10月 2008のお知らせ

UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ(2008年10月3~5日、フィリピン・マニラ)

2010年のUNI世界大会長崎開催に向けたUNI-LCJアクションプランに掲げられた目標の中に、「国際労働運動の一般組合員への普及」と「大会成功を支えるボランティアの育成」がある。その目標達成のため2006年より年2回ユース英語セミナーを継続開催しているが、5回を終了した時点で中間フォローアップの意味で、毎回講師派遣に協力してもらっているフィリピン加盟協青年・女性委員会とのユースワークショップを開催した。その目的は、
1.UNI-LCJユース代表団としてのチームワーク作り
2.フィリピン加盟協ユース及びUNI-LCJユースとのネットワーク作り
3.英語によるコミュニケーション力のステップアップ
4.異なる業種、文化を持つ人たちを理解し、共通の目標を達成する
である。
日本からの参加者は、英語セミナーやUNI-LJC郵便テレコム部会国際労働学校など、UNI-AproとUNI-LCJが共催する若手訓練セミナーの参加者が中心である。昨年のモンゴル派遣のユース代表団と同様、女性が半数を占めた。

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団長        サービス・流通連合(クレディセゾン労組中央執行委員)   牧田真由美
アドバイザー  損保労連中央執行委員長   石川 耕治
メンバー     KDDI労組 企画部長   後藤 一宏
メンバー     UIゼンセン同盟(ファッション労連事務局次長)   大田 光晴
メンバー     JP労組九州地本宮崎中央支部宮崎県連協女性フォーラム   長倉 史
メンバー     JP労組九州地本福岡かんぽサービスセンター支部   里 永
事務局      UNI-Apro青年・女性コーディネータ/UNI-LCJ   小川 陽子

フィリピン側は、銀行労組、郵便労組、テレコム労組、AFWなど、青年委員会から12人、女性委員会から8人の計20人が出席した。

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事前レクチャー
日本人は東京、大阪、九州からの参加で、マニラに到着して初めて全員が顔を合わせることになった。そこで自己紹介後、セミナー主旨やプログラム進行、各自の役割分担などを確認し、ILO東南アジア・太平洋小地域事務所(マニラ)の石橋通宏・労働活動局シニアスペシャリストから、フィリピンの社会・政治・経済全般から専門の労働分野の事情まで幅広くレクチャーを受けた。

ワークショップ第1日目(10月3日)
開会式ではまず、UNI-PLCのジュン・ウマリ事務局長が、「フィリピン加盟協(UNI-PLC)は日本加盟協(UNI-LCJ)から常日頃ご支援をいただいているが、日本で実施されている英語セミナーへの講師派遣というかたちで日本のユースの英語力アップにささやかながら貢献できることを光栄に感じている。今回、英語セミナーの参加者が英語学習の成果を発揮するため、マニラで合同ワークショップを開催することになり、皆さんを心から歓迎する。」と挨拶した。
続いて、フィリピン加盟協青年委員会のレイナー・クルス議長(第1回UNI-LCJユース英語セミナー講師)から、「青年活動は楽しく学ぶことが大切。日本とフィリピン両国の友好を更に深め、たくさんの友達を作り、互いの経験を共有していこう。」と挨拶があった。
UNI-LCJユース代表団を代表して、牧田団長(JSD)は、「各国で青年労働者の組合離れや無関心さという共通の問題を抱えているが、お互いの良い経験を共有し学びたい。過去5回のUNI-LCJユース英語セミナー参加者総数は130人を超えた。フィリピンからは毎回講師をお招きしており、今回講師や活発な青年・女性委員会の皆さんと会えることを楽しみにしている。特に、パヤタスにおけるボランティア活動に参加する機会があるので、見、聞き、感じたことを仲間に伝えたい」と抱負を述べた。

基調講演「ILO-国際労働基準の促進と労働組合の青年・女性組合員の役割」
ILOの石橋氏から、ILOは第一次世界大戦後、社会正義の促進により平和を実現するために創設された国連の専門機関であること、国連組織において唯一三者構成主義を持つことが解説された。180を超えるILO条約の批准数は、フィリピンより日本の方が若干多いが、8つの中核的労働基準についてはフィリピンが全て批准しているのに対し、日本は105号と111号が未批准である理由が説明された。米国はわずか7条約しか批准していない点も参加者には興味深く感じられた。参加者からは「ILOには組合に入っていなくても個人として提訴できるのか」、「フィリピンのようにたくさんのナショナルセンターがある場合は、どれがフィリピン労働界を代表するのか」など質問が出された。石橋氏は、「三者構成主義のメリットを組合は最大限活用すべきだ。組合は条約作りから、各国政府による批准、批准後の実施の監視に至るまであらゆるプロセスに積極的に関わるべきだ。よくILOの職員である私にこうしてほしいとの要望が出されるが、ILOの仕組みの中では皆さん労働組合が主体とならなければならない。」と強調した。最後に、青年や女性は自分たちの問題をよく認識しているので、組合(及び役員)がこうした問題に適切に対応しているかを常に監視し問題提起する絶好の立場にあると述べ、組合における役割の発揮を奨励した。

「UNI-Aproの青年活動、長崎大会に向けたUNI-LCJの青年活動」
小川UNI-Apro青年・女性コーディネータは、UNI-Aproの青年活動(主に青年の組織化、教育訓練、キャンペーン、社会貢献活動など)を紹介し、特に日本における青年活動の一例として、長崎大会に向けた若手ボランティア育成のためのユース英語セミナーをはじめ、モンゴルやフィリピンにおける交流プログラムや、ユースネットワーク維持のEメールグループやブログによる情報交換を挙げたUNI-Aproではユース対象の訓練コースは随時開催されており、積極的な参加が期待されている。

セッション1「組合のユース活動と社会貢献」
UNI-PLC及びUNI-LCJ(UIゼンセン同盟、JSD、JP労組)がそれぞれ、ユース活動について報告し、意見交換を行った。


UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ 第2日目(2008年10月4日、フィリピン・マニラ)

ワークショップ第2日目(10月4日)
参加者は全員、報告委員会、プログラム委員会、ソーシャルファン委員会のいずれかに属し、ワークショップ運営を支えることになっている。まず、ソーシャルファン委員会がエナジャイザー(ウォーミングアップ)の音頭を取った。報告委員会は、前日の内容をパワーポイントを使って要約報告した。プログラム委員会は、会議室の整理整頓と遅刻者からの罰金徴収が主な任務である。

セッション2「ワークライフバランス」
日本人参加者はあらかじめ、UIゼンセン同盟作成のワークライフバランス・チェックシートのアンケートに本人だけでなく職場の同僚などからも回答を得て、30人分のデータを収集した。フィリピン人参加者からは19人のデータを収集した。3つのグループに分かれ、それぞれ「仕事」、「生活」、「組合」をテーマに日比両国の結果について討論した。グループ討論後、各グループの代表が討論結果を報告した。結果に若干の差が出た項目としては、フィリピンの方が選挙に参加すると答えた人が多かった(理由:大統領も直接選挙で選ぶことができるので権利を行使すべきだという考えが強い。一方、賄賂も横行しており投票率が高いという一面もある)。親が病気になった場合、娘や妻(女性)が仕事を辞め介護すべきと思うか?との質問には、フィリピンは「仕事を辞めたら収入源がなくなるので辞めるべきではない」という答えが多かった。
その後、損保労連及びKDDI労組から日本の取組み事例が報告された。
引き続き、UNI-LCJ代表団は、UIゼンセン同盟組合員が描いた「女性の組合参画」紙芝居をロールプレイしながら上演した。参加者は事前に自分のパートを練習し、マニラで初顔合わせ後、リハーサルをして本番に臨んだ。
UNI-PLC女性委員会メンバーも、女性組合員の勧誘場面をスキットで再現した。

まとめ
最後に参加者から、「2日間は短かったが充実した内容だった」、「当初の目標である仲間作りは達成されたので、今後もネットワークを維持していこう」、「互いの文化や経験を知ることができ有意義だった」、「青年労働者の抱える問題は国が違っても共通であることがわかった。ワークショップで学んだ経験を今後の活動に活かしたい」、「ユース活動は楽しい要素も重要」など、前向きなコメントが聞かれた。
レイナーUNI-PLCユース議長は、「今後もLCJユース・メンバーの英語の勉強を励ますため、Eメールやブログを通じて情報交換していこう。長崎大会での再会を楽しみにしている」とまとめた。
ウマリUNI-PLC事務局長も、全員の積極的な参加とワークショップの成功をたたえ、今後の両国加盟協の発展と協力関係の強化、UNI-Aproにおける貢献を祈念した。


UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ、課外活動

課外活動-パヤタス地区児童給食ボランティアの体験(10月5日)
ケソン市にあるパヤタス地区に住む貧困家族の、栄養不良の子供たちを対象とした給食ボランティアについては、日本で開催される英語セミナーで毎回、ビデオや写真で報告を受けているが、今回実際に現場を視察した。UNI-PLC青年委員会が、地元のボランティア団体と協力して、給食ボランティアを支えている。
10時頃パヤタス地区に到着し、まず「プロミスランド」と呼ばれるゴミ捨て場に向かった。その道中は決して衛生的とは言い難いが、多くの人々が生活している。ゴミ捨て場には近寄れないが、ゴミ捨て場の近くにも集落ができており、ゴミを積んだトラックが入ってくると、すぐに子供を含む貧しい人々が廃棄されたゴミの中から換金できるものを探し始める。
コミュニティセンターでは、11時から60人の子供たちがお祈りをした後で、給食を手渡される。子供たちは取り合いをすることもなく、おとなしく順番に並んで受け取る。UNI-LCJ代表団は、折り鶴やあやとりを教えるなどして、子供たちと交流した。その60人は一定基準に基づき選ばれた子供たちで、6ヶ月継続して給食を受け、改善がみられると、また別の子供が対象になる。中にはかなり遠くから歩いてくる子供もいれば、わずかな食糧を持ち帰り家族といっしょに食べる子供もいるという。
牧田団長は、UNI-LCJを代表して、寄付金をボランティアに手渡した。

UNI-LCJ代表団はこの他、郵便局・集配センターや、巨大ショッピングモール、イントラムロスなどを視察した。

今回のワークショップの日本人参加者は事前に顔をあわせる機会はなかったが、約一ヶ月にわたり、英語のEメールを交換し続けたり、紙芝居の役割を練習するなどして、チーム力の醸成を図った。また、英語セミナーのフォローアップという位置づけで、自分の発表は全て英語で行い、フィリピン側の報告やグループ討論も部分的に通訳を入れて乗り切った。フィリピン人参加者からは、3日間で相当英語力がアップしたとの評価を受けた。


UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ、感想(2008年3~5日、フィリピン・マニラ)

後藤KDDI労組企画部長

大田ファッション労連事務局次長(UIゼンセン同盟)

JP労組長倉さん(左)と里さん(右)

UNI-LCJ/UNIフィリピン加盟協ユースワークショップ参加者感想

サービス・流通連合(クレディセゾン労組中央執行委員) 牧田真由美
今回、UNI-LCJユース代表団の団長として参加させていただきました。出発前から、団長という責務を果たすことができるのか、緊張と不安でいっぱいでしたが、UNI-LCJの小川さんをはじめ、各組織から集まった日本人メンバーの皆さんのご協力により、無事に大役を果たすことができました。本当にありがとうございました。3日間という短い期間でしたが、貴重な体験ができ、また、様々な知識を得ることができ、世界観が広がったように感じています。
特に、ILOの石橋氏から事前にレクチャーしていただいたフィリピンの社会、経済、政治状況や労働環境等については、非常に興味深く、フィリピンの抱える事情について今まで認識していなかった内情まで、とてもよく理解できました。また、仮にも組合役員を務めている身として、国際労働運動に対する認識が薄かったと反省しました。石橋氏からのレクチャーにより、翌日からのセミナーでのフィリピンユースの活動報告やグループディスカッション等が非常に有意義なものになったのは言うまでもありません。
フィリピンが抱えている国情を考えると、組合が出来ることにも限界があるのではないか・・・と思いました。しかし、UNI-PLCのメンバーは、みんな、真剣に考え、そして今自分たちにできることを主体的に取組んでおり、活動に対する強い意志が感じられました。PLCのユース活動報告では、パヤタス地区への給食支援といった社会貢献活動を始め、教育活動、ユースの組織化に向けた活動についての報告を受け、単組の枠を超えた広い視点での取組みには学ぶべき点が多くありました。また、3日目には実際にパヤタス地区へ行き、集落の様子やゴミ捨て場近くを視察、子ども達への給食ボランティアも経験しました。給食を手渡したこどもの笑顔を見ると、何とも言えない気持ちでいっぱいになりました。しかし、決して恵まれているとは言えない環境でも、人々には悲観さは感じられず、笑顔もあり、日々精一杯生きている状況が伝わってきました。フィリピンの格差は、今日本で言われる格差社会とは違った、根深いものです。PLCのメンバー同様、できることを実行して行きたいと思いました。ここでの体験は忘れることなく、日本の多くの人に伝えていきたいです。
今回のセミナーは、ユース英語セミナーのフォローアップとして開催されたが、英語力の向上はもちろん、フィリピンユース&女性委員会のメンバーとの交流が図られ、お互いの文化、組合活動など幅広い情報を共有することができました。このセミナーで得た経験を活かし、実践することが、互いの国の労働組合を発展させることに繋がると信じ、これからの活動を推進していきたいと思います。
前回の英語セミナーから、英語力が全く向上しないまま(むしろ後退していたような・・・)参加することとなり、期間中はつたない英語+身振り手振りで何とかコミュニケーションを図りました。しかし、日本の状況や自分たちの活動について知ってもらうには、やはり自分の言葉で、きちんと伝えることが大切だと感じました。それには英語をマスターしなければ!と改めて認識させられました。忙しいとか、英語を使う機会があまりないとか、言い訳をする前に、継続して英語を勉強しようと心に決めて帰国しました。帰国後、約1週間が経過しましたが、今のところ英語の勉強は続けています。
継続は力なり! 2010年に向け、頑張りたいと思います。

損保労連 中央執行委員長 石川耕治
今回のフィリピンユースセミナーは、フィリピンの労働界で次の世代を担う若者と意思疎通ができる貴重な機会を提供したと思う。
なぜならば、日本のユースや女性がフィリピンのユースとじっくりと話し合うことは、双方に価値観の多様化と受容を促すからだ。そしてグループ論議といった実際の作業が、お互いの主張を誘導する。もちろん通訳なしで、英語だけで会話することもコミュニケーションの強化に一役買っている。
実際のところ、通常のセミナーでは、なかなか本音での論議になりにくい。
これまでも、フィリピンを訪問したことがある。しかし、当時、私は彼らには耳慣れない言葉であり、初めて聞く概念であるCSRの講師として訪問した。セミナーのセッションでは、たくさんの質問をいただいたが、それ以外でフィリピンの仲間に接する機会は限られていた。
しかし、今回は睡眠時間とホテルの個室にいる時間以外は、ずっと彼らと一緒だ。同じホテルに泊まり同じ食事をし、同じカラオケを歌い、同じダンスを踊る…実際は、踊らされるのだが。一緒に過ごす時間が多いと、必然的に、彼らの考え方がよく分かる。
もともと時間にはおおらかだが、主張もおおらかだ。自分の意見を強要することはない。ただし、質問を繰り返す中で、自己主張を反映させようとしているように感じた。
論議の中でも、生真面目で穏やかな性格が伝わってくる。
日本で聞くフィリピンのニュースは、洪水や地震などの「天災」だったり、スリや窃盗、邦人への傷害などの「事件」だったりするが、どちらかというとイメージは悪いだろう。
例えば、「貧しい国」、「街中がゴミだらけで不潔」、「犯罪が多くて治安が悪い」などである。
確かに、これらの一面もあるかもしれないが、彼らは9割以上がクリスチャンであり、キリスト教の教えに沿った堅実な生活を送っている人が多い。
今回のワークショップのテーマは、ILOのことであったり、貧困であったり、ワークライフバランスであったりと多岐にわたったが、多様な価値観や本音・本質に接することができたことが3日間のワークショップの最大の成果だと考える。彼らも日本についての認識が変わったのではないだろうか。
日本人も、歌とダンスはうまいと思われていれば、望むところなのだが。
いずれにしても、グローバル化が加速する中で、次を担う世代同士が国を超えて交流を深める必要性はますます高まる。この関係をさらに深めることが、UNIのネットワークの強化に繋がる。UNIのネットワークも改善する必要がある。
長崎世界大会に向けた取り組みの一環として踏まえる必要はあるが、本取り組みは、今後も将来的に継続するべきUNI-LCJの活動だと考える。

KDDI労組 企画部長 後藤一宏
2010年UNI長崎大会に向けたホスト国としてのホスピタリティ醸成を目的の一つとして開催してきた英語セミナーを中心とする各種取り組みへのフォローアップとしての今回のUNI-LCJ/PLCユースワークショップの開催は、大変有意義であったと感じています。
とりわけ英語力の向上に関しては、日常生活において英語を使う機会がない日本人にとって否応なく英語でコミュニケーションを取らざるを得ない状況に身を置くことで、必然的に英語力が養われたことは間違いありませんでした。一方で、思っていることを伝えるだけなら、身ぶり手ぶりで伝えることができるものの、来日する多くの外国人を相手にした場合のホスピタリティの提供や労組活動に関する意見交換を行うには、より一層の英語力の向上が必要であることも改めて痛感しました。
異文化への理解を図るという意味においても、今回のワークショップの開催は重要な意味を持ったのではないかと考えています。
ユース活動に関する両国からのレポートでは、単に活動内容を報告し合うだけではなく、それぞれの活動をユースの立場で推進する意義をどのように見出しているかについて意見交換を行うことができました。貧富の差が激しいフィリピンの社会構造にあって、労組活動に携わっているユースメンバーは富裕層に近い生活を送っていることは間違いありません。そのような彼らが、なお一層、ユースの組織力強化を謳い各種活動を重ねていることに対する率直な意見交換を行えたことは、彼らの活動を理解する上でも大変重要なことであったように思います。
ワーク・ライフ・バランスへの取り組みについての議論を持つこともできましたが、社会背景や宗教感の違いなどから、日本のワーク・ライフ・バランスを取り巻く状況(少子高齢化や長時間労働など)への理解が図り難かったのではないかと感じました。しかしながら、一つのテーマについて、両国の状況を紹介しながら意見交換したことはお互いの立場を理解し合うという意味においてはとても重要な取り組みであったと思います。言葉の壁があっても、テーマを設けて話し合いをすることは可能であり、そのような機会をもつことで本格的な国際交流が実現するのだと強く感じました。
フィリピンの国情についてもILOマニラ事務所の石橋さんから詳細なブリーフィングを受けました。率直に言って、混沌とした状況にあることは間違いないと認識しましたが、そのような中にありながらもUNI-PLCの多くの仲間が、労働組合を通じて社会の変革に携わっていることは、同じ地球人として応援していきたいと強く思います。
しかしながら、街に目を向けると路上で生活する家族や、日本で働きたいと渇望している若い女性たち、ゴミの山で暮らす人々、きれいな目を輝かせながら給食を受け取る子どもたち、ハイテク機器を駆使する人々、街を闊歩する韓国人や中国人の光景が厳然として存在しており、やはり混沌としている状況に変わりはありません。
今回のワークショップを通じ、日本人として労組活動を通じ何ができるのか、自国の労働環境に対する活動はもちろんのこと、とりわけ途上国におけるディーセントワークの実現を、日本の労働組合がどのように関わっていくべきかということを今後の労組活動における自らの命題の一つとして持つことができるきっかけになったように思います。
事前準備の段階から多岐にわたりサポートいただいたUNI-LCJの小川陽子さんへ心から感謝します。また、このような機会を設けていただいたUNI加盟組織の皆様へも感謝します。ありがとうございました。
2010年UNI長崎大会へ向けて、より一層の努力を続けて行きたいと思います。

UIゼンセン同盟(ファッション労連事務局次長) 大田光晴
2008.10.5(日)午前10:00、非常に蒸し暑く異様な臭いが鼻をつく。窓もドアもトイレもない家々の間を歩いている。地べたでたむろする大人の目、気のせいか子供達の目も我々を警戒しているようである。森の中の舗装されていない山道を少し歩くと、突然視界が開け、目の前にはなだらかな山が現れる。しかし、日本の山とは違い灰土色である。そう、この山は大量のゴミで造られている。ここはフィリピンの首都マニラから車で1時間ほどに位置するケソン市パヤタス地区、この巨大なゴミ捨て場とそのゴミ捨て場周辺に住む子供達に対する給食ボランティア活動を視察する為に、この地を訪れました。このときの正直な感想は「自分が今まで見た環境の中では最悪である、この国は一体何を考えているんだろう。」でありました。その答えはおぼろげながら現地の組合員との会話や、ワークショップを通じて自分なりに理解する事となりました。
2008.10.2(木)~10.5(木)の4日間、フィリピン・マニラにてUNI-LCJとUNIフィリピン加盟協青年・女性委員会とのユースワークショップが開催されました。私は日本からの参加者6名、事務局1名の一員としての参加となりました。2008.10.3(金)~4(土)は屋内においてフィリピンからの参加者(20名)と、国際労働基準、UNI-Aproの青年活動、長崎大会へ向けた活動やお互いの青年活動・ワークライフバランスについて、ほとんど英語によるディスカッションを行なう事となりました。準備不足のため英会話に自信のない私としては、非常に困難な時間ではありましたが、事前に配布いただいていた日本語版の資料と参加メンバー皆さんによる助けのおかげで何とか最後までついて行くことが出来ました。
今回の研修で一番印象に残ったのは、最終日に行なわれたパヤタス地区でのボランティア活動への参加でありました。現地にあるコミュニティーセンターへゴミ山の周辺で暮らす子供達が僅かな給食を受ける為に集まってくる、みんな静かに整列し、機械的、無表情に食事を受け取って行く姿を見ていると、この子供達は笑顔すら忘れてしまうような過酷な生活を強いられているのだなと痛感しました。給食の後、センターに残っている子供達に日本の童謡を披露したり、折り紙やあやとりを教えてあげると、子供達の顔に人懐っこい笑顔が帰って来ました。彼らは笑う事を忘れているのではないのだと少し安心すると同時に、現在のボランティア活動では根本的な解決は非常に困難であり、この子供達がいつも笑顔いっぱいで暮らせる社会の実現には抜本的な改革が必要であると思われました。
今回の研修を通じて、現在、フィリピンにおける貧富の差は想像以上に激しく、ほんの一握りの財閥のために政治・経済は動いているのだと確信しました。「国民はどうして怒らないのだろうか?」というのが素朴な疑問でありましたが、決して怒っていないのではなく、自分達に出来る範囲は限られていて、半ば諦めの雰囲気も感じられました。一方、フィリピンの仲間達の活動を見ていると、非常に頼もしくも感じました。
レベルは異なりますが、現在、日本もサラリーマンには暮らし辛い世の中になって来ています。我々も黙っているだけではなく行動を興し、極端な格差社会を打破し笑顔あふれる社会を目指さなければならない、そしてフィリピンで闘う仲間達へ国を変える勇気、労働組合の力を伝え、子供達に希望を持てる未来を創る事が、現実を知る我々の責任であると実感いたしました。
最後に、このような貴重な研修に参加する機会を与えていただいた、UNI-LCJ、UIゼンセン同盟、ファッション労連の皆様、そして参加メンバーの仲間に心から御礼申し上げます。
Thank you very much for your kind assistance for me especially for sis. Mayu ,sis. Fumi, sis. Hakka, sis. Yoko, bro. Hiro, bro. Koji and bro. Kazu. I’m looking forward to seeing all of you in someday !

JP労組 九州地本宮崎中央支部 宮崎県連協女性フォーラム 長倉史
今回のフィリピンセミナーには、ユースのみならず女性の活動に関わる方もおられ、大変有意義なセミナーでした。
特に女性活動の視点で気付いたこととして、女性がきちんと働ける条件を作り出すことが、その国の経済をしっかりさせる大事な要素の一つだということがありました。
日本とフィリピンの国の事情はあるにせよ、長期的な視点で雇用の確保について考えないと、何年か先には衰退の一途をたどるかもしれないこと。男性に比べて、子どもを持つということが働く上で障害になりやすいこと。
自分が実際子どもを持って働いているので、実感としてわかっているはずだったのに、フィリピンでもやはり同じで(増減の違いはあれど)、自分達女性が働くということの意味や意義を、改めて考えさせられました。産む産まないの選択をできる国にあっても、そうでない国にあっても、子どもを産むことが、社会で働くことの重荷になってはならないと思います。女性に限らず、男性が子育てをするにあたっても、同じではないでしょうか。
また、ユースについて、とても関心を持っていた活動がありました。日本でセミナーに参加したときに聞いていた、パヤタスの事です。その時、ごみの山で暮らしている人たちがいて、そこへのボランティアを行っている活動報告を見ました。実際に今回そこへ行くということで、なんとなく後ろ向きなイメージを持っていた私は、複雑な気持ちでした。
聞けば困っている人はたくさんいるとのこと、その一部を助けても焼け石に水なのではないか、一部だけ助けている事は自己満足ではないか、とずっと疑問に思っていました。イメージばかりが先行する中、行ってみると本当に手を差し伸べられるのはごく一部で、でもだからといって何もしないわけにはいかない、と言っていたフィリピンユースの人たちの言葉が、少しだけわかった気がしました。
宗教的なモチベーションの違いはあるかもしれませんが、できる事をできる範囲でやっていく姿を見ました。微力だけれど、無力ではないと痛烈に感じました。何をしなければならないか、何ができるか。組合活動にも通じてくる事だと思います。
今回のフィリピンセミナーは、漫然と組合活動をやっていた自分にとって、組合とは働く人にとって何ぞやという、自分への根本的な問いかけになりました。
たまたま私が組合活動を始めた時期が、UNIの世界大会の準備のそれと重なって、とても幸運だったと思います。英語が得意とは言いがたいですが、それを補って(勉強しなきゃ、という努力を含め)ほかの国内外を含めた組合の事を聞いたり知ったりできるのは、とても貴重な体験ではないでしょうか。
本当にユースの人々が、もっと組合活動に参加したり、興味を持ったりする機会になれば、万々歳だと思います。
最後になりましたが、UNIの小川さん、ILOマニラの石橋さん、一緒に参加した皆さん、大変お世話になりました。長崎に向けて、もっとたくさんの方々とも、貴重な体験を共有できたらと思います。では、2010年、長崎で。Let’s join us☆

JP労組 九州地本福岡かんぽサービスセンター支部 里 永
今回の研修は、とても充実していました。他業種組合の人たちとの交流もでき、温かいフィリピンの人たちと観光したり、食事に行ったりできました。一方で、パヤタスという所で、子どもたちに給食をあげるというボランティアをさせていただきました。この地域は、世界のゴミの集積所であり、地方から、首都マニラへやってきたものの職に就けず、住む場所もない人々が、ゴミを拾い、生活しています。意気消沈しかねない状況でしたが、「そんな中でも、笑顔を」というフィリピンの青年委員長の言葉が印象に残りました。


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