8月 2012のお知らせ

長崎平和大使、核軍縮を訴える

長崎平和大使(日本の高校生や被爆者などから成るグループ)が今年もニヨンのUNI本部を訪れた。これに先立ち彼らは、核兵器廃絶・核軍縮を陳情する155,000余の署名を国連欧州本部に提出した。

平和大使を歓迎する中で、フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、「核兵器のない世界のために活動する高校生を再び迎えることができて光栄だ。私たちもみなさんの夢と目標を共有したい。核兵器廃絶キャンペーンを支援したい。世界にはいまだ19,000の核兵器があるとされ、それらが使用される危険性は常につきまとっている。今日ここにいる被爆2世、3世、さらには4世をも含む平和大使は、悲劇が2度と繰り返されないよう、悲劇を忘れまいとしている。私たちはみなさんの行動を誇りに思い、共に進みたい。」と挨拶した。今回、在ブラジル被爆者の証言を伝えたブラジル出身の2名を含む生徒たちは、被爆者の存在と彼らが平和大使になった理由について、感情をこめて語った。

川崎有希さんは、自分の祖父の経験について語った。川崎さんの祖父は、原爆投下後、遺体の埋葬と死に行く人々のケアのため、100km離れた家から広島へ駆け付けた。彼女の祖父は、放射線の影響で病を患った。彼女のメッセージは「もう戦争を起こさないこと」だ。

片山宥那さんは、幼稚園時代に出会った被爆者の「全ての人が世界の平和を願い行動すれば、それは実現する」という言葉を伝えた。

相原由奈さんも、「あなた達が、被爆者の経験を直に聞くことのできる最後の世代。私たちはあなたにバトンを渡さなくてはならない」との被爆者のメッセージを伝えた。

平和のメッセージを受け継ぐことについて、全ての平和大使が強い責任感を表明した。現在、被爆者の平均年齢は77歳である。

UNIは、2010年の世界大会開催地である長崎の市民と温かい友情を育んできた。UNIのブレイキングスルー戦略では、核軍縮を目指す国際的な運動を支持している。

長崎でのUNI世界大会の4か月後、日本は壊滅的な地震と津波、そして福島における原子力発電所の惨事に見舞われた。地震と津波によりおよそ2万名の命が奪われ、さらに数千名が住居を奪われた。

1945年8月6日に米国による広島への原爆投下により約14万名が、そして3日後の長崎への2発目の投下で7万名以上の命が、一瞬のうちに犠牲となった。

長崎平和大使は、「長崎を最後の被爆地に」との訴えで活動を続けている。彼らが、被爆者の声を直接聞くことのできる最後の世代となる。


JP労組関東地本、スリランカ郵便労組組合員の子どもに奨学金

2012年8月7日、スリランカ・コロンボで、JP労組関東地方本部とUNI-Aproによって2002年から始められた、スリランカの郵便労組(UPTO及びNUPTW)子弟向け奨学金授与式が行われ、JP労組関東地本の関執行委員、鈴木執行委員から激励を受けた。7月に第6期生12名(両労組組合員家族の応募者の中から、大学生6名、大学進学希望の高校生6名)が選抜され、親と共に式に出席した。奨学金管理委員会は、プリヤラルが委員長、ラナトゥンガUPTO書記長が事務局を務め、UNIスリランカ加盟協の役員から構成されている。IQテスト、筆記試験、奨学金管理委員会メンバーとの面接を経て選抜され、月額2500ルピーの奨学金が2年間支給される。

スリランカ、日本両国歌の演奏に続き、プリヤラル委員長から、JP労組関東地本に対し、10年に渡る奨学金の提供に感謝の言葉が述べられた。スリランカでも競争社会の中で特に若い世代には個人主義が広がっている。今回選考の過程では「一緒に力を合わせ達成する文化」を体験してもらったのだが、その意図は「個人のためでなく社会のために存在する」労組の価値観と前向きなイメージを若者に行動から学んでほしかったためだと披露した。スリランカではまだ社会・政治・イデオロギー的に分裂がみられるが、今回選抜された奨学生には、将来団結してスリランカの発展に貢献できるよう、与えられた機会を十分に活かし勉学に邁進するよう激励した。

関JP労組関東地本執行委員は、東日本大震災に際し、UNIの各国の仲間及びスリランカ郵便労組から寄せられた見舞いと支援に感謝した。国際的な社会貢献活動として組合員のカンパから始まった支援活動によって、同じ郵便事業で働く仲間の子供が知識を高め社会に還元し、次世代の子供に夢と希望を与えられることを期待し、厳しい郵便事業環境にあっても、この意義ある支援を継続し、連帯を深めていきたいと挨拶した。

元組合役員でもあるアラビ・モワラナ西部州知事も駆けつけ、奨学生を祝福した。知事は「スリランカと日本はひとつの国」と表現し、日本からの支援にあらためて感謝すると共に、日本が困難にある時には力になりたいと述べた。

奨学生一人ひとりに、知事、関執行委員、鈴木執行委員から証書が手渡された後、奨学生を代表して、ネルカ・ナヨミ・ガマナヤケが、JP労組関東地本、UNI-Apro、奨学金委員会、郵便両労組、家族に感謝の言葉を述べ、将来の希望に向かって努力していくことを誓った。

写真はFlickr参照


ワークライフマネジメントに関するUNI-Apro 専門職・監督職シンポジウム

2012年8月7日、スリランカ・コロンボで、ワークライフマネジメントに関するシンポジウムが開かれた。
UNI-Apro専門職・監督職委員会委員に加え、海外参加者、スリランカの加盟組合及び専門家、南アジア・オルグ/教育担当訓練コース参加者等、8カ国32労組から100名を超える参加者が出席した。
午前中は「サービス産業の持続可能な成長のための、専門職・監督職におけるワークライフマネジメントと主要業績評価指標(KPI)達成の適正バランスについて」のテーマで情報共有を行なった。アジャンタ・ダルマシリ・スリジャヤワルダナプラ大学経営大学院経営コンサルタント(スリランカ)は基調講演で、ワークライフバランスの概念について批判的検討を試み、そこに内在する根本的な欠陥を明らかにしようとした。

続いて、福地UNI-AproP&M副議長が、NTTの研究者・技術者のワークライフバランスの取組みを紹介した。ICT分野の事業環境の変化や社会情勢に対応できる、働き甲斐をもちながら安心して働き続けられる制度が必要となり、研究開発課題の多様化により働き方も多様化している中で、定年(60歳)から年金受給(65歳)まで安心して働ける制度構築と、研究所における裁量労働制導入・改善及び在宅勤務の積極推進を図った。組合としても、裁量労働制の運用を検証し、研究所の施策をトライアルとして他の組合員にも展開し、ワークライフバランスを更に充実させようと取組んでいる。
クララトネ・ランカ国際経営顧問サービスCEO(スリランカ)は、サービス産業におけるワークライフバランスとKPIについて発表した。企業にとって株主や顧客を満足させるのも重要だが、従業員がいなければ企業は運営できないのであり、従業員の満足度を上げなければビジネスは成功しない。長時間労働は、健康を害し生活や精神面に悪影響を及ぼし、結果、仕事の能率も落ち、期待された成果があげられず、更なる長時間労働へと悪循環に陥る。従来のKPIは財政面だけを測る指標だったが、管理可能なものにだけ指標を設定すべきで、時間管理もきちんと行い、従業員の実績を評価し報奨を与えることが重要と提案した。

ウン・ペンホCIMB銀行労組書記長(マレーシア)は、「金融業における非現実的なKPI及び販売目標」と題し、窓口係・営業担当の抱える事例を訴えた。生産性は伸びたが報酬の配分は平等でなく、経営側は人件費もコストとみなし、職をも脅かすようなKPIを押し付けている。病欠、長期疾病や産休取得、異動等があれば、目標達成は更に難しくなるが見直しがされない。組合としては達成可能なKPIにしてほしいと願っている。

ノラ・カンDBS銀行労組委員長(シンガポール)は、「PMEの雇用保障」と題し、若年、熟年、復職希望の女性、フリーランスという4つのカテゴリー別に特徴的な懸念、外国人PMEに職を奪われるという懸念、現在の雇用法がPEMを対象としていないという問題点に鑑み、組合が取り上げるべき課題だと述べた。NTUCは研修、エンプロイヤビリティ強化、転職希望者に成長産業への雇用機会の拡大、雇用法見直し、啓発活動、三者仲裁に重点を置いて取組んでいる。PMEに対してウェブサイトやソーシャルメディア等を通じて、こうしたサービスの活用を奨励し、同時にPMEを労働運動に取り込んでいきたいと語った。

午後は監査法人アーンスト&ヤングのパートナー、アルジュナ・ヘラス氏が、「コーポレートガバナンス(CG)の評価:金融専門家及び年金基金運用受託機関の信託機能」というテーマで、CGの枠組みを概説、スリランカにおけるCGの実情と、取締役会の独立性確保や小規模株主の権利保護に向けた動き、更に従業員積立基金(EPF)の投資とCGについて説明した。

ウルフ・ベンソンUNI P&M議長(エンジニア労組委員長)は、スウェーデンの退職年齢の変化と年金制度の課題について報告した。公的年金が世界で初めて導入された1913年当時、受給年齢は67歳と設定され、1975年に65歳に引き下げられた。従来は確定給付だったが、1996年に確定拠出(給与の18.5%を各自拠出)に変更した。専門職は65歳で退職後もコンサルタントとして週1~2日のペースで数年働くケースが多い。受給額を維持するために退職年齢の引き上げが議論されている。長く働いてもらうには、良い職場と年長者を尊重する雰囲気が重要だと述べた。

ジョン・デペイバUNI-Apro P&M議長(NTUC名誉会長)は、シンガポールにおける中央積立基金(CPF)下の退職金給付について、冒頭「シンガポールには年金制度と最賃はない」と明言した上で、退職後の保障、子供の教育、医療・保険、住宅、財テクに包括的に使える、労使拠出による社会保障貯蓄制度の仕組みを説明した。現在65歳の退職年齢を67歳か70歳への引き上げを検討中とのこと。老後には早くから備えなければいけないと強調した。

關損保労連委員長(UNI-Apro金融部会議長)は、少子高齢化が加速化する日本の年金制度と課題について、AIJ投資顧問による年金消失問題にも触れながら報告した。その上で、再発防止には、投資・運用機関に対し、金融資本市場及び金融産業の活性化という観点もふまえ、バランスのとれた規制を行うこと、金融機関には適切な情報開示を義務付けること、年金基金は受託者としての責任を果たすこと、年金加入者(代表としての組合)はガバナンス機能を発揮して責任投資を確保すべく意見反映していくことが重要だ、とコメントした。

ルシリパラ元セイロン銀行労組委員長(現在は建設会社及び発電会社のコンサルタント・取締役)は、スリランカの公務員及び民間の年金制度の問題点について指摘した。

プリヤラル部長は出身労組の元委員長に加え、P&M委員会の世界・地域両議長、UNI Apro金融部会議長、委員会メンバーが遠路はるばる本シンポジウムに参加し、専門職・監督職に関わる重要なテーマについて有益かつ貴重な情報を提供してくれたことに感謝し、閉会した。

写真はFlickr参照


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