労働組合と労働の未来

UNIは「労働の未来」に関するオピニオンリーダーとして、デジタルの世界が全ての労働者に力を与え、誰をも包摂するよう潮目を変えるために努力してきた。労働組合は、政府の政策に影響を及ぼし、透明性、機会、責任を確保し、新しいテクノロジーが少数者だけでなく多くの人に恩恵をもたらすものとなるよう適正化する力を持つイノベーターである。

この議題では、労働者のデータに関する権利、拡大するデジタル格差をいかに是正するか、倫理的なAIの活用、新しい世代の労働者といかに接点を持つかについて議論した。

UNIと加盟組織は、公正なデジタル化の未来に向けた発展にとりわけ責任があることについては疑いの余地が無い。なぜなら、新たな仕事の90%がUNIの関わる部門で創出されると見込まれているからだ。

ガイ・ライダーILO事務局長は、ILO創設100周年「仕事の未来」イニシアチブについて報告し、「かつてない速度で労働の世界が激変する中、労働者に有利な変革を起こすには、労働者を動員し、労働組合が様々な組織と連携して我々の望む労働の未来を形作る上で中心的役割を果たしていかなければならない」と訴えた。「さもなければ、将来は残酷な極論者によってつくられてしまう。我々が過去闘って勝ち取ってきた労働者の権利、包摂性、社会正義、持続可能な民主的な社会は将来、居場所がなくなってしまうだろう。」

ジャーナリストであり作家でもある、オープン・マーケット研究所のバリー・C・リン所長は、巨大テクノロジー企業の間の独占力が我々の経済・政治システムに及ぼす脅威について語った。

カーディフ大学の、ヘレン・ブレイカリー博士とスティーブ・デイビス博士は、UNIから委託された「労働組合のイノベーション」に関する調査の結果を報告した。

リバプール・ガール・ギークスの、ジョアン・モーフィとジェス・イングリーは、英国のテクノロジー分野におけるジェンダー格差をなくすため、女子学生に理数系の学習を奨励し、将来テクノロジー分野の職に就けるよう支援するプログラムに参加した体験を紹介した。

松浦昭彦UNI-LCJ議長は、UNIの労働の未来の取組みに沿って、UNI-LCJとしても、集中的に議論してきたこと、UNI本部のクリスティーナ・コロクロフ部長から、労働者データの扱いや、AIの倫理的活用を求める取組みについて情報共有したこと等を報告し、連合の労働の未来に関する認識を紹介した。「人口減少・超少子高齢に向かっている日本では、技術革新により、労働力不足を補い、生産性の向上が期待できる側面がある。産業内・産業間の労働力の需要の変化が見込まれるが、新規雇用が創出され、労働者が失業することなく新しいディーセントな仕事に移行できるよう、能力強化対策をとらねばならない」とする一方、クラウドソーシング、シェアリングエコノミー等、働き方が多様化する中、労働契約、安全衛生、教育訓練、社会保障制度も、働く人を守る視点から、改革する必要があると述べた。UNIを通じて、世界で起こっていること、海外の組合の対応に関する最新情報を共有し、日本の現状を踏まえ、将来を予測し、迅速な行動をとっていきたいと発言した。

日下部大樹代議員(生保労連)は、デジタル化によりサービスのあり方や働き方が大きく変化し、無くなる仕事も予測される一方で、東日本大震災直後の生命保険会社の営業担当者の経験を挙げ、人にしかできない、感情を動かすホスピタリティのあるサービスを創造し提供することが、これまでにない顧客の満足と新しい価値を生み出し、人間としての心の豊かさにもつながるのではないかと、問いかけた。

リバプールに結集した大会代議員はまた、アマゾンの事業モデルは労働者を底辺への競争に駆り立てていると非難し、レッドカードを突き付けた。ベシガーUNI副書記長は、同社の労働者への不当な扱いに抗議して、UNIの要求を明確に示した。「アマゾンは、法人税を適正に支払い、責任あるグローバル企業としてふるまうべきだ。我々はアマゾンの悪しき慣行に立ち向かう。アマゾンは、労働者をロボットではなく人間として尊敬すべきだ!」

動議4は満場一致で採択された。

 


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