6月 2009のお知らせ

フィリピンからの看護・介護労働者受け入れをめぐって

2009年6月25日、「国際移住とグローバルユニオン ~フィリピン看護・介護労働者の受け入れをめぐって~ 」と題したPSI-JCとUNI-LCJの共同セミナーが行われた。


2009年6月25日、UIゼンセン会館において、「国際移住とグローバルユニオン~フィリピン看護・介護労働者の受け入れをめぐって~」と題した PSI-JCとUNI-LCJの共同セミナーが行われ、約120人が参加した。本セミナーでは、日比経済連携協定(JPEPA)によりフィリピンから 273名の看護・介護労働者が来日したことを背景に、国際移住の現状や両国労組の対応のあり方が議論された。
最初に岡部PSI-JC議長が開会の挨拶の中で、外国人労働者は受入国と送出国の双方で労働者の搾取の問題があるとし、「連合の長谷川さん、京都大学安 里先生に考え方をお聞きして、パネルディスカッションでそれぞれの国の事情や課題を共有したい。」と述べ、外国人労働者に関わる問題は労働組合として取組 む必要のある課題であると訴えた。
次に、長谷川裕子連合総合労働局長による「連合の外国人労働者に対する当面の考え方について」の講演が行なわれた。長谷川局長は外国人労働者の受入国と 送出国の双方のあり方に焦点をあて、受入国に対しては、外国人労働者の人権を尊重し日本人と同等の労働条件を確保するべきである、また送出国に対しては、 人材流出を防ぎディーセントワークを推進する出稼ぎのない政策を目指すべきであると論じた。現在、日本の介護・看護労働は、激務であり離職率が高い。日本 人が魅力を感じない職場に外国人を受け入れるべきでなく、労働条件・就業環境の改善が求められると強調した。さらに外国人労働者技能研修制度については、 国際貢献という趣旨に反し技術向上につながらない単純反復作業が中心となっている、また低賃金の温床であることで、労働者は生活のために休日出勤や深夜労 働を余儀なくされる現状がある、と厳しく指摘した。この現状を打破するためには外国人労働者に対し、労働条件や生活環境などの正しい情報を与え、労働者保 護の法律について理解可能な言語で説明することが求められると訴えた。
そして、安里和晃京都大学大学院文学研究科准教授による「看護・介護のグローバル化と日本の位置づけ~互恵的な人材の受け入れは可能か~」と題する基調 講演が行なわれた。台湾、シンガポールなどのアジア諸国では女性の就業率が高く、家事労働や在宅介護のために外国人労働者を多く受け入れている。高失業率 下においても海外移転ができない介護労働に対する需要は増大しており、送出国は、貧困対策・外貨獲得・雇用対策の点から人の移動を好意的に見ている。しか し同時に、優秀な人材の流出や高齢化などの問題も残っている。また、自国への送金のため、移民労働者の離職率は低く、受入国の期待もきわめて高い。だが、 日本の場合、外国人看護師・介護福祉士候補者士については、特に前者について地位に関する曖昧さが残っていたこともありの特定の地位が定められていないた め、賃金のトラブルや社会的地位の低下などの問題点が見受けられる。安里准教授は、この状況を分析し、「外国人看護師・介護士は基本的なスキルを持ってい るものの、日本の資格を有していないことが問題となっている。ところが、日本の看護資格を日本語で受験して取得するには基礎的日本語だけではなく、日本人 にも難解な医学用語を修得した上で、試験に臨む必要がある。そのためには継続的な学習を可能とする条件整備が必要である。現在、受入機関で研修を行ってい るが、研修のあり方は基本的に受入機関に丸投げであり、受け入れの在り方に関して熱心な施設とそうでない施設の二極化が生じている。受入機関や研修者に対 する研修が求められる」と提言した。
続いて、アリス・チャンUNI-Apro商業部会担当部長の司会の下、ノーマン・グレッシャスAFW副委員長、佐藤克彦PSIアジア太平洋地域事務所長、ジュン・ウマリUNIフィリピン加盟協事務局長によるパネルディスカッションが行なわれた。
グレッシャスAFW副委員長は、「フィリピンの現状と課題」として、看護師の海外流出対策のための人材プール創設を提案した。また、移民労働者に対するディーセントワーク順守に重点を置き、特に日本人と同じ社会的保護を与え、労働組合に加入させるべきであると主張した。
佐藤PSIアジア太平洋地域事務所長は、「PSIの政策と活動」について報告した。グローバル化により物・金・情報と労働者が国境を越えることが加速度 的に増えている昨今、途上国では貧困、ディーセントワーク不足と高失業率の問題がある。雇用ミスマッチの原因は、使用者は雇用の柔軟性や低賃金を期待し、 労働者は高賃金・均等待遇・ディーセントワーク・能力を活かせる場を求めているからである。日比政府間の協議に較べて日比労働組合間の協議と協力は極めて 不十分であり、日比労組連携協定(JPUPA)こそが重要であると強調した。
ウマリUNIフィリピン加盟協事務局長からは、日本の組合へ具体的な意見提起がなされた。フィリピンの労働組合は今後、日本で働こうとする労働者の選考 から渡航前説明会までの一連のプロセスに関わり、派遣に対する適切な情報が得られるようにモニタリングしていきたいと述べると共に、日本の労働組合にも、 労働組合への加入を促し、日本の労働法や労使関係に関する情報を提供することによって、フィリピン人労働者を支援してほしいと要請した。同時に、海外から 看護・介護労働者を受け入れたことで日本人の労働条件が悪化しないよう、日本とフィリピンは国境を越えた協力をしていくべきだと訴えた。
これら意見提起に対し、アリス・チャンUNI-Apro商業部会担当部長は、移民労働者の人権保護が第一であるという共通点を見出し、送出国・受入国がお互いに労働条件を改善する基盤づくりをするべきであるとまとめた。
最後に、桜田高明UNI-LCJ議長が閉会の挨拶をした。「日本人の看護師・介護福祉士の過酷な労働条件や外国人労働問題への対応など重い課題はあるものの、今日を出発点に、これらの問題と向き合っていかなければならない」と強い決意と共に締めくくった。

UNI-Apro郵便ロジスティクス部会/APPC共同セミナー、同 SEWU-THP共同セミナー

newsImage 第10回UNI Apro郵便ロジスティクス部会/APPC共同セミナー(バンコク)、UNI-Apro郵便ロジスティクス部会/SEWU-THP共同セミナー(アユタヤ)が開催された。


UNIジャパンポストの後援、アジア太平洋郵便連合(APPU)の研修機関APPCの協力を得てUNI-Apro郵便・ロジスティクス部会が各国郵便労 組の若手役員向け研修として毎年主催している標記共同セミナーが、6月8~9日、バンコクのAPPCで開催され、インド、インドネシア、ネパール、フィリ ピン、シンガポール、スリランカ、タイ、ベトナムから11名(うち女性5名)が参加した。
開会式でソムチャイAPPC所長は、米国に端を発する世界的な経済危機に触れ、郵便・ロジスティクスサービスにおいてもより効率的なサービス提供が求めら れている中、本セミナーを通じて新しい知識を学び職場で生かして欲しいと参加者を激励した。UNI-Apro郵便ロジスティクス部会を代表し挨拶した ロー・ジョンファン・コーディネーターは、今回で10回目となる本セミナーは多くの卒業生を送り出し、彼らが現在も組合リーダーとして第一線で活躍してい ることに触れ、長年に渡るAPPCの協力に感謝した。
参加者はまず、ソムチャイAPPC所長よりグローバルな郵便事業の概要、UPU及びAPPUの組織機構について説明を受けた後、APPC講師陣より、変化 する郵便・ロジスティクス・ビジネスの現状、韓国ポストのITを活用したビジネスモデル、郵便・ロジスティクス事業におけるITの活用、効果的な人事管理 手法等などのトピックについて講義を受けた。
今回初の試みとして、平行して開催されていたAPPC主催ITコースのアジア12カ国の参加者とともに「世界不況下で郵便・ロジスティクス事業の収益を高 めるためにどうすべきか」についてグループディスカッションを行うことができた。また、1日目の講義終了後、タイ郵便労組(SEWU-THP)の協力によ り、同じ敷地内にあるタイポストのバンコク地区最大の区分拠点ラクシー・メールセンターを見学する機会を設け、好評を博した。

6月10~11日には近郊都市アユタヤへ移動し、タイ郵便労組(SEWU-THP)及びUNIタイ加盟協(UNI-TLC)の約20名とともにUNI- Apro郵便・ロジスティクス部会/タイ郵便労組共同セミナーに参加した。チュラロンコーン大学経済学部ラエ教授よりタイ労働運動の歴史と現状について、 ローUNI-Apro郵便ロジスティクス部会コーディネーターよりUNI加盟組織及び郵便事業への経済危機の影響について、さらにタイポストのソンプラソ ン法人カスタマーサービス課副部長よりRFID等の最新技術を活用したロジスティクス事業についてそれぞれ講演を受けた後、参加者はグループに分かれ、各 地域の郵便・ロジスティクス事業及びTLCに加盟している各労組における経済危機の影響について討論、および発表を行った。地域や産業ごとに違いはあるも のの収益の悪化、人員削減、非正規労働者の増加などいくつかの共通した影響が出ていることが明らかにされ、危機を乗り越えるためには組合としてこれらの動 きを常に監視するとともに新しいサービスの提供など経営側との協力も必要との意見が出た。ブンスワンUNI-TLC副議長は、UNIジャパンポストと UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会の支援に感謝し、UNI加盟組織として共にこの危機を乗り越えていこうと呼びかけ、閉会した。


UNI-LCJ金融部会、シンガポール金融部門を調査

newsImage 第3回UNI-Apro金融部会大会を控え、UNI-LCJ金融部会としてどう貢献できるかを考え、シンガポールの金融部門の調査を行った。


調査の背景とコンセプト
今般の世界的金融危機により、米国・ヨーロッパ地域との関係において世界経済の成長セクターであるアジアの存在感が増大する中、UNI-LCJ金融部会 としてアジア太平洋地域に貢献する必要があるとの認識を持つに至った。損保労連の石川中央執行委員長・山崎事務局長、全労金の河野書記長、全信連の佐藤議 長、労済労連の照沼書記長、UNI-LCJの伊藤事務局長でチームを組織、アジアの金融のハブ機能を担うシンガポールの金融労働組合、金融機関、金融監督 当局などを訪問し、世界的な金融危機の影響や国際的な金融規制のあり方、ならびに金融機関における人材育成の実態調査を行うことを決めた。なお、コンセプ トは、①労働組合以外の金融規制当局などを含めた様々な組織へのアクセス力強化、②金融機関が誠実で正しい事業運営を行うための社会性のある人材育成の調 査、③労働組合としての影響力拡大のために組織化を行い、地域内のUNIメンバーを増やすこと、の3点である。

調査の概要
2009年6月8日(月)~10日(水)の日程で、計10箇所を訪問した。

クリストファー・ウンUNI-Apro地域書記長とのミーティング
ウン地域書記長よりADB(アジア開発銀行)へのアプローチの重要性について提起があった。この点では、「最終的にアジア太平洋地域のGUF(グローバ ルユニオン)が共同して影響力を拡大するために意思統一し、PSI(国際公務労連)が前面的に役割を果たしながら取り組めることとなったこと。具体的に 2009年2月の理事会では、ADB・GUF・ITUC-APの対話の会議を持つことができたこと。また、対話の結果、ADBの教育プログラムにGUFか ら講師派遣することができ、かつADBに労働組合デスクを置くことができそうで、それらを通じてコーディネートする動きも出てきたこと」などの報告があっ た。

アクサ・シンガポール支社での経営側とのミーティング
持続的な成長のための世界的戦略として人材育成を強化しているアクサのシンガポール現地法人のCEO、「世界的な金融危機の中でのアクサのアジア地域の 状況と各国の事情に合わせた戦略」、「人材育成のためのカリキュラムや社員対象の『スコープ』というアンケート」、「持続的発展のための労使対話・協議の しくみや社員との直接の関係づくり」などの説明があった。なお、MASに対しては、「活動は活発で職員研修を含めて様々な指摘をしてくる。レギュラーベー スで監査が行われる。そういう意味で少しやり過ぎ感はあるが、大変プラグマティックで、実際に良い規制であると受け止めている」との見方が紹介された。ま た、急遽、アクサ・アジア太平洋キャンパス(アジア太平洋地域の人材の能力開発・発展を目的に500万ユーロをかけて建設されたもの)見学の機会を得るこ とができた。また学長より、全世界の社員とアクサの経営理念を共有するために「アクサカルチャーというプログラムを重視していることや、毎年各地域のトッ プが集まってアクサバリューを確認した上で、経営トップ自らが各国を訪問しアクサの価値観を伝えることで企業コンセプトや戦略を徹底している」という話が 印象的であった。

NTUC(シンガポール全国労働組合会議)及び関連組織
NTUCは労働者の理解と経済的競争力のバランスを重視しており、金融危機を受けて「人員削減数がアジア通貨危機時の29,000人に達しないようにし よう」、「失業率が過去最悪だった5.2%に届かないようにしよう」、「回復に努力しよう」の3つを柱とする「Up turn」戦略を確認・実行しているとの説明があった。また、1972年からスタートした政労使の三者構成が機能しており、そこで作成される賃上げ交渉等 のためのガイドラインの位置づけも極めて高いことがわかった。その他、「NTUCとして女性が働きやすいように再雇用の取り組みを促進していること。ま た、組合費を払わない労働者が多い中で『nEbo』というティーンエイジの集まりを形成していること」などの紹介があった。
この他、NTUCクラブ(1986年に設立されたNTUCの12ある社会企業の一つで、レジャーと娯楽を受け持っており、安価でレクリエーションの機会を提供し、そのことで労働運動の強化に寄与することをミッションとしている)や、NTUCインカム労組も訪問した。
NTUCインカム労組からは、第一世代は利益もあげないし、労働者も大事にしないという考え方、第二世代は利益をあげてメンバーに貢献するという考え方、 第三世代は社会的企業という考え方で、社会的な目的は変わっていないものの、協同組合の形態は変わってきているとの説明があった。特に、シンガポールで は、グローバルな保険会社と戦わなければならず、買う内容を強調した戦略が求められるようになってきているとのことであった。現在、「文化革命」と呼んで いて文化自体を変えようとしているということで、オンラインを活用したしくみ等により、若い人たちをターゲットにしたり、商品も高品質化をすすめたりして いるとのことである。「100%新しい企業に生まれ変わろうとしている」との言葉が印象的であった。なお、シンガポールでも協同組合としての税制面での優 遇幅はなくなってきているようだが、アドバンテージということではやはり労働組合とのつながりが大きく、NTUCがバックにいて存在が保証されており、し かも、政労使という三者構成の枠組みがきっちり機能しているので、結果的に政府の保証も得ていることになるとの説明があった。また、メンバーが常に特権を 受けられるようにしなければならないということで、「LUV」という組合員むけの掛金の安い商品を用意しているとの紹介もあった。なお、NTUCインカム では、パブリック(一般加入者)・メンバー(職域加入者=労働組合の組合員)ともに商品の掛金は基本的に両者で同一であるのに対し、利益は徹底的にメン バーのみに還元されている。パブリックは基本的に高所得者が多いということで、中低所得者が多いメンバーのみに利益を還元することで、結果的にNTUCイ ンカムが社会保障に代わる所得分配機能も有していることがわかった。

SIEU(シンガポール保険労働組合)
冒頭、政府が実行している「Jobs Credit」(会社に雇用の義務を守らせるためのもの)と「Spur」(職業訓練期間中の補助)という2つのプログラムの紹介があった。また、保険産業 への特徴的な影響として、生保は「セールスが減少しており、投資に直結する商品が売れない中、トラディショナルな商品に回帰する傾向があること。また、金 融危機を受けて、以前は政府とMASの規制に対して行き過ぎではないかという声もあったものの、現在は『規制があって良かった。そのおかげで破綻が避けら れた』という捉え方がされていること」、損保は「海運の落ち込みが激しく、投資のリターンも戻ってこない状態となっているが、業界全体としては悪い状況で はないこと。ただ、自動車保険損害率が悪化していることや、不法入国者などによる業務上災害保険への意図的な請求が増えていること」などの報告があった。

SBEU(シンガポール銀行労働組合)・SBOA(シンガポール銀行上級職員協会)
SBEU、SBOA共に「良好な労使関係の構築」、「労働条件の改善」、「企業の発展」の3つを共通の目的としているとの紹介があった。そのうえで、銀 行産業への特徴的な影響として、「現在の状況はそこまでひどくはないものの、サービスインクルメントの交渉は9月まで据え置きとなっていること。また、経 営側の意向として労働組合に助けてもらいたいということがあり、例えば休日に働いても代休で処理していること」などの説明があった。なお、顧客との関係と いう点では、間違いなくリーマンの破綻で人々の考え方は変わり、MASによる規制の結果、銀行として投資性商品を扱えなくなったとの報告もあった。さら に、MASは日本の金融庁と同様にかつては資産査定がメインだったものの、最近では商品の売り方を含むコンプラインスを重視する傾向があり、そうした観点 での職員教育まで求めてきているとのことであった。

DBSSUDBS銀行労組)
金融危機による影響として、DBS銀行では昨年人員削減が行われたものの、該当者に新しい職に就いてもらえるように、DBSSUはNTUCと一緒に 「e2i」を通じて協力しているとの紹介があった。シンガポールでは最初の四半期で約10,000人が人員削減にあったが、そのうち約1/3が労働組合の 組合員で、DBS銀行が一番多いとのことである。2008年に、政府が実施するベイビーボーナス(子育て援助)口座を他の銀行が引き受けるようになったた めで、関連取引もすべてその銀行に移ってしまうことが大きいとのことであった。また、セールスはダウンしていて、MASの規制によって販売スタイルも変わ り、具体的にはサービスにフォーカスが集まっているとの報告もあった。

シンガポール通貨庁(MAS
金融危機によるシンガポールにおける損保への影響として、シンガポールの経済は全体的に日本と似ており、例えば貿易の落ち込みにより海運業が落ち込んで いる。一方で、建設ラッシュにより建設業は好調であるなど日本との差異も説明があった。そのうえで、損害率の悪化から自動車保険料が高騰しており、適切な ロスコントロールしなければならない問題や、高齢化がすすむ中での適切な医療保険の提供という課題があるとの報告があった。ただし、幸いシンガポールでは それほど金融危機によるダメージはなく、それはサブプライム関連商品をあまり積極的に買っていなかったという事情によるようである。しかし、他の投資家は “津波”(今回の世界的金融危機)で多くの損を被ったため、MASとしてはコアビジネスにフォーカスするよう、すなわち保険会社は保険業に特化するように 指導しているとのことであった。また、グローバル化がすすむ中での監督する立場としては「すべての領域に関心を持っている。どこかに集中して監督するより 全般にわたって強化することが重要」とのコメントがあった。さらに、日本の金融庁とは緊密に連携をとっていてお互いに情報交換を行っており、「今後はより アジア全体を重視したい。国際的基準を策定する時に金融庁との連携は重要であると考えている」との意向が示された。なお、消費者教育にも力を入れており、 新聞の紙面を活用したり、コミュニティーセンターに出向いたり、また、学校レベルから教育をスタートしたりしているとのことであった。この点に関しては、 保険会社がセンターを立ち上げて紛争の調停にあたっているものの、MASとしてはもっとお客様の声を聞いて問題が起きないようにするよう指導しているとの 説明があった。

まとめ(前進するUNI-LCJ金融部会)
MASからは日本の金融庁と緊密に連携をとっており、そのうえで、今後はよりアジア全体を重視したいとのコメントがあった。当然、労働組合側もUNI- Aproの枠組みでの情報の共有化と一層の連帯が重要となる。そのためにも、UNI-LCJ金融部会は、金融庁をはじめ様々な組織へのアクセス力、政労使 の三者構成での発信力を強化することで、労働組合の存在感を拡大していかなければならないと自覚する。アジア各国には日本から多くの金融機関が進出してお り、日本の経営方針がアジア全体に影響することになる。企業内労使関係でもそうしたことを念頭に置いて労使協議を行わなければならない。
金融行政が消費者契約者保護やサービス面を重視する傾向にあるのは恐らくアジア共通である。金融商品は形がないことから、言わば「信頼」を売っていること になる。そこに携わる従業員が顧客からの「信頼」に足る存在でなければならない。経営者が「ヒト」である従業員を大事にすれば、従業員も「ヒト」である顧 客を大事することができる。逆に言うと、従業員を大事にできない企業が顧客を大事にできるわけがない。したがって、企業戦略としても、人材育成のための教 育や安心して働けるための労働条件を整えるための投資は惜しむべきではない。一度培った「経営と従業員」、「従業員と顧客」の信頼関係は簡単に崩れること はない。そうした確かな信頼関係を一つひとつ積み上げていくことが「責任ある持続可能な金融システム」の構築につながると確信する。


第7回UNI-LCJユース英語セミナー

newsImage 2010年にUNI世界大会開催の地となる長崎で、第7回UNI-LCJユース英語セミナーが開催された。セミナーには、日本全国から多くの青年参加者が集まり、英語や長崎の文化、そして国際労働運動について学んだ。


Group Againと講師のTony
Group Blackと講師のMag


Group Chatと講師のAnjali


Group Dogと講師のColin


第7回UNI-LCJユース英語セミナーが2009年5月27~30日の4日間、長崎で開催された。同セミナーは、2010年長崎で開催される第3回 UNI世界大会に向けたボランティア育成と、若手メンバー間の交流促進を目的に、年2回開催されている。今回は、9組織から28人に、外国人講師4人、日 本人アシスタント及び事務局4人を加え、総勢36名が日本全国、そして世界から長崎に集結した。前夜の懇親会では、地元UNI長崎連絡会の役員からあたた かい激励をいただき、日本語が唯一許される場で3日間苦楽を共にする仲間と触れ合った。セミナーは、桜田高明UNI-LCJ議長の挨拶で幕を開けた。桜田議長は、経済や企業がグローバル化する中、労働組合もグローバル化し世界的に連帯する ことで難問に対処する必要があると呼びかけた。同時に、被爆地である長崎から「世界平和」、「非核世界」を訴える重要性にも言及した。
セミナーは、外国人講師やゲストの講演、グループワーク、委員会活動と、主に3つの要素から構成されている。一方的に聞くだけでなく、参加者一人一人に何 らかの役割が求められ、英語を話す環境が自然に作られる。UNIについて全く知らずに参加するメンバーも多く、まずはUNI本部のコリン・メッドランド青 年局長が、UNI概要を説明。ゲストの特定非営利活動法人ACEの岩附由香代表は、世界の児童労働の現状を、クイズを織り交ぜながら訴えた。UNI- Apro青年委員を務める、清澤祐司NTT労組中央執行委員は、UNI-LCJの5ヵ年アクションプランとユース活動強化について、マグダレン・コン UNI-Apro青年部長は、シンガポールの若年労働者や外国人労働者の現状を、日本と比較しながら報告した。アンジャリ・ベデカーUNI-Apro女性 委員会議長は、インドの広大な地理や多彩な文化・宗教・社会を紹介した。

また、トニー・フルガドBMRCPI-NFL労組書記長は、フィリピン加盟協(PLC)青年委員会の社会貢献活動の中から特に、マニラ郊外パヤタス地区 に住む貧しい家族と子供たちの支援プロジェクトを報告した。パヤタスで暮らす子供たちの多くは栄養失調に苦しみながら、ゴミ拾いで生計を立てているとい う。ゴミ山での作業には悪臭のみならず化学汚染などの危険も伴い、付近の住民の寿命は決して長くない。UNI-LCJもフィリピン加盟協と共に以前から積 極的にパヤタスの子供たちの援助に協力している。今回のセミナー参加者の中には、パヤタスを実際に訪れた経験を持つ人もおり、現地で見聞きし感じたことを 共有した。

セミナーで好評だったプログラムの1つが、実際に長崎の街に出て外国人講師をガイドするグループワークだ。レストランで食事をする、路面電車に乗る、博 物館を見学する…日本人には問題なくできることも、外国人にとってはいろいろと不便な点があることに、外国人といっしょに歩くことによって気付かされた。 街中には英語の案内板が少なく、路面電車の英語アナウンスもほとんどなく、わかりづらい。両替できる場所も少なく、また目立たない。しかし、参加者のホス ピタリティによって、外国人講師は長崎の人々の生活や豊な文化に触れ、ローカルフードを堪能し、平和の尊さを再認識することができた。
英語セミナーはその名の通り、すべてのセッションが英語で行なわれる。参加者の中には、普段、英語に触れる機会が少ない人も多く、始めはどの顔も少々緊張 気味だった。けれど、セミナーが進むにつれ、英語への抵抗感は薄れ、それぞれが自分なりの言葉で自然に会話するようになっていく。同時に、英語はコミュニ ケーションの一つの手段に過ぎない、ということも多くの参加者が実感したことだった。

パヤタスを訪れたことのある参加者の1人、JP労組の長倉史さんはこう言った。「自分達が救える子供の数は、助けを必要としている大勢の子供のほんの一 握りに過ぎない。それで一体何になるのだろう、と思うこともある。それでも、何もしないよりは良い。微力でも無力ではないのだから」
組合活動にも同じことが言える。一人一人の力は小さいかもしれない。しかし、小さな力が集まれば大きな力になる。英語学習も同様だ。まだ一年半ある。ト ニーも「Practice makes perfect(継続は力なり)」と繰り返していた。「2010年長崎世界大会の成功に向け、小さなことから少しずつ、それぞれにできることから始めよ う。」参加者一人一人が、そう心に誓った4日間となった。

その他の写真は、下記で閲覧可能。
http://www.flickr.com/photos/uniglobalunion/sets/72157619111453267/


UNIテレコム部会からの要請を受け、米国大使館を訪問

UNIテレコム部会からの要請を受けて、5月28日、NTT労組代表団(加藤委員長、野田事務局長ほか)が在日アメリカ大使館を訪問し、セクタ経済担当公使と面会。米国従業員自由選択法案の通過を要請した。


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