6月 2013のお知らせ

「がんばろう石巻!」被災地の復興に向けて

2013年6月13日、UNI金融部会代表団は仙台(荒浜、石巻、女川)を訪問し、東日本大震災による津波被害を受けた地域の被災者に連帯の意を表した。

UNI金融部会議長とUNIアフリカ、UNI Apro、UNI欧州代表団は現地労組リーダーと会い、東日本大震災と津波の経験について意見交換を行った。

亀井健二仙台銀行新労働組合書記長は「私たちに起こったこと、経験したこと、感じたことを世界中と共有していきたい。」と語った。亀井書記長は東北地方の被災者は津波による多くの障害を乗り越え、生活を立て直していかなければならないと悲痛の思いを語った。
現地労組リーダーは震災後の地域住民のニーズへの対応について共有した。日本の労働組合は協調行動をとり、生活の全てを失った津波の被災者の救済に尽力した。

エドガルド・イオジアUNI金融部会議長は津波の被災者の遺族へ哀悼の意を表すと共に、 宮城県の人々が勇気を持ちこんなにも早く生活を立て直していく決意をしたことに対し称賛した。イオジア議長は、震災の経験をUNIの仲間や世界中の人々と共有していくことを現地労組リーダーに約束した。また、仙台を訪問したUNI金融部会代表団は、世界中にいる100万人以上の金融労働者の代表であり、被災者が生活を立て直し、復興に向けて結束した経験を、全員で共有していくと伝えた。

イオジア議長は、被災地視察の機会をつくった關UNI Apro金融部会議長に感謝した。


UNI-LCJ金融部会グローバル・ワークショップを東京で開催

UNI / UNI Apro金融部会後援UNI-LCJ金融部会グローバル・ワークショップは、全世界の金融部門で働く仲間、32名の参加をもって開催された。日本からの参加者は103名であり、UNI-LCJ及びUNI-LCJ金融部会の総力を挙げての取組みが功を奏した。日本のUNI加盟組合、UNI未加盟組合が共にグローバルな金融危機からの脱出、規制、インクルーシブな金融機関のあり方などを世界の仲間と共に意見交換するこの催しは、これからの金融機関の労働組合の姿を先行的に示すものであった。

開会
まず主催者を代表して、關裕UNI Apro金融部会議長が立ち、英語で歓迎スピーチを行った。關議長は特に「金融機関の社会性」を強調し、参加者を歓迎した。エドガルド・イオジアUNI金融部会議長は、欧州金融危機を振り返り、「2008年以降当局の対応は素早かった。バーゼルⅡ、バーゼルⅢと規制の体制を作り上げ、現在は銀行同盟の構築にとりかかっている。FSBと討論した時、これは実体経済にとって良い結果を生み出すことになると感じた。組合の重要性を認識させることが重要である」と述べた。加藤友康UNI Apro会長は、UNIにおける金融部会の重要性について触れ、UNI-LCJ金融部会が昨年1万人の純増を達成したことを賞賛し、「金融労組が日本の労働運動の中でより重要な働きをすることを期待する。」とした。クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、ASEAN統合を振り返り、ASEAN銀行労組協議会の位置について述べた。相原UNI-LCJ議長は、自動車産業と金融制度の結び付きに触れ、「多くの金融セクターの健全性はあらゆる経済活動の基礎をなしていることを実感する」と述べ、UNI-LCJ金融部会を激励した。

第1部:ファイアウォールとリングフェンス‐欧州におけるポスト経済危機の金融規制
アーヴィッド・アーリン北欧金融労組副書記長、リュック・プレチンク欧州中央銀行労働者委員会議長が欧州の危機を説明した。マルシオ・モンザネUNI金融部会担当局長は、「過去は、ラテンアメリカ等後進国が危機の発生源だったが、今では資本主義の中核となっている国々が危機の中心となっている。そのためG20が調整を進め、FSBが作られた。流動性資金に対して、リスク管理に力を入れており、大きすぎて潰せない銀行(GSIFI)に関しての話し合いが行われている。最も重要なことは、危機の前は統合的な管理システムがなかったことである。また、ITUCは市民社会との接触がなかったことを批判している。」とFSBの役割を概括した。
討論では、ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長が、「アジアでは97~98年の危機から学び、ASEANプラス3、チェンマイイニシアチブなどの防波堤を作っている。」と指摘し、エドガルド議長は「内部告発者の保護の重要性」を語った。關議長は、「日本の例として、大地震が起きたとき、我々は金融庁とコンタクトを取り、顧客の声を集約して、要求としてまとめた」という経験を挙げた。ホセ・ウマリNUBE(フィリピン全国銀行従業員組合)中央執行委員長は、「バーゼルⅢは来年フィリピンでも実施され、特に中小銀行に影響が大きい」と報告した。アーヴィッド副書記長は、「バーセルⅢがレイオフにつながって来ている例を挙げ、UNI欧州としては規制は支持するが、全ての規制を支持するわけではない」と述べた。リュック議長は、「ネットワークを作ろう」と呼びかけた。

第2部:地域に浸透する金融サービスを増やす政策の一貫性‐労働組合の役割
マウロ・ボッソラFABI(イタリア銀行員独立連合)副書記長は、イタリアの協同組合制度を取り上げ、協同組合が憲法で保証されていることを強調した。プリヤラル部長は、FSBのピアレビューにおいて、組合も席を持つべきと主張した。河野哲也全労金書記長は、労働者自主福祉運動の観点から労働金庫の創設、発展を押さえ、労働組合としても「協同組織としての健全な労金事業と社会的な役割発揮を目指す」とした。伊藤雄太郎労済労連副委員長は、全労済の概要、規模を概括した後、特に東日本大震災の影響に焦点を当て、6月13日の被災地視察に触れた。小川宏農団労書記長は、農協の歴史を振り返り、金融仲介機能の必然性を導き出し、農協設立の理念を現代に復活させる重要性を強調した。
討論では、「どの業界にも受け入れられる、良い規制とは」「労金が利潤を生み出すような活動は良くないと言うが、どうやって生き延びるのか」「持続可能性を高めて行くため、途上国と先進国では違うが、どう調整していくのか」などの質問が出た。「配当と利益は違う。利益はある。それは再投資されなければならない。コミュニティーのために使われなければならない」「社会的包摂という観点で考えていくべきである」「ICAの原則には、利益を出資者である人々に返していくという項目がある」などの意見交換があった。

第3部:日本の事例
まず田名田曜行損保労連事務局次長が「消費者からの信頼向上」のテーマでプレゼンを行った。業界再編の進展の中、顧客視点を持った業務の見直しが必要である点が強調された。そして持株会社のグループ戦略が従業員に大きな影響を及ぼす可能性に触れ、純粋持株会社とどのような関係を構築すべきかを問題提起した。続いて大長俊介生保労連中央副書記長より、日本の生保産業における販売チャンネルが営業職員による対面販売をベースにしており丁寧なコンサルティングを行うことが可能となっているが、保有契約高の減少などネガティブな側面も見られる点を説明した。日下芳郎全信連書記長は、銀行の合従連衡の歴史を振り返り、信託銀行を「商業銀行が行っているサービスとともに、資産管理・不動産などのサービス提供が可能な銀行」として紹介し、組合活動では特に教育に力を入れていると語った。
討論に移り、「組合は企業の社会的責任にどのようにコミットしているか」「欧州では、差別の撤廃を話し合っており、作業部会で討論している」「損害保険協会と定期的な懇談会を持っており、各企業がCSRの取組みを進めていることもあり、その中で活動している」「各会社と交渉、どういうことをやっているか」「バンカシュランスについての考え方」「外国銀行の活動」「新しい政権との関係」「ストはあるか」など、様々な討論が行われた。特にストライキの問題では、ポルトガルの代表から「ストをやっても何も得られないのであれば意味はない。ギリシャは42回ストを実施したが、成果はあげられなかった。それよりも政治的社会的な対案を考えていくほうが良い。」との発言があった。
この日に開催されたレセプションでは、重富健太郎労済労連中央執行委員長が司会を務めた。關議長、エドガルド議長の挨拶に続き、石田輝正全労金中央執行委員長が乾杯を行い、日下書記長の中締めまで、満員盛況で、それぞれが言葉を超えて、友情を確かめ合った。

第4部:情報共有セッション‐市場原理主義的金融政策の失敗からの回復
各国代表が演壇に立ち、意見交換を行った。

第5部:UNI金融部会の今後の方向性
エドガルド議長が、「日本やアジアでこのような活発な活動を行っている金融労組があることを今まで知らなかった。意欲的な取り組みを行っている組合があることを知って嬉しく思う。議長としてさらにUNIに奉仕しなければならない。こうした活動ができるようになったのも、2007年頃からで、UNI金融部会は運動の形を変えた。現在、金融部会ほどグローバル化した組織はない。きちんとしたアクションプランを持てるようにすべきである。今回のワークショップに参加することができて良かった。次のステップは、米国の金融業界で組合を作ることである。これも全員が協力すればできる。小さな一歩を踏み出したい。」と述べて、閉会した。

加盟組合、博物館訪問(6月12日午前)
6月12日午前中、海外参加者は3グループに分かれて加盟組合訪問や博物館訪問を行った。
Aグループは、11名の海外から来た仲間が、全信連加盟組合の三菱UFJ信託銀行従業員組合事務所を訪れ、日下芳郎書記長、田中一浩副書記長、中元茂夫中央委員、渡邉博明中央委員が対応した。出席者が全員銀行出身者であったこともあり、時間を超過して活発な意見交換が行われた。二つの加盟組織になっての難しさ、リーダーはどのように決めるのかなど、多くの質問が出た。特に銀行を中心とした日本の労使関係に討論は集中した。
Bグループは、海外参加者7名と全労金、労済労連、農団労役員5名が賀川豊彦記念・松沢資料館を訪問した。日本の協同組合運動の父と呼ばれる賀川豊彦の生涯および日本の協同組合運動、さらには労働組合運動の軌跡について、加山館長と杉浦副館長より丁寧な解説を頂き、参加者からも多くの質問が出された。
Cグループは、海外参加者9名が生保労連を訪問し、生保労連の取組みと課題について詳細な説明を受け、意見交換を行った。女性の組合役員についての質問には、女性労働者が非常に多い中で、女性の組合活動への参画強化に努力しているところであると答えた。また、少子高齢化や単身世帯の多さが具体的に示された統計を見て、海外参加者は非常に驚いていた。プリヤラル部長は、提示された詳細な統計や報告に感謝し、生保労連の欧州調査にも関心を寄せ、結果をUNIの仲間と共有したいとの希望を述べた。
なお、シンガポールDBS労組代表団4名は、6月12日午後に連合を訪問した。竹詰国際局長より日本の非正規雇用の現状と連合の取組みについて詳細な説明を受けた後、熱心な質疑応答の時間がもたれた。

被災地視察(6月13日)
2013年6月13日午前、UNI-LCJ金融部会グローバル・ワークショップに参加した海外参加者21名は仙台で、地元の金融労働組合役員(亀井健二・仙台銀行新労働組合書記長、古川道太・全労済労働組合中央執行委員/北日本総支部書記長、渡部一也・東北労金労組執行委員長)と、震災時の労働組合の取組みについて意見交換を行った。海外のUNIメンバーはどのような被災地支援ができるかという質問に対して、「帰国したら見たこと、聞いたこと、感じたことを他のメンバーに伝えてほしい」と答えた。イオジア議長は、被災地視察の機会をつくった關UNI Apro金融部会議長に感謝した。同日午後は、荒浜、松島、石巻、女川など各被災地を視察した。


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