郵便・ロジスティクスサービスの多様化と、労組の変化への対応を議論する

UNI世界郵便・ロジスティクス部会会議が、2019年5月28~29日、スイス・ニヨンのUNI本部で開催され、約70人が出席した。UNI Aproからは、増田UNI世界郵便・ロジスティクス部会副議長(JP労組委員長)、シンガポールUTES、スリランカNPTWU、インドFNPO、NZファーストユニオンから委員や組合の代表者が出席した。

主な議題は、「郵便事業と雇用の変化に郵便・ロジスティクス部会の各加盟組織がどのように対応していくべきか」であった。会議に先立ち、UNIは加盟組織へアンケートを行い、次の報告書をまとめた。これら「郵便サービスの多様化」、「郵便サービス自由化の社会的・経済的重要性」に関する調査によれば、21世紀に入り欧州だけでも50~70万人の郵便労働者が減少している。また、郵便物数の減少と荷物の増加に完全に対応できておらず、通常郵便の配達が差し出し後5日目となった国も出現するなど、ユニバーサルサービスの質の低下も世界では顕著に現れている。

さまざまな議論を経て、今後、次のテーマを郵便の将来ビジョンとしていくことを確認した。

①グリーン(環境に優しいこと)

②イノベーション(労働条件とサービスの質の改善)

③多様化(新しいサービスの開発と支援)

④インクルージョン(包摂性。労働者と労組は変化に対応し、社会的に持続可能かつ包摂的な方法で、使用者と対等な条件の下、共に変化をデザインしていく)

増田副議長は、郵政サービスの多様化やイノベーションについて、日本の状況を報告した。日本郵便がベンチャー企業と連携し、荷物の積み下ろしを制御するアームを開発し、実際にロボットによる自動化を目指すなど、新しい技術の活用を進めていることを共有した。

また、UPUのゲストスピーカーから講演を受けた。金融包摂の専門家、サレー・カーン氏は、郵便の全国ネットワークを使った金融サービスの可能性に触れた。また、SDGs専門家のジェームズ・ヘイル氏は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成のためにも、労組との協力は不可欠であり、UNIと今後も密接に協力していくことを約束した。

この他、会議では次の3つの決議が採択された。

①米国、アルゼンチン、英国における郵政事業の民営化やさらなる自由化に反対し、国民と労組が求める場合は郵政事業を再国営化する

②モロッコ郵政使用者がILO条約やモロッコ国内法を遵守し、きちんと労組との団体交渉に応じるよう支援する

③パレスチナ郵政がイスラエルを通さず、直接外国と郵便物を交換できるようにするため、UPUの正式なメンバーとなれるよう支援する