質問する等、活発な質疑応答と意見交換が行われた。

アチャリャUNI Apro書記次長は、UNI Aproが推進する労使パートナーシップ協力の1つの手段として、多国籍企業とのグローバル枠組協定の締結と日本の実践事例を紹介した。

閉会式で、松浦UNI-LCJ議長は、「それぞれ状況は異なるが、雇用を守り、労働条件を良くすることは日印労組共通の課題だ。共にがんばっていこう」とまとめた。

ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJ講師陣の貢献に感謝し、インド人参加者に「日本から学んだことを各職場に持ち帰り、他の仲間に共有し組合活動に活かして欲しい」と激励した。また日本側には、「インドに進出する日本企業には是非グローバル枠組協定を締結して、日本の労使関係をインドに普及させてほしい」と期待して、閉会した。

この他、19日午後から20日にかけて、UNI-LCJ代表団は、銀行、郵便局、テレビ・ラジオ局等の職場視察と経営側との懇談、新聞労組役員との意見交換等を行い、インドの様々なサービス産業における労働環境、労使関係等についての理解を深めた。

 


第7回UNI Apro東アジア労組フォーラム

第7回UNI Apro東アジア労組フォーラムが、2018年10月2~3日、「実現しよう!東アジアにおけるパートナーシップ労使関係の普及を目指して」というメインテーマの下、東京の全電通ホールで開催された。日本、韓国、台湾、香港より148人(うち女性49人、女性参加率33%)が出席し、「企業の社会的責任(CSR)」、「職場におけるハラスメント」、「新しい多様な働き方」への対応について、各国・労組が報告を行った。日本からは、14加盟組合より総勢99人(うち女性33人、女性参加率33%)が参加した。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、基調講演を行い、UNI Aproは日本に倣って、建設的な労使関係(UNI Aproではパートナーシップ労使関係と呼ぶ)の構築に取組んできたと述べた。とりわけASEANにおいて、労働者や労働組合に、権利を主張するだけでなく労働組合としての責任を果たすよう強く訴え、使用者及び政府にはASETUC(ASEANサービス労組協議会)が信頼できるパートナーであることを具体的な成果をもって示し、毎年ASEAN各国の労働大臣が主催する三者構成対話会議に労働側代表として参加してきた。第4次産業革命で労働市場に劇的な変化が起こりつつある中、政労使の建設的な対話を通じてのみ、労働者や弱者が取り残されない、包摂的な社会をつくることができると強調した。

UNI本部から、クリスティ・ホフマンUNI書記長が初めて本フォーラムに参加し、グローバル枠組み協定(GFA)の概要を説明した。本年6月のリバプール世界大会で書記長に選出されて以来、来日直前にフランスのBNPパリバ銀行、同じくフランスのカジノ大手パルトゥーシュとそれぞれGFAを締結し、翌週には既に締結されているカルフールとの協定を更新する。グローバル協定に詠われる内容は、ILOの中核的労働基準の遵守、人権、平等、多様性の尊重、環境への配慮等、社会的課題への取組みをUNIや加盟組合と共同で宣言するものである。続いて日本企業としてUNIとGFAを締結した髙島屋とイオンの労働組合から、その経緯や締結後の実施状況について具体的な報告を受けた。髙島屋労働組合の橋本国際局長から、組合の社会的責任を果たす活動の1つとして、日本初のグローバル協定を締結するまでの経緯を聞いた。締結が目的ではなく、スリーピング協定にしてはならないとの決意で、労使それぞれの立場から内外に向けて理解浸透を図る活動を継続している。また、イオングループ労連の村上国際局長からは、海外拠点における現地労働者への連帯支援の取組みを通じて、各国労働者の条件改善と企業の発展に寄与している事例の報告を受けた。

また、凸版印刷株式会社・人事労政本部の吉田労政部長から、労使が協力して推進している「働きがい」を高める取組みについて聞いた。これを受け、凸版印刷労組の佐藤委員長は、「労使が対立していた過去の経験を教訓にして、現在の良好な労使関係がある。労使が目指す方向は同じであり、互いの立場を尊重し、コミュニケーションをとりながら進めていくことが何より重要だ」と述べた。

「企業の社会的責任」のテーマでは、この他、自動車総連、韓国KFIU、韓国KHMU、台湾PTSFEU、香港RCCIGU、マカオ・ゲーム労組、ネパールから事例報告を受けた。

「職場におけるハラスメント」のテーマについては、井上久美枝連合総合男女・雇用平等局長から、導入報告を受けた。井上局長は、「男女ともに暴力やハラスメントの対象になり得るが、地位や力関係が平等でない場合、とりわけ女性や性別規範に合致しない立場の弱い人々が対象となりやすい」と述べた。職場におけるあらゆる種類の暴力とハラスメントを根絶するため、ILO総会で条約・勧告の制定が議論されており、そのプロセスや各国政労使の異なる論点、日本政府の態度や連合の取組み等について詳しく聞いた。続いて各国代表によるパネルディスカッションが行われた。UAゼンセンと香港ディズニーランド労組は顧客からのハラスメント、韓国HKMUと台湾CPWUはセクハラに関して、それぞれ現状、組合の対応と今後の取組み等を報告した。これまで被害者が泣き寝入りするしかなかったハラスメントを組合が取り上げ、使用者や政府と協力して世論を喚起し、必要であれば法制度を変える等、社会を巻き込むアクションの必要性が強調された。

「新しい多様な働き方」のテーマについては、情報労連から「働き方改革」をめぐる日本の状況として、本年6月に成立した働き方改革関連法案の内容について報告し、実現に向けては、労使が共に法を理解し運用するための集団的労使関係が不可欠だと述べた。続いて、損保労連、JP労組、韓国KPWU、台湾CTWU、香港BMSWGUからそれぞれ事例報告を受けた。

参加各国は情報交換を通じて、労使関係は対立から協調へ、労使のパートナーシップが不可欠であるとの認識を再確認した。最後に共同声明を採択し、本フォーラムを継続して情報交換を進めると共に、各国において労働者の利益・権利の向上と社会的影響力の強化に引き続き取組んでいくこととした。

 

 


UNI、高校生平和大使の訪問を歓迎

長崎・広島、他からの高校生平和大使20人と被爆者及び関係者が、今年もスイス・ニヨンにあるUNI本部を訪れ、アルケ・ベシガー副書記長をはじめ本部スタッフの歓迎を受けた。高校生平和大使は2018年度ノーベル平和賞候補に選ばれている。

第1世代から第2世代、第3世代、第4世代の被爆者は、1945年8月の広島、長崎への原爆投下による重大な教訓を語り継ぎ訴えている。平和大使は毎年、ジュネーブの国連本部に、核兵器廃絶を要求する署名を届けており、その際、UNI本部も訪れている。

UNIが2010年に長崎で世界大会を開催したことがきっかけで、平和大使とUNIの交流は始まった。高校生平和大使によるUNI本部訪問は10年以上続いている。長崎世界大会に世界中から集まった2,000人を超える大会参加者は皆、新たな「平和大使」となって帰国した。

若い平和大使の1人は、被爆者が高齢化し亡くなっていく中、自分たちは恐らく被爆者から直接体験を聞くことのできる最後の世代だろう、だからこそ後輩に語り継ぐ責任があると述べた。同席したUNI本部スタッフは、原爆投下とその後の恐ろしい体験を聞き、まるでその場にいるかのように感じた。別の平和大使は、核兵器廃絶を実現するまで決してあきらめないと語った。この「夢」は、昨年、核兵器禁止条約が国連で採択されたことで、一歩前進した。

ベシガー副書記長は、「UNIは皆さんや他の平和を願う組織と共に、国連核兵器廃絶条約の完全実施を政治家に強く求めていく。今年6月にリバプールで開催されたUNI世界大会でもUNIファミリーは、核兵器の無い世界の実現に向けた決意をあらためて示した。労働組合運動は平和運動と一体となって、取り組んでいく」と約束した。

UNIのブレイキングスルー戦略は、国際的な核軍縮の動きを支持している。UNIは、国連核兵器廃絶条約の採択を後押ししたことで、昨年ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)及びIPB(国際平和ビューロー)のメンバーでもある。

 


広島、長崎への原爆投下から73年、犠牲者を追悼

広島と長崎は、2018年8月6日と9日、21万人を超える尊い命を奪い、多くの負傷者を出した原爆投下から73年目を迎える。被爆後、生存者の多くが癌や白血病等、放射能の後遺症に苦しんでいる。

今年、リバプールで開催されたUNI世界大会では、UNIファミリーが核兵器の無い世界の実現に向け、誓いをあらたにした。

UNIは2010年に長崎で第3回世界大会を開催したことがきっかけで、長崎との交流を始め、平和運動に深く関わってきた。長崎世界大会に参加した2000人を越える代議員は、被爆者の体験を直接聞き、原爆資料館を訪れて原爆の恐ろしさを実感し、平和大使となって、その経験を各国に語りついでいる。

2017年7月、国連は核兵器禁止条約を採択した。この歴史的な条約は、核兵器とそれに関する全ての活動を禁止するものである。核兵器禁止条約は、50カ国が批准すると発効する。世界の指導者達は、核兵器のない未来を求める被爆者の叫びや世界中の市民の訴えに真剣に耳を傾けるべきだ。UNIは、核兵器禁止条約の採択を後押ししたことで2017年にノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)及び世界最古の平和組織IPB(国際平和ビューロー)の運動を支持し、メンバーになっている。

1945年8月に広島で被爆したサーロー節子氏は、2017年12月のノーベル平和賞受賞スピーチで、「その一人ひとりには名前がありました。一人ひとりが、誰かに愛されていました。彼らの死を無駄にしてはなりません」と訴えた。

 

 


UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー

201872526日、モンゴル・ウランバートルで、UNI-LCJ/モンゴル加盟協(UNI-LCM)共同セミナー及び関連プログラムが開催され、UNI-LCJより宮井副議長(損保労連中央執行委員長)を団長に講師4人と小川事務局長が参加した。これに先立ち72122日にUNI Apro組織化訓練を開催した玉井組織化キャンペーン担当部長も参加した。

70年続いた社会主義体制から1990年代に民主化されたモンゴルにおける労組強化支援は、UNI-LCJ結成以前の旧FIETから受け継がれたプロジェクトである。当時の労組リーダーも会社を退職する年齢となり、社会主義時代の労働組合を知らない若い労働者が増える中、労組も若年層の組織化と育成を目指した新しい運動が求められている。「20152018年度UNI-LCJ海外活動の方向性」では、モンゴルの労組支援について、「パートナーシップ労使関係」の理解を深めるための現地セミナー3回(2015年、2016年、2018年)と日本への招聘プログラム(2017年)を実施することとし、今回は4か年プロジェクト最終年の現地セミナーとして開催された。

セミナーはモンゴルのナショナルセンターであるCMTUの会議室において行なわれ、UNI-LCM加盟組織(モンゴル郵便労組、モンゴルテレコム統一労組、ネットコム労組、ゴビ労組、ペトロスター労組)及びモンゴル運輸・通信・石油労連と、未加盟のチンギスハーン国際空港サービス労組から、組合役員・若手組合員ら約30人が参加した。

オユンバヤールUNI-LCM議長の歓迎挨拶に続き、UNI-LCJ代表団を代表して宮井団長が挨拶し、長い交流の歴史を振り返ると共に、参加者の積極的な意見交換に期待した。小川UNI-LCJ事務局長は、UNIUNI AproUNI-LCJの概要や主な活動を紹介した。

宮井団長から「日本の労働運動、経済、社会」について概説した後、2グループに別れ、両国における「ワークライフバランス」、「若い世代が持つ労働組合のイメージ」について議論した。

「パートナーシップ労使関係の構築」のテーマでは、大方講師(情報労連)が労使協議について、岡田講師(JP労組)が団体交渉について各組織の経験を紹介し、モンゴル側からは運輸・通信・石油労連のボールドサイハン組織化担当が、モンゴルにおける労使関係について報告した。続くグループワークでは、モンゴルにおける「労使コミュニケーションの現状と改善点」、「各労組における団体交渉の成果」を共有した。

「組織化」のテーマでは、ガントゥルガ・ゴビ労組委員長がゴビ労組における組織化の現状と課題について報告し、日本からは、鈴木講師(UAゼンセン)がUAゼンセンの組織化の特徴と青年・女性の組織化について、宮崎講師(自動車総連)が組織化の意義や自動車総連における具体的な取組みを紹介した。続くグループワークでは、「組織化の可能性がある企業と効果的なアプローチ」、「若年層の組織化」について、日本人講師のアドバイスを受けながら、議論した。

急速に変化する社会・経済に合わせ、いかに社会主義時代の労働組合(例えば、組織拡大に貢献した人に報奨金が出る等)から脱皮するか。低賃金で、大学を卒業しても希望の仕事に就けない、生活のためにより良い賃金の仕事へ転職しがちな若年層の声をいかに取り上げるか。「モンゴルの若年層にとって、ワークライフバランスより生活が第一。低賃金の若年労働者は、組合費を払うメリットを重視しがちだ」という背景には、組合活動が組合費を長年払った組合員中心になっているとの不満がある。「組合はメリット・デメリットで運営されるものではない。困っている人を助け合う組織だ」、「賃上げ要求だけでなく、労働組合が生産性向上や職場の改善に貢献していることを会社に理解させることが重要」、「会社は短期的な業績を競うが、組合は長期的な視点を持つべき」、「組合員への活動の見える化が大切」という日本人講師のアドバイスは、初めてセミナーに参加したモンゴルの若手組合員に、組合に関する新たな概念を与えた。

UNI-LCJ代表団はセミナー前に、日本大使館を訪問し林参事官からモンゴルの政治・経済・社会全般についてレクチャーを受けると共に、日本式の小・中・高専の一貫教育を行なう新モンゴル学園を視察した。セミナー後には、モンゴル郵便、モンゴルテレコム、ネットコム、ゴビ・カシミア工場等の職場を視察し、意見交換を行った。また、大草原の伝統的なゲルに宿泊し遊牧民の生活を体験すると共に、UNI-LCMメンバーの温かいもてなしを受け、両国の労働運動に取組む仲間としての絆を深めた。

 


コルティナ新UNI会長にバトンタッチ

第5回UNI世界大会の最終日、ルーべン・コルティナ氏が新たなUNI会長に選ばれた。幼い頃から苦労が絶えなかったが、コルティナ氏はアルゼンチンの労働運動で頭角を現し、2003年にUNI米州地域会長に就任すると、ラテンアメリカにおける組織化と組合強化を主導してきた。

4年間UNI会長を務め、今回退任するアン・セリン会長は、アルゼンチンの商業部門から始まり、30年に渡ってラテンアメリカの労働運動に影響力を及ぼしてきた同氏の多大な貢献と揺るぎない決意に敬意を表し、「ここでコルティナ氏に引き継げることを嬉しく思う」と述べた。セリン会長は、癌と闘いながらも、指導体制移行期のUNIを支えてきた。

コルティナ新会長は就任演説で、将来の世代のための労働組合の戦略的行動の必要性を強く訴えた。「問題の原因究明はよいが、変化のための行動を起こさなければ意味がない。不確実性を排したいなら、明確なビジョンと計画に基づいた行動を起こさなければならない。政治家が行動するだろうと座って待つ余裕は無い。」

「どの多国籍企業の門戸も叩き、プラットフォーム経済の隅々まで出かけて行く。子供達に寄り添い、子供達が働かなくて済むようにする。働く女性に寄り添い、賃金格差を埋めていく。青年に寄り添い、将来の機会を与える。必要とされるところへは、どんなに遠くても出かけて行く。世界中の2000万人の兄弟姉妹のために、UNIはある。」

「我々は、団結と平等のために闘う。我々のために誰かが社会正義をもたらしてくれるわけではない。我々自身で共に社会正義を構築していこう!」

コルティナ氏は、家族とアルゼンチン商業サービス労連(FAECyS)、UNI米州地域組織、UNI本部、そしてUNI加盟組織からの支援に感謝した。

ホフマンUNI書記長は、セリン会長とコルティナ新会長が何年にも渡りUNIの目標達成に貢献してきたことに心から感謝した。

世界大会はまた、各地域を代表する副会長と内部監査も選出した。UNI Aproからは、増田光儀JP労組委員長がUNI Apro副会長に選出された。

 


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