5月 2018のお知らせ

第20回UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会

標記会議が5月11日、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員及びオブザーバーを含む30人が出席しシンガポールで開催された。会議では、新しく着任したコーネリア・ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長も出席し、郵便事業の変革を行っている世界各国の郵便状況報告、また、セネガルなどで成功している多国籍ロジスティクス企業の組織化状況報告を受け、討論を行った。2週間後にスイス・ニヨンで開催されるUNI世界郵便・ロジスティクス部会委員会及び世界会議、2020年にApro地域で開催されるUNI世界郵便・ロジスティクス部会大会の開催地等の準備状況について全体で確認した。

 

 

基調講演と各国報告

(1) シンガポールポスト 

シンガポールポストのフローレンス・チャン副社長が、「シンガポールポスト、私たちの変遷の旅」と題し、150年をかけ世界的な郵便企業へと成長していった経験を話した。世界的にみると、かつて中核であった書状市場が10%以上も前年より減少している地域もある。シンガポールポストでは、「生き残るために変化する」とし、アリババなど多くのEコマース企業と提携し、既存の郵便ネットワークを使ったエンド・ツー・エンドの配達サービスを展開している。

(2)  世界の郵政事業の自由化と改革の発展

ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長からは、欧州の更なる郵便の自由化を阻止する活動の紹介があった。欧州地域では、郵便物数の減少、Eコマースや小包物数の増加など、Apro地域とも共通する現象が起きている一方、将来のユニバーサルサービスの定義が、高い郵便料金、遅い配達スピード、配達頻度の減少など、これまでの基準から大きく変わる可能性も示唆された。

また、韓国郵政労組イ・ドンホ委員長は、新しいサービス、特にメールドローンの試行実験と環境に配慮した電気自動車による配達を積極的に導入している報告を行った。また、長時間労働をなくすため、土曜配達の廃止を目指すことが表明された。インドネシアASPEKリンフォックス労組のテグー委員長は、昨年末に経営側(リンフォックスはオーストラリアに本社のある多国籍ロジスティクス企業)から突然労組役員を含む職員の解雇通知を受け取ったが、UNI Aproの支援もあり、無事に労使の話し合いによって解決でき、解雇通知は撤回されたことが報告された。

APPUとの関係 ~関係強化に向け新しい共同プロジェクトを着手~

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長からは、現在JP労組の支援により開催されているUNI AproとAPPU共催の若手組合員向け共同セミナーに加え、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会メンバーとAPPU加盟国対象のフォーラムの開催が提案され、全会一致で承認された。

UNI Apro郵便・ロジスティクス部会活動計画(2018~2019年)

採択された部会の活動計画の項目は以下の通り。

(1) 郵便・ロジスティクス企業の組織化・加盟組織のない国へのアプローチ及び現在脱退している組織への接触

(2) 組合のエンパワーメントと能力開発・各種セミナー支援

(3) UNI Apro郵便・ロジスティクス部会の調和の取れた労使関係を進める

(4) APPUとの関係強化・新しい共同行動を進める

 


UNI-LCJ印刷・パッケージング部会、情報交換会

2018年5月14日、UNI-LCJ印刷・パッケージング部会に集う4組織及びオブザーバー組織が、情報交換会を行なった。各組織からの報告に加え、2018年度のUNI及びUNI Apro(アジア太平洋地域)印刷・パッケージング部会の活動計画を共有した。

6月に英国・リバプールで開催される第5回UNI世界大会では、世界執行委員会の選挙が行なわれる。印刷・パッケージング部会のUNI Apro代表2議席につき、UNI-LCJ印刷・パッケージング部会からの候補を確認した。

 


UNI Apro執行委員会、パートナーシップ労使関係の重要性を再認識

第24回UNI Apro執行委員会が、2018年5月9~10日、シンガポールで開催された。

開会にあたり、野田UNI Apro会長は、「2015年のUNI Apro地域大会で採択されたブレイキングスルー戦略に基づき、アジア太平洋地域の各加盟協・各部会を中心とした活動は着実に前進をしている。アジアの時代が到来する中、労働組合の果たすべき役割もますます高まっている。本委員会の意思統一を踏まえ、更に運動を強化していこう」と挨拶した。

ジェニングスUNI書記長の代理として出席したホフマンUNI副書記長は、現下の世界政治情勢に触れ、フランスやブラジル等において労働運動や民主主義に対する攻撃が続く一方、ジャーナリスト、エコノミスト、思想家等が、「団体交渉は経済成長に寄与する社会的公共財。労働組合は格差是正の解決策になる」との認識を持ち始めるなど良い兆しもある、と述べた。野田UNI Apro会長は、39日後に迫ったUNI世界大会で選出予定のホフマン新書記長を、UNI Aproとして支えていくと激励した。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro書記次長から各部会の成果報告を受けた後、各国の委員から報告を受けた。

宮井UNI Apro金融部会議長は、アジア開発銀行(ADB)との関係強化の取組み成果を報告し、継続の重要性を訴えた。八野UAゼンセン副会長は、昨年の各部会大会で確認した声明に明記された、公平な成長と包摂的社会経済開発を維持するためのパートナーシップ労使関係の重要性を想起し、国や労働法は違っても、UNI Aproとして推進していくことをあらためて提起した。

これを受け、ウン地域書記長は、パートナーシップ労使関係の実践によって、労働組合が脅威とは見られず、パートナーとして経済統合プロセスへの関与を歓迎されるようになったASETUC(ASEANサービス労組協議会)の実例を繰り返し強調した。また、ADBとの関係強化については、UNI Aproの信頼性が高まるだけでなく、UNI Aproの影響力を高める上でも有益であると述べ、関係強化の取組みを継続していくと約束した。

2019年の第5回UNI Apro地域大会、女性大会については、ネパール・カトマンズでの開催を決定した。

 


世界の働く仲間とつながろう!JP労組中国地方本部「次世代役員育成セミナー」

2018年5月10日、東京で、JP労組中国地方本部「次世代役員育成セミナー」が開催され、JP労組中国地方本部より16人の若手組合員が参加した。

次世代を担う組合役員の国際労働運動に関する知識向上と意識の醸成を目的に開催したもので、森川UNI日本加盟組織連絡協議会事務局次長が「UNIの活動」について説明した。世界及びアジア太平洋地域郵便事情が抱える課題や、UNI/UNI Apro郵便・ロジスティクス部会の取組みを概説し、JP労組が果たす国際労働運動における役割やUNIのネットワークを通じた連帯、社会貢献活動等を紹介した。

最後にJP労組の若手組合員へのメッセージとして、「UNIを通じて世界の働く仲間とつながろう」と国際労働運動への積極的な参加を呼びかけた。


フィリピン金融労組との情報交換

UNI-LCJ金融部会代表団は、フィリピン・マニラで開催されたUNI Apro金融部会委員会並びにADBとの共同フォーラムに合わせ、2018年5月4日、フィリピンの加盟組織、金融労組(NUBE-IFO)と情報交換を行った。

午前中、UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)青年委員会が10年以上に渡り取組んでいる社会貢献活動の1つ、パヤタス地区の貧困家庭の児童への給食活動を体験した。レイナー・クルスNUBE-IFO副委員長(元青年委員会議長)は、社会一般、特に若年層が抱く労働組合のイメージを刷新する目的で、このパヤタス給食プロジェクトを始めた、と経緯を語った。「労働組合は企業内の労働者の条件改善のためだけの、抵抗する、古い組織だと思われている。貧困対策等の社会的課題にも目を向け、働く者どうし連帯することにより、また社会パートナーとの建設的な対話を通じて、社会を変えていくことができる組織であることを伝えたい。」

貧困対策は産別ではなくナショナルセンターが取組むべき課題ではないか、という質問には、フィリピンの労働運動はナショナルセンターが複数存在するなど分裂しており、結束して課題解決に取組む体制が弱いとの実情が吐露された。

エクシー委員長は、フィリピンの金融産業の現状と傾向、労働組合の課題、労使関係を説明し、デジタル化時代に合わせた銀行労組(旧名称NUBE)の組織改革について説明した。組織化については、未組織のユニバーサルバンク、農村銀行、保険会社、銀行へのITサービスプロバイダー等をターゲットとする他、どの産別にも未加盟の独立労組の加盟や、管理職の組織化を重点目標とする。重点課題は、労働基準の遵守及び監督システムの改善、ジェンダーに基づく暴力の廃絶、業務の自動化・AI化への組合の効果的な対策策定、契約労働をはじめとする不安定な雇用形態の蔓延防止等である。フィンテックへの意識啓発活動としては、まず将来の働き方への影響を分析し、従来の対応では不十分であることを踏まえ、労働組合として、この大きな変化を止めるのではなく、コントロールすることが重要であることを組合員に周知していく。フィンテックへの対応としては、AI導入に関するルールの策定に労働組合も参画すること、AIシステムに「人間が指揮する」アプローチを採用すること、前線で働く従業員をAIで置き換えるのではなくサービス強化のために使うことを原則に、「倫理的なAI」条項を協約に入れるよう交渉していく。

NUBE代表団は2016年3月に来日し、UNI-LCJ金融部会と情報交換を行っている。エクシー委員長は、UNI Apro金融部会加盟組織として、今後もUNI-LCJ金融部会と情報交換を密にしていきたいと述べた。

 


ADBとの共同フォーラム「金融産業におけるデジタル化の傾向と雇用へのインパクト」

第2回UNI Apro金融部会/アジア開発銀行(ADB)共同フォーラムが、2018年5月3日、フィリピン・マニラで開催され、65人が参加した。「金融産業におけるデジタル化の傾向と雇用へのインパクト」をテーマに、活発な意見交換が行われ、デジタルディスラプション(デジタル化の波がこれまでのビジネス秩序を覆し破壊すること)が続く中、金融産業で働く労働者にとっての急務の課題に対応するため知見を共有した。

ADB年次総会に合わせ、UNI Apro金融部会が共同フォーラムを開催するのは2回目である。

「ASEAN+3(日本、韓国、中国)におけるデジタル化の仕事、スキル、雇用への傾向」と題する知識共有セッションではまず、ADBの経済開発部のラナ・ハッサン部長から、テクノロジーと仕事に関するADB調査報告書の概要について報告を受けた。続いて、モーテン・クラウセンUNI欧州金融部会規制政策担当が、フィンテックと雇用喪失に関するUNI金融部会アンケートの結果を説明した。

向浦全信連副議長と、ボビー・テイ・シンガポール銀行労組書記長は、日本とシンガポールそれぞれにおけるフィンテックの影響について現状と課題を報告した。

「フィンテックにおける、人工知能を活用したイノベーションのインパクト」と題するセッションでは、インテリジェント・ソリューション&コンサルタンシー社取締役、マノダ・ガマジ博士から基調講演を受けた。このセッションでは、顧客の新たな期待に応える新たなビジネスモデルを開発するプラットフォーム等、人工知能(AI)を活用した銀行・保険会社にとっての新たなビジネスについてのアイデアや提案が議論された。司会を務めたクン・ワルダナUNI Apro ICTS部会担当部長は、「AIで人々のライフスタイルも変化し、金融機関の仕事も変わり、機会も生まれている。イノベーションには、迅速さと創造性、生涯学習の意欲が鍵となる。労働組合として、連帯してベストプラクティスを共有し、社会パートナーとの対話に積極的に関わっていくことが重要だ」とまとめた。

宮井UNI Apro金融部会議長は閉会に際し、ガマジ博士からの「銀行だけでなく個人もイノベーションを受け入れること、AIと人との組み合せで最良の顧客対応ができるはずだ」というメッセージを受け、「一人ひとりが考え、行動を変えていかなければならない。労働組合は組合員のチャレンジを後押しできる環境整備を、会社や行政に働き掛けていく必要がある」とし、「人間に焦点を当てた取組みが今一層求められている」と述べた。


UNI Apro金融部会、金融包摂にデジタル化の活用を

第20回UNI Apro金融部会委員会が、2018年5月2日、フィリピン・マニラで開催され、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、ネパールから委員及びオブザーバー、事務局等、24人が出席した。5月3日から開催されるアジア開発銀行(ADB)年次総会に合わせてUNI Apro金融部会委員会が招集され、翌3日には、昨年の横浜に続き、第2回目のUNI Apro金融部会/ADB共同フォーラムが開催される。

開会式では、地元フィリピンの金融労組(NUBE-IFO)を代表し、エクシー委員長が参加者を歓迎した。NUBE(銀行労組)は、デジタル化の進展に合わせ、保険労組や他の金融機関労組も組織するため最近、組織範囲を拡大し、NUBE-IFOへと名称変更を行った。1980年代、銀行にATMが導入された時にも雇用喪失が懸念されたが、今日起きている変化の流れは止めることができない。だからこそ、組合は変化の有り様を管理しなければならず、そのため、金融産業で働くより多くの労働者を結集し、変化にうまく対応するため政労使の議論に積極的に関与していくべきだと訴えた。

ウンUNI Apro地域書記長は、労働組合のイメージを変えることがメーデー生まれの自分のミッションであると強調した。「労働組合は一企業の労働者だけのための組織ではなく、産業及び国を発展させていくことができる建設的な組織であるという理解が、まだ社会に定着していない。」同時に労働者に対しても、「権利があるから組合をつくるのではなく、社会に対する責任があるから組合に入る」という意識を持たせることに取組んできた。「でなければ、単に自分たちの利益を守るためだけの組織になってしまう」と40年に渡り訴え続けてきた。ADB年次総会に合わせて共同フォーラムを開催する意義についても、「職場の労働争議に影響力を行使するだけではなく、国際的課題の戦略を形成する場に労働組合ももっと積極的に参画していかなければならないからだ」と繰り返し強調した。ADBは重要な国際機関であり、開発支援や雇用に関する政策は我々に大きく関係する。

宮井UNI Apro金融部会議長は、「フィンテックの影響にはネガティブな側面とポジティブな側面がある。両方の側面について知見を共有し、職場の課題や社会の様々な課題をフィンテックの活用により解決していく知恵を出し合おう」と述べた。

UNI世界金融部会委員会(サンパウロ)の報告として、宮井議長は、米国の銀行産業で100万人が雇用されているにもかかわらず組合が無いために、弱い立場に置かれた労働者が過剰なノルマを課される他、銀行への批判が起こりにくいことから、様々な問題が発生していると指摘し、「組織化を進めなければ、欧米のみならずUNI Aproでも同じ問題が起こるだろう」と警鐘を鳴らした。

プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、世界経済フォーラムが主催した、金融産業におけるデータ保護に関するワークショップの議論を共有した。「選挙で情報操作が行われると政治に影響する。金融産業においてもデータが濫用されると顧客の懐疑心が高まる」と述べ、データ保護をもっと意識すべきだと強調した。

第5回UNI Apro金融部会大会(ジャカルタ)で採択されたUNI Apro金融部会行動計画について、マレーシアのキャサリン委員がASEANにおける取組み計画を説明した。ASEANには多くの金融・銀行労組が存在するが、組合員数が減少しており、特にマレーシア、フィリピン、シンガポールの加盟組合に対し、タイ、ベトナムの労組との関係強化に協力を要請した。タイ、ベトナムの労組との連携を確立した後、リーダー育成を行い、ASEAN銀行労組協議会(ABUC)の再構築を図る計画である。

スリランカには34の銀行があり、うち19銀行しか組織されていない。従業員の平均年齢は低下しており、若年層は組合に対する関心が低い。このような世代を組織化するため戦略を練り直し、従来とは異なる手法での組織化に取組み始めたところである。

保険産業における気候変動及びインシュアテックのインパクトについては、宮井議長が、世界的な異常気象を背景とした日本の保険業界及び労組の取組みを報告すると共に、インシュアテックの実例を紹介した。また、インシュアテックの進展により保険産業の構造や組合員の働き方が大きく変化することが想定される中での労組の取組みについても述べた。


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