10月 2015のお知らせ

第4回UNI Apro東アジア労組フォーラム

第4回UNI Apro東アジア労組フォーラムが、2015年10月28~29日、京都で開催された。日本、韓国、台湾、香港より約120人が参集し、「新たな頂点を極める:東アジアにおける労働組合の戦略と連帯」というメインスローガンの下、「賃金の公正な分配」、「母性の保護」、「労働安全衛生」の3つのテーマで議論した。

小俣UNI-LCJ議長は、今回の海外参加者数は過去最大数となり、東アジア地域の参加組合の連帯が回を重ねるごとに深まっているとした。賃金の公正な分配により、労働者の取り分を多くし、同時に労働安全衛生、広い意味でワークライフバランスを実現することによって、子供を安心して産み育てることができる社会につながるという点で、今回の3つのテーマの関連性を指摘し、有意義な議論を期待した。

逢見UNI Apro会長は、「東アジア経済危機の再来」と題する基調講演を行った。中国経済の実態、米国の利上げ、新興国の政治的経済的問題などが複雑に絡み合う不安定な時代にあって、金融危機は繰り返し出現する可能性は否定できない。労働組合を含めた社会パートナーが、それを阻止することはできないとしても、転換するメカニズムとルール作りが重要ではないか。労働組合はステークホルダーとして、企業行動をチェックする機能を今こそ果たすべきであり、グローバル枠組み協定や、国連の責任投資原則などをベースに対話を進めることの重要性を強調した。

第1セッション「賃金の公正な分配」

同志社大学の石田教授から、欧米の仕事基準の賃金と、日本等の人基準の賃金の比較という興味深い導入報告があった。その中で、人基準の賃金の負の側面として、働きすぎと、人基準賃金の正社員・仕事基準賃金の非正規社員の格差が指摘された。

これを受けて、各国・各組織からの事例報告では、男女間、大企業と中小企業、正規・非正規などの要素を含む賃金格差についての現状、課題、格差解消の取り組みの報告があった。情報労連・柴原氏は、KDDIが直接雇用している有期契約社員の一時金や、正社員を上回るベースアップの獲得、正社員登用制度の導入といった取組み成果を報告した。UAゼンセン・桂氏は、日本の流通産業はパートタイマー組合員に支えられていること、正社員とパートタイマーの職務内容の違いに比べ賃金格差が大きすぎることなどから、人材不足が懸念される中、モチベーションをもって働ける魅力的な産業とするためにも格差是正の必要性を強調した。自動車総連・山田氏は、業種間・企業規模間で見た賃金改善の獲得状況は、むしろ格差拡大の傾向にある点を注視し、自動車産業の持続的成長に向け、中小企業の格差是正と非正規労働者の処遇改善による、業界全体の底上げに取組む方針を示した。韓国KFCLUのイ氏は、政府による賃金ピーク制、成果主義賃金体系の導入奨励といった賃金体系改悪の動きや、労働者契約期間延長、派遣業務範囲の拡大をはじめとする非正規職拡大政策の阻止に向けた、韓国労働運動の反対闘争を紹介した。KFIUのチュン氏は、銀行における男女賃金差別是正の長年の取組みの成果と、1997年のIMF管理体制以降、急増した非正規職を組合の交渉によって減少させた点を、産別だからこそできることだと強調した。台湾CTWUのツェン氏は、賃金関連法規や民間企業の賃金構造等を説明した上で、賃金構造の低層化や、賃金上昇が物価上昇や経済成長に追いつかず、台湾の貧富の差が加速的に拡大している現況を報告した。司会を務めた八野UAゼンセン副会長は、韓国の労働市場改悪に対する反対闘争に、東アジアの仲間として支援を表明すると共に、賃金格差、貧富の格差、非正規の処遇等の問題に対する認識を持ち、取組みを進めることが重要であるとした。そのためには、組織化の推進と、労働の尊厳を守ることを、原点に戻って考えなければならないとまとめた。

2セッション「母性の保護」

韓国KFSU・カン氏の司会でパネル討論を行った。まずは、日本・全労金の深見氏から日本の育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法、韓国・KFIUのイ氏から金融労組が現行法を先導した育児休業制度、台湾・TFFUのリン氏から「労働基準法」、「男女職業平等法」、「職業安全衛生法」に含まれる母性保護関連法制と、女性の就業権と母性保護両者の重視について、香港のライハ氏から民間及び公的部門の母親・父親の休暇制度等、各国の母性保護関連法制について報告を受けた。

続いて、日本・生保労連・宮本氏から生保労連及び加盟組合の取組みと成果、特に男性育休100%を目指す取組みの紹介があった。韓国・KFIUのイ氏は金融労組の模範事例を挙げ、台湾PTSFEU・ワン氏は育児休職中の成績査定の扱いと女性の夜間業務における安全保護協定について、香港RCCIGUのライハ氏から職場における妊婦への差別の存在など、職場の現状や労使協約について聞いた。

最後に、日本・全信連の斉藤氏、韓国KHMUのカン氏、台湾のワン氏、香港のライハ氏が、今後の課題についてそれぞれ述べた。斉藤氏は、出産・育児関連制度の利用者は増加するも、問題点も出され、利用者本人及び周囲の意識が重要であり、制度の周知徹底と不安解消策の提言が必要だと述べた。カン氏は、看護士不足の病院で暗黙の了解となっている妊娠順番制の存在を指摘し、女性組合員が多い医療保険労組の様々な母性保護関連の取組みを紹介した。ワン氏は母性保護に関する広義の考え方や、男女平等教育の強化が課題であるとした。ライハ氏はILOの母性保護条約の批准や、違反した使用者への罰則強化が課題だと述べた。

司会のカン氏は、「良い法律や協約があっても、当事者及び労働組合の実践の意思がなければ何もならないことを再認識した。各国の状況を比較しながら、至らない点は今後補っていくのに良い教訓を得られた。それぞれが先進的に実践する模範的組織となるよう願っている」とまとめた。

3セッション「サービス産業における労働安全衛生」

UNI Aproのラジェンドラ労組強化部長と玉井組織化部長は、UNI Aproが東南アジアの小売業を中心に活用を普及させている、小売業における労働安全衛生に関するUNI Aproガイドラインの内容について、また特にインドネシアにおける活用事例を紹介した。労働大臣によって承認され、企業からも評価を受けて、政労使パートナーシップで安全衛生文化を根付かせようとしていることが強調された。更にインドネシアは最近、労働安全衛生に関するILO条約を批准するに至り、これはUNI Aproが働きかけた成果だと述べた。

台湾CPWU・チェン氏は、ハイテク及びサービス産業におけるストレス、長時間労働、ハラスメントといった問題、中高年労働者、一般女性労働者・母性保護、少年労働者の保護強化などについて報告した。韓国KFS・のカン氏は、感情労働は精神健康被害をひきおこす人権侵害だと強調し、グローバル企業で感情労働手当てや休暇を導入させた経緯や、労災認定を拡大する取組みを報告した。韓国KPWUのキム氏は、郵便配達中の事故防止や作業場環境改善、安全文化周知徹底の取組みの結果、労災が70%減少したと述べた。損保労連・辻田氏は、損保労連結成当時からの課題である長時間労働に関し、2011年頃に時短の取組み効果が表れるも、最近は業務領域の拡大に伴う業務量増加や業務の高度化により、特に女性の役割が大きく変化した上、長時間労働につながっているとし、ワークライフバランス、ダイバーシティの理解浸透、育児・介護と仕事の両立の支援、男性の働き方改革等の取組み強化が必要だと述べた。日放労・岡﨑氏は放送局における長時間労働が健康と番組の質に及ぼす深刻な影響を指摘し、意識改革と「よく休む」状況作りに取組んでいると報告した。JP労組・八木氏は、労働安全衛生の取組みは企業の責任だけでなく現場の労働者の参画が不可欠であるとし、日本郵便における交通安全管理、危険予防等の取組みにより事故率が減少したと報告した。会場からは多くの質問が出され、この問題に対する関心の高さがうかがえた。

最後に野田UNI-LCJ副議長が共同宣言(次頁)を読み上げ、満場一致で採択された。第5回フォーラムは来年10月下旬、韓国で開催する予定。

All in Kyoto

共同宣言

新たな頂点を極める : 東アジアにおける労働組合の戦略と連帯

UNI Apro東アジア労組フォーラムは、香港、日本、韓国、台湾の未加盟労組を含めたUNIに集うサービス産業労働組合間の協力の枠組みを確立する試みである。

労働組合の連帯が東アジア地域の様々な課題を打開する鍵となるように、率直な意見交換と議論を通じて、連帯、友情、相互理解を更に深めていくことは大変重要である。

2012 年、東京で第1 回フォーラムを成功裏に開催し、2013 年、ソウルでの第2 回フォーラム、2014 年、台北での第3 回フォーラムを経て、我々の結束は確実に高まり、フォーラムの継続が確認された。

今回のフォーラムは、メインスローガン「新たな頂点を極める:東アジアにおける労働組合の戦略と連帯」の下、「賃金の公正な分配」、「母性の保護」、「サービス産業における労働安全衛生」という3つのテーマを取り上げた。各国の好事例や教訓を共有することによって、非正規労働者の増大や格差の拡大、労働条件・職場環境・安全衛生面の改善、ワークライフバランス、特に女性労働者の労働環境の改善等、課題を再認識し、克服するための参考とすることができた。

また、フォーラム参加者は、経済のグローバル化によって、欧米に端を発する危機だけでなく、東アジアや新興国の経済状況によっても、我々の経済・雇用が大きなインパクトを受けるようになってきたことを認識した。現在結集する東アジア労組フォーラム参加労組の経験を活用し、対話の輪を更に広げることは、今後の東アジア地域の更なる発展に貢献するものである。

東アジアのサービス産業の労働組合は、新たな頂点を極めるために、労働組合間の戦略的パートナーシップを更に強化し、互いを尊重し、率直な意見交換をすることによって、各国の労働者とその家族の幸せのために今後も連携を深めていくことをあらためて宣誓する。

2015年10月29日

第4回UNI Apro東アジア労組フォーラム参加者一同


UNI世界MEI(メディア・エンターテインメント)部会大会

equalityUNI世界MEI(メディア・エンターテインメント)部会大会は、10月25~28日、ポルトガルのリスボンで、さまざまな会合を含んで開催された。世界各国から、80人以上の代議員とオブザーバーが集まり、現在のメディアが置かれている世界的な現状の課題と共有について熱い議論を交わした。

今回の大会は、「デジタル/公正/交渉」というタイトルが掲げられた。これは、一昨年に開かれた、デジタル時代のメディアでの労働条件をめぐって議論したブエノスアイレスでの世界執行委員会、さらには昨年の、丸一日を「世界公共放送サービス会議」と題し、経済的、政治的な側面から放送の公共性を守り、質を維持する制度を検討したウィーンでの世界執行委員会での議論を踏まえたものである。

会議では初日の女性委員会と世界執行委員会に続き、2日目は「テレビ・映画制作」と「ライブパフォーマンス」に分かれてグループ討議がおこなわれた。ギリシャで放送局が封鎖されるなど、制度的に具体的な課題を抱えるテレビ・映画部門と、フリーランス性が高いとみなされ団体交渉の仕組みもまだままならない俳優やスタッフなどの部門でそれぞれ討議をおこない、翌日からの執行委員会の事前討議とした。

3日目と4日目が世界大会に充てられた。世界大会では、

①私たちの、「将来の労働世界」を組織するために、②公正なデジタル市場のためのよりよいルール、③包括的な産業のためのさらなる平等、④世界経済のなかでの強固な公共的価値、⑤境界を越えていく表現の自由、⑥結社の自由に向けた私たちの闘い、の6つのテーマについて議論がおこなわれた。

UNI全体の方針と同様、組織化は大きなテーマとして議論の俎上にのぼった。とりわけ、デジタル時代で競争が激化し、取材者やスタッフの労働価値が低減されていくなかで、どのように組合員を組織化し、団体交渉権を確立していくか、ということが切実なテーマとして議論された。なかでも、アフリカや東ヨーロッパ諸国など、公共性に基づく放送局をこれから作っていこう、という志に燃えた労働組合が、しかしながら、使用者や国との関係のなかで活動が阻害され、影響を及ぼされようとしている実情が報告され、参加他労組からも強い支持の意見が寄せられた。

デジタル時代の課題については、さらに深く議論が進められた。世界各国では、デジタル化の進展によってメディアに対する資本の支配力が増し、品質の維持や公正性、表現の自由といったメディアにとって根本的な価値観が失われつつある、といった議論がなされ、これに対抗するための団結のあり方を今後も考えていくべき、という趣旨が展開された。

また、支配力が増しているのは資本のみならず、政治も同様である。この観点からも多くの発言があった。どの国でも、政治のなかでナショナリズムに基づく過激な意見が増え、有権者もそれを支持するようになり、対立が強く煽られるなかで、政治的な言説が力を増し、それをメディアが伝えるように求められるケースが増えている、といった発言が相次いだ。特に、1月にはパリで雑誌社の編集部がテロリストに襲撃され、また、来年の免許更新を控え、イギリスのBBCでは効率化に対抗すべく、労働組合が中心となって視聴者へ呼びかけるキャンペーンがおこなわれており、切実感をもった報告が各国からおこなわれた。

メディアに必要とされる、「世界経済のなかでの強固な公共的価値」については、アカデミズムの観点からの検討、さらにヨーロッパ放送連盟(EBU)との連携によるこれまでの活動報告が行われ、とりわけメディアでは労使関係においても、公共的価値を基本とした対話がおこなわれることが重要だ、という指摘があった。これを踏まえ日放労からは、経営との労働協約のなかにその目的として「放送の文化的使命の達成」という文言が入っていることを報告した上で、今年夏の安保法制をめぐる議論等で、世論の中に、対立ばかりが存在し、どこかで共通理解にいたるための、共同体としての基本的な要素である「公共性」が欠けていたのではないか、これは世界的な傾向ともいえるので、放送がむしろいかに「公共性」を積極的に再構築できるよう働きかける役割を労使で確認する必要があるのではないか、と提起した。

最後はランチタイムの時間もコーヒーブレイクの時間も半減させ、その時間中も参加者間の議論が止まらない、熱のこもった世界大会となった。会議の最後にアクションプランを採択し、次回2020年の世界大会をアジア・太平洋地域で開催することを決定し、閉幕した。


第13回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラム

group第13回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラムは、2015年10月27日、京都で開催された。東アジア地域にける郵便労組の友好・信頼関係の醸成と、事業を取り巻く情勢の共有のため、日本・韓国・台湾の郵便労組から70人が出席した。KPWU(韓国)からはキム委員長以下9人、CPWU(台湾)からは鄭委員長以下7人。今回は日本開催でJP労組がホスト組合であることから、各地本の国際担当者やユースネットワークも含めた約40人が参加した。テーマは、「非正規職員の労働条件改善」、「アジア太平洋の郵便事業と東アジア3 カ国の郵便労組の戦略構想」であった。

小俣委員長は開会式で、「かんぽ生命保険は、2016年にも米IBMの学習するコンピューター「ワトソン」を保険金の支払業務に導入する。人口知能の発達は労働の概念を大きく転換させることに繋がるとことを意味する。労働組合は、このことを可能性と受け止めるべきなのか、それとも憂慮すべき事態として受け止めるべきなのか。労働運動は、人を見つめ、働くことを見つめ、そして社会全体を見つめながら組み立てることが重要で、どのような技術の進歩や環境の変化があろうとも、働くことの価値、生きていくことの尊厳を高め貫くことが基本だ」と挨拶した。

IPOJP労組の今後

柴企画局長からは「IPOとJP労組の今後」として、海外からの注目度の高い株式公開による売却利益のその使途や日本郵政によるトールの買収理由が報告された。一方、JP労組もこのトールの買収を通じて、これまでの労働組合の枠組みに収まらない国際連携の強化を進め、トールの親会社「日本郵便」に対するJP労組の労使交渉等を通じて、日本的労使関係の浸透による組織化促進や、グローバル化時代として、海外の買収先の企業やその子会社の労働者の労働条件の向上を常に意識していると報告した。

日本郵便の海外戦略

日本郵便の目時執行役員から、世界最大のeコマース市場となるアジア市場の獲得のためのeBayや楽天との連携、海外通販セミナーの実施、新たな需要の掘り起こしとして国際郵便商品のラインナップ拡充(UGX、クールEMS、トール社買収)戦略等のプレゼンがあった。

非正規を巡る各労組の取組と進展状況

キムKPWU副委員長から、労働条件改善についての考察として、韓国郵政における非正規雇用の導入背景、その運用実態と問題点、非正規雇用の保護システム、KPWUの非正規職員の労働条件改善努力等について報告があった。その中では、長期間勤続手当・給食費・家族手当の支給や内務職員の制服の支給対象の拡大等の成果が明らかにされた。今後のKPWUの方向性として、身分の保証と雇用の安定、正規職員、祭日賞与などの各種手当の格差解消へ取組みが報告された。

台湾では、2003年の公社化に際して企業の競争力の強化と人件費の削減のために「雙軌制人事制(二重の人事制度)」を導入した。中華郵政には国家公務員身分の職員と公務員身分ではない職員が併存している。特に給与について非公務員給与は公務員の約75~80%に抑えられており、職員間の軋轢があることからCPWUとしても非公務員身分の職員待遇改善のために、特別休暇の手当支給、人事評価による賞与の支給、昇格なしとして給与の最高額に達している職員への賞与支給等を中華郵政から獲得したことが報告された。

JP労組が進めている非正規社員への取組みについて福島中央執行委員から、地域最低賃金を上回る郵政最低賃金や日本郵政グループ各社の期間雇用社員から正規社員登用のスキームや実際の登用者数や登用予定者数が示された。また、時給制期間雇用社員の休暇制度(特別休暇・女性社員の分娩・育児休暇・介護休暇等)について報告した。

UNI Apro郵便・ロジスティクス部会と共に15

来年に退職を控えている伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長から、自らのたどった過去15年に及ぶ国際労働運動、特に民主化直後のインドネシアポストの労働者の組織化、フィリピン等における複数ある郵便労組統一への思いが語られた。まだまだアジアの郵便労働者や郵便労組は支援を必要としており、今後もUNI Aproと連携して支援をしてほしいと要請があった。また、後継者への課題として、オーストラリアの郵便労組や中国郵電工会との関係を再構築してほしいとの期待が託された。

パネルディスカッション

小俣委員長、キム委員長、鄭理事長の3人に、伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長がモデレータとして加わった。各国の供する課題として、郵便事業は確かに大きく郵便物数を減らしており、事業は小包の増加によって救われているが、小包部門の競争も激化している。しかし、3カ国は、郵便、貯金、保険の三事業を持っており、事業の多角化をすでに実現している。この点は、他の地域にはない独自性であり、三事業一体ということは東アジア郵便事業の守るべき価値である。また、日本郵便のオーストラリア・トール買収に見られるように、今後海外戦略にどう対処していくかという問題がある。UNIのネットワークを活かし、当該企業の良し悪しを調査し失敗に至らないように判断することも可能であるという点で各労組の今後の方向性の一致をみた。


UNI世界金融部会大会

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UNI世界金融部会大会が2015年10月22~23日、トルコ・アンタルヤで開催され、UNI-LCJ金融部会から、田原UNI Apro金融部会議長(損保労連委員長)、宮本生保労連副書記長、渡邊全信連中央委員、大嶋全信連副書記長、末留全労金委員長の5人が参加した。直前に首都アンカラで起きたテロ事件のため、残念ながら斎藤全信連副議長は参加をキャンセルした。今大会は、エドガルド議長の退任に伴いブラジル銀行労連(コントラフ)のリタ氏がUNI世界金融部会議長に選出されたこと、日本の労働金庫から安藤常務理事と半田政策調査室次長が参加しプレゼンを行ったこと、田原UNI Apro金融部会議長がCSRをテーマとしたセッションのモデレーターを務め、渡邊全信連中央委員が規制のセッションでパネリストを務めた他、日本の各組織が発言を行ったこと、米国の金融労働者を組織化する意欲が感じられたこと(現在米国の金融労働者は全く組織されていない)等、これまで以上にUNI-LCJ金融部会とUNI世界金融部会の一体感が見られた大会となった。全体としては、アジアからの参加は少なかったが、マレーシア金融労連からソロモン書記長が参加する等、新しい動きが見られた。

冒頭、10月10日のテロ攻撃の犠牲者に黙祷を捧げた。エルグン・トルコ労働組合会議会長は、「シリアからトルコに入ってきた難民は200万人いる。我々は戦争を終わらせるようにすべきで、平和を訴えるデモがテロの犠牲となった」と述べた。ジェニングスUNI書記長は、「資本主義は様々な顔を持っている。デジタル資本主義、植民地資本主義等、ここに居る人々は様々な資本主義の位相を体験している。しかしグローバル枠組み協定を締結することは全ての金融関係者にとって共通の課題だ」と挨拶した。

責任ある金融産業の構築:持続可能な世界

パルビンダー教授に、プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長が質問する形で進められた。教授は、「金融市場の活況にも関わらず、社会的側面は後退している」と指摘した。宮本生保労連副書記長は「我々の産業は、お客様と地域社会に貢献することを意識すべきだ」と訴えた。フィオナFSU書記長は、消費者、経営者、顧客、従業員にCSRの考えを浸透させる教育活動に力を入れるべきだと述べた。

新しい規制のフレームワーク:ゲームのルールを変える

ピアUNI世界金融部会副議長がモデレーターを務めた。まず金融安定理事会(FSB)のペリー氏がFSBの役割を説明し、政策の実施におけるモニタリングの意義を強調した。結論として、強力で安全な金融市場を維持することの重要性を語った。コケラSASBO書記長は、「バーゼルIIIはアフリカでも問題になっており、自己資本比率を高めるためには合併せざるを得ない。合併となると、すぐに労働者の解雇となり、労働者が一方的に不利になる。またアフリカは中国による草刈り場となっており、この面でも西からと東からの収奪に直面している」と報告した。渡邊全信連中央委員は、日本の規制の状況に触れ、「経済危機に耐えうる財務基盤を構築する予定である」とし、バーゼル規制に対しては「機械的な資本の積み増しには反対である」と述べた。最後にエドガルド議長は、「我々はより良い規制のために闘わなければならない。短期的な投資はダメで、信頼を獲得しなければならない」とまとめた。

組織化と多国籍企業:不平等に対抗し、生活賃金を改善する強力な組合を作り上げよう

ホフマンUNI副書記長は、米国の組織化の経験を語った。団体交渉のカバー率が減少していることを問題とし、恐怖からの解放が不可欠だとした。ブラジルのリタ氏は、「米国の金融労働者の組織化に力を尽くしたい」と述べた。テレサCWAオルグは、「米国では銀行窓口係の給与は最低賃金にも達しておらず、行員は移民一世、二世が多く、アフリカ系やラテン系の顧客に金融商品を売り込むことが仕事である。そこでコミュニティーの組織化に乗り出した。18か月が過ぎ1万2000人に影響を及ぼせるようになった。米国の金融労働者数170万に比べるとまだまだ少ないが、14人のリーダーに教育を行っている。今後、外国銀行の組織化に取組む」と、米国の金融部門組織化の現状と計画を報告した。末留全労金委員長は、3年を超えた非正規労働者を無期雇用とする全労金の取組みについて報告した。

CSR:より良い労使関係、団体交渉、GFAへの道

モデレーターを務めた田原UNI Apro金融部会議長はまず、CSRを説明、社会的責任を果たす目的は持続可能な社会をつくることであると説いた。そして企業と従業員を結びつけるという意味で労働組合の役割の重要性を強調した。続いて、安藤労働金庫常務理事が、労働金庫の概要を、その歴史から、現状、銀行との違い、社会的役割まで説明した。更にトルコの銀行、イシバンクのエルシン会長からも話を聞いた。ピアUNI欧州金融部会副議長は、販売とアドバイスについて発表した。アンジェロ社会対話コーディネーターは、イタリアでは協同組合金融機関への攻撃が見られるとし、CSRを損なうような試みを非難した。フロアからは、インド・ステイト銀行労連のムラリ氏が社会貢献とCSRの関係について発言し、パキスタン・ハビビ銀行労組のシャビール氏は労働金庫のような金融機関はパキスタンには無いと、途上国の困難を述べた。

最後に、ブラジル・コントラフのリタ氏がUNI世界金融部会議長に、田原UNI Apro金融部会議長は同副議長に選出された。


トミー・アンダーソンUNI世界印刷・パッケージング部会議長来日

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2015年10月14~15日、トミー・アンダーソンUNI世界印刷・パッケージング部会議長(GS労組副委員長)が来日し、UNI-LCJ印刷・パッケージング部会主催シンポジウムへ参加した他、加盟組織労使、未加盟組織と意見交換を行った。

10月14日午前中、全印刷本部を訪問し、梅原委員長から本年3月のインド・セキュリティ印刷労組との交流について報告を受けた。また国立印刷局を訪問し、氏兼理事長、小林総務部長、竹田銀行券部部長と、日本及び欧州における共通課題について意見交換を行った。互いの経験やベストプラクティスを共有することができるUNIのような国際労働組織の意義を再確認した。

続いて、新聞労連を訪問し、塚田書記長から現状の報告を受けた。発行部数の低下は日欧共通の課題である。アンダーソン議長は、欧州では新聞の「オンデマンド印刷」が行われていると述べた。

午後3時から、凸版印刷労組会議室において、UNI-LCJ印刷・パッケージング部会シンポジウムが開催され、印刷労連、全印刷、UAゼンセン、新聞労連、大日本印刷労組等から約50人が参集した。冒頭、竹井前全印刷委員長の退任に伴い、梅原委員長が新たにUNI-LCJ印刷・パッケージング部会議長に就任することが確認された。梅原新議長は、「技術の進化を背景に、印刷・パッケージング産業は大きな変化を遂げているが、労働組合の国際連帯を強化し、共に手を取り合って課題に取り組んでいこう」と挨拶した。まず、アンダーソン議長より、欧州の新聞、印刷、パッケージング、セキュリティ印刷等各分野についての現状と今後の組合の課題について報告を受けた。今後の組合の課題、EWCとの連携や多国籍企業とグローバル協定に関する取組について説明があった。また、イオングループ労連の村上中央執行国際局長から、イオンの海外事業及びイオングループ労連の国際連帯活動を中心に詳細な報告を受けた。アジアに工場を持つ日本の印刷企業の労働組合にとって、進出先国においていかにパートナーシップ労使関係を構築していくかは、共通の課題であり、多くの質問が出された。シンポジウム後のレセプションでは、釣本印刷労連委員長が乾杯の音頭を取り、参加者は交流を深めた。

10月15日午前中は凸版印刷を訪問、午後は大日本印刷のショールーム(五反田)を、大日本印刷労組の別府委員長及び植野書記次長の案内で見学した。


第11回UNI Apro青年委員会

Group_trimmed第11回UNI Apro青年委員会が2015年10月13日、フィリピン・マニラで開催され、日本、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ネパール、スリランカ、オーストラリアの委員10人が出席した。前段の10月10~12日、UNI Apro/情報労連青年ワークショップが開催され、上記の国に加えバングラデシュ、パキスタン、ベトナムからの参加者52人が傍聴した。ミッシェル・ベリーノ議長(フィリピン銀行労組)はホスト国フィリピン加盟協の青年委員会を代表し全ての参加者を歓迎した。アリス・チャンUNI Apro青年担当部長は、青年委員会と合わせて開催される青年ワークショップによって、これまで数多くの青年が経験を積むことができ、委員のエンパワーメントにもつながっていると、情報労連の後援に感謝した。

UNI Apro青年委員会構成の変更として、日本・情報労連の北條郁子委員から浦早苗委員へ、JP労組の柿田将博副議長から佐々木怜平委員への変更と、第1地区(中央・東アジア)選出副議長に佐々木委員が確認された。ミッシェル議長は2人の貢献に感謝した。

委員からの活動報告では、日本から浦委員が情報労連の青年活動(平和行動等)と加盟組織(NTT労組、通建連合、KDDI労組)の青年活動を紹介した。日放労・岡﨑委員は、若い世代の組合離れの傾向と参加のきっかけ作り、平和学習、震災学習、組合の歴史を学ぶ研修等の取組みを報告した。JP労組・佐々木副議長は、ユースネットワークの組織、社会貢献活動、UNI Aproと協力した英語セミナーの取組みを紹介し、将来を支える世代として失敗を恐れずにチャレンジしている、と述べた。UAゼンセン・寺嶋委員は、ヤングリーブスの組織と主な活動を紹介し、例えば弁論大会がスピーチ能力強化、若者の健全な育成、活力ある運動構築に貢献しており、参加者の中から多くのリーダーが活躍していると報告した。日本の委員には、最近の安保法制に対する市民の抗議活動、高齢化対策、非正規労働者対策、環境、外国人労働者問題等多くの質問が出された。

ジョシュ・ピーク副議長(オーストラリアSDA)は、20歳以下の成人(18~19歳)に対する差別的賃金廃止キャンペーンについて経過を報告し、SNSや大学での啓発、保護者への資料配布等を通じて、若年労働者へのアピールを強化し、組織化につながったと述べた。また、SDAの若年労働者の組織化の手法についても説明した。モハメドA.A.ラムリ委員(マレーシアUPCW)は、マレーシア加盟協が取組む組織化の成功事例と、経営が変わると組合に対する態度が悪化する事例や、移民労働者、非正規労働者の課題を共有した。マルチ・バンダリ委員(ネパールNcell労組)は、毎年、国内での就職率は10%足らずで、10万人がマレーシアや中東へ出稼ぎに行くと述べた。また、4月の大地震で観光産業が大打撃を受けたが、UNI Apro及びネパール加盟協は国の再建を支援していると報告し、UNIの仲間からの支援に感謝した。ミッシェル議長は、青年の組織化に苦労していると述べた。社会で問題を起こす若年層の報道が多く、青年のイメージアップも兼ねて、社会パートナーとして活動を展開している。大学と提携した労働組合教育と、2005年から始めたパヤタスにおける児童給食ボランティアについて報告した。アリーフ・ラチマン委員(インドネシアASPEK)は、全国最賃の引上げ、新銀審議会・賃金調査委員会への若年労働者参画と、若年層への組合規則の理解促進等の活動計画を紹介した。ノリカ・ワルナスリヤ副議長(スリランカNPTWU)は、スリランカでは組合に入らない誓約書を書かされている労働者が多いため、例えばスーパーの非正規労働者にアプローチする際には、小売業の実態調査と称してデータを収集したり、年金保険制度を紹介したりしている。スリランカ加盟協は業界を超えて青年・女性の育成に取組み、合宿でチームワークを醸成し、新たなリーダーの必要性を説明している。

この他、バングラデシュ、パキスタン、ベトナムの傍聴者からの報告もあった。

小川UNI Apro機会均等部長からは、第3回UNI世界大会(2010年、長崎)で採択された女性の40%代表制を実現するための取組みと、そのための特に若い女性のリーダー育成として5月より始めたメンター・メンティ・プロジェクトの紹介があった。経験豊富な女性役員が若い女性活動家とペアを組み、ワーク・ライフ・ユニオン・バランス(時間のやりくり)から組合内の人間関係構築、組合役員としての心構えまで、2人で設定した課題をこなしながら指導していく2年間のプロジェクトである。ミッシェル議長もメンターとして、メンティを1人受け持っている。UNI Aproでは金融産業に比較的女性役員が多く、女性役員の少ない郵便やICTS部会などの若手を指導するなど、産業・組合を超えたペアで取組んでいるのが特徴である。

最後にアリス部長は、来年の青年活動計画について、UNI世界青年大会がUNI Apro地域で開催となった場合はUNI Apro青年委員会を合わせて開催すること、そうでなければ例年通り、青年ワークショップと合わせて開催すること、日程については後日連絡すると述べた。

委員会後の夕食会(ソリダリティナイト)では、パヤタス支援のためのオークションや、各国代表のパフォーマンスが披露され、参加者は夜遅くまで交流を深めた。


ミッシェルUNI Apro青年委員会議長に聞く

UNI Apro/情報労連青年ワークショップ(2015年10月9~12日、マニラ)の参加者は、ミッシェル・ベリーノUNI Apro青年委員会議長にインタビューを行なった。

 

聞き手(情報労連・後藤) 「議長を務めるに至った経緯は?」

ミッシェル議長 「もとは企業別組合(BDO労組)で青年委員会の一委員でした。2004年、UNI Aproの活動に積極的に取り組んでいた関係でUNI-PLC青年委員会書記に選出されました。やがて前任を引継ぐ形でUNI Apro青年委員会副議長となり、その後、議長に選出されました。」

聞き手(情報労連・山口) 「最初に労働組合に関心を持つようになったきっかけは?」

ミッシェル議長 「フィリピンの銀行業界は企業別組合で、試用期間が終わると自動的に組合員になります。そのため、青年委員になった当初は組合に対する理解が未熟で、半ば趣味として務めていました。その当時から特に注力している活動が主に2つあります。1つはパヤタス(ゴミ集積場付近の貧困層が多く住む地域)の児童支援プログラム、もう1つはキャンパス活動です。キャンパス活動とは、大学と提携して、就職する前に「組合とは何か」を知ってもらう活動です。対外的には、寄付金を募るためにパヤタスの活動を大きく発信していますが、キャンパス活動も同じ比重で現在も取り組んでいます。この活動を通じて、労働者の権利を知ることが重要だと改めて感じました。また、労働組合を担っていく人を増やす、という側面でもとても意義があります。」

山口 「日本でも入社後には説明の機会がありますが、学生までには裾野を広げられていません。ぜひ持ち帰って実践したいです。」

ミッシェル議長 「キャンパス活動は地方自治体と連携できた点からも、うまく機能しています。連携できた地域内の学校では、授業として組合を理解する場が設けられています。」

後藤 「日本もフィリピンと同様に、組合員の中で組合に対する理解がなかなか広がらないという課題を抱えています。役員を務めていない一般組合員の関心度を高めるコツは?」

ミッシェル議長 「継続して参加を呼びかけていくことが大切です。報告を聞いてもらうだけでは巻き込めません。例えば情報労連で行っている平和活動は参加型ですし、とても効果的だと思います。少人数でも実際に参加してもらうことが大切です。」

後藤 「機関紙の発行なども、読んだその場で終わってしまい、なかなか次の行動につながりにくい現状があります。」

ミッシェル議長 「パヤタス活動も、当初はパンフレットなどを作成していましたが、同じ状況でした。今は広報にあてていた分を寄付に回しています。また、青年委員会ではメンバーの誕生日を祝う代わりに、パヤタスへの寄付金にしています。みんなで食事に出かけるとそれなりの出費があります。それならば、4分の1の額でもいいから寄付に回そう、ということです。青年委員に限らず一般組合員へも呼びかけています。フィリピンでの活動経験を日本に持ち帰ってもらえたら嬉しいです。」

ミシェルUNI Apro青年委員長


UNI Apro/情報労連青年ワークショップ参加者、地域書記長インタビュー

UNI Apro/情報労連青年ワークショップが、2015年10月9日、フィリピン・マニラで始まった。開講式では、クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長が基調講演を行ない、労働者の組合に対するイメージの悪さを改善する必要性を強く指摘した。

「私自身、若い頃、労働組合の活動の必要性や責任を理解していなかった。しかし、当時の支店長から差別的な扱いを受けたことがきっかけで、組合選挙に立候補することにした。当選してから私の組合人生が始まったわけだが、だんだん組合活動の大切さを理解し、さまざまな活動に関わることができた。私にはそうしたきっかけがあったが、きっかけのない人はなかなか組合の役割やその重要性を理解できない。役員になってもなお、理解不足の人が多いのが現状だ」と自身の経験を振り返った。

「労働者が組合のことを知らず、また信じていないのであれば、信頼を構築する必要があるが、それが我々の最大の課題である。使用者からのプレッシャーがあるとか、法律が整っていないといったセリフは、単なる言い訳に過ぎない。」

最後に、「今でさえ厳しい労働組合の現状は今後さらに厳しくなるだろう。将来を担う若者を巻き込んでいく活動を続けることで、多くの労働者の組合への理解を深める努力を続け、その役割を社会へと反映していかなければならない」と、青年参加者の積極参加を促した。

講演に続き、参加者はウン地域書記長にインタビューを行なった。

聞き手(情報労連・山口)「きっかけのない人を組合活動に巻き込んでいくことは大変であることを、身をもって感じている。きっかけを作るには?」

ウン地域書記長 「私が青年活動に参加していた1970年代を振り返ってみると、2~3週間の研修が今よりも活発に行なわれていた。そして、その活動に参加したメンバーが、組合の重要性を理解し、またリーダーシップを発揮し、現在の組合活動を支えるリーダーとなっている。次世代を担うリーダーを育成するためにもリーダーシップ研修をどんどん実施し、若手を組合活動に巻き込み、労働組合とは何なのか、その真の役割は何なのかを知ってもらう必要がある。」

聞き手(情報労連・後藤)「1970年代の青年研修はどのようなものだったのか?」

ウン地域書記長 「リーダーを訓練する場合、環境がとても大切だ。型にはまったものではなく、参加型で自由に発言できる環境こそ彼らにリーダーとしての自信を与える。当時、研修は2~3週間の日程で、キャンプに行くような研修も多くあった。キャンプで他国の組合活動家と共に活動することを通じて、参加者が自らのリーダーシップ能力の向上を図ることができた。主催者側も彼らのリーダーシップを見極めることができた。また、参加者の新たなネットワーク作りにもつながっていた。当時は電子メールもフェイスブックも無かったが、私たちは長きにわたって友好関係を継続している。今回の参加者もネットワークを構築する大切さを理解し、またリーダーシップ能力を向上できるよう、積極的に1週間を過ごしてほしいと願っている。」

聞き手(後藤、山口) 「今回の青年ワークショップでは、より多くの友人を作り、またリーダーの役割を果たせるよう積極的に頑張りたいと思います。ありがとうございました。」

クリス地域書記長


UNI Apro/JP労組共同英語セミナー

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第5回UNI Apro/JP労組共同英語セミナーが東京・青梅のかんぽの宿で、2015年10月10~11日に開催され、JP労組のユースメンバーを中心に32人が参加した。本セミナーは英語のみによるセミナーであり、2011年から毎年実施している。今年のセミナーでは労働組合の地域貢献活動に焦点が当てられた。

今回のセミナーには海外の郵便労組からリソースパーソンとして、台湾CPWUのアミア・タン氏、インドネシアSPPIのデディ・ハルヤント氏、米国NALC(外勤労組)のクリス・ヘンウッド氏の3人を招聘した。更にUNIから、伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長、小川UNI Apro機会均等部長、UNI-LCJスタッフのベイカーも参加した。

八木国際部長の司会でセミナーは始まり、増田喜三郎副委員長は海外からのリソースパーソンを歓迎すると共に、参加者に対しては、このような機会を活用して、台湾、インドネシア、米国の郵政事情や労働組合活動を学び、学んだことを職場や地域で発信し、JP労組運動の活性化と豊富化につなげてほしい、と期待した。

伊藤UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長は、「UNIと共に歩んだ15年を振り返って」と題する講演を行い、自らの経験から、JP労組の若手組合員・役員にもっと積極的に国際労働運動に関わってほしいと激励した。台湾のアミア講師は、中華郵政の現状、CPWUのユース活動、ワークライフバランスについて発表した。インドネシアのデディ講師は、SPPIを紹介した後、規制緩和、新たなサービス、労働条件について報告した。米国のクリス講師は、USPSについて、NALCのコミュニティサービス、USPSの直面する課題等についてプレゼンした。モデレーターの小川部長は、簡単な英語で繰り返し説明し、時には日本語の解説を交えて、参加者が理解しやすいように進めた。

リソースパーソンも加わったグループ討論では、4グループに分かれ、「①私たちの地域の魅力自慢」、「②地域における郵便局としてのボランティア」の2つのテーマで、リソースパーソンに英語で、時には身振り手振りで説明を試みた。グループ討論の後には、各グループ代表が英語で討論のポイントを発表した。

全ての参加者は、台湾、インドネシア、米国の郵便労組の概要だけでなく、日本全国各地の仲間の日々の活動や郵便局の地域貢献活動について学ぶことができた。また、初日の懇親会ではグループ別にダンスや歌を披露して友好を深めた。英語はコミュニケーション手段のひとつに過ぎず、身振り手振り、伝える意思、度胸、チームワークがあれば、何とか伝わることを実感した。2日という短期ではあったが、国は違えどもUNI郵便部会のファミリーとして繋がっている=連帯感をあらためて認識した。


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