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第18回UNI-LCJユース英語セミナー

2018年12月15~17日、湘南国際村において、第18回UNI-LCJユース英語セミナーが開催され、8組織17人(男性8人、女性9人)が参加した。海外から、ドゥルバ・ラジ・ダカル(ネパール、ラジオネパール労組出身、現在早稲田大学留学中)、リリアン・タン(シンガポール、DBS銀行労組)、シャーリー・テイ(シンガポール、DBS銀行労組)、シェ・ユーファ(台湾、中華郵政労組)の4人がリソースパーソンとして参加した。

UNI-LCJユース英語セミナーは2006年に開始され、今回で18回目を迎える。当初の目的は、2010年に長崎で開催された第3回UNI世界大会を支えるボランティアの育成であったが、今では国際労働運動に触れる最初のステップとして非常に好評な英語合宿となっている。

開会式で、松浦UNI-LCJ議長は、国や産業が違っても互いの経験から学び、国際労働運動と連帯についての理解を深め、新しく知り合った仲間とのネットワークを大切にしてほしい、と期待を寄せた。

小川UNI-LCJ事務局長と森川事務局次長が、UNIの概要について説明した後、具体的な青年活動として、先月マレーシアで開催されたUNI Apro青年大会に参加した大日本印刷労組の植野書記次長とJP労組の大芝職員が、大会とワークショップの様子を詳細に報告した。

リソースパーソンから、シンガポール、台湾、ネパールにおける労働組合運動の概要、特に青年・女性の課題と組合への参画等について説明を受けた。

参加者は4つのグループに分かれ、各国の青年・女性の組合活動への参画、ワークライフバランス、組合の社会貢献活動等について、リソースパーソンを交えて議論し、グループ発表を行った。この他、「ソーシャルファン(交流イベントを企画する)」、「エナジャイザー(息抜きのゲーム等をリードする)」、「モデレータ(司会)」、「ニュースリポーター」の4つの委員会に所属し、与えられた任務をチームワークでこなした。

昨年、福島で開催されたセミナーにリソースパーソンとして参加したスリランカ郵便労組のツッシーは、ライブ・ビデオで登場し、「UNI Aproの青年活動に参加して、私は視野を広げることができた。コミュニケーションの一手段として英語を勉強すれば、UNI Aproの青年ネットワークの仲間ともっと情報交換ができる。互いにがんばろう」と激励した。

各グループは、「UNI」、「組合」、「青年・女性」、「連帯」というキーワードをそれぞれ与えられ、全員参加と全て英語、というルールの下、最終日に寸劇やクイズ形式等、独創的なプレゼンテーションを行った。リソースパーソンからは、「異なる文化的背景を持つ人どうしが仲良くなるには、異なる点ではなく共通点を見つけることが大事だ」というアドバイスを受けた。2泊3日、様々なアクセントの英語に四苦八苦しながらも、各国の共通の課題や異なる背景を共有する中で、「連帯」の重要性について体得することができた。

 

 


第5回UNIネパール加盟協大会

2018年12月6日、「労働の未来に向けて、組合の力を高めよう」のテーマの下、第5回UNIネパール加盟協(UNI-NLC)大会がネパール・カトマンズで開催された。18加盟組織から約200人名が参集し、UNI Aproからは野田地域会長、クリストファー・ウン地域書記長が来賓として参加した。加えて、各ナショナルセンター、フリードリヒ・エーベルト財団(FES)、オランダ労働組合連盟(FNV)からも来賓が駆け付けた。

開会にあたり、ゴルカルナ・ラジ・ビスタ労働・雇用・社会保障大臣が祝辞を述べ、ネパールの国家発展のためには労働組合の役割が大切であり、UNI-NLCの活躍に期待すると述べた。野田UNI Apro地域会長は「第4次産業革命の進展により働き方や暮らしが変化する中で、労働組合としての情報収集と分析に基づく政策立案はこれまで以上に重要だ。組合の力を高めよう」と挨拶した。また、来年11月のUNI Apro地域大会への支援と協力を要請した。ウンUNI Apro地域書記長は、UNI-NLCの組織化の取組み成果を称えると共に、次期地域書記長にラジェンドラ・アチャリャ書記次長を推薦したいと述べ、出身国のサポートを要請した。

活動報告や今後の活動に関する議論を経て、向こう4年間の行動計画を盛り込んだ決議が採択された。また、シャンカール・ラミチャーニ氏(ネパールテレコム労組)が議長に再選された。加えて副議長5人、委員5人を中心とする新執行部が選出された。

 

 


アクシアタ労組代表、各国の成功事例を共有

2018年12月2日、マレーシア・クアラルンプールにおいて、第3回アクシアタ労組アライアンス会議が開催された。アクシアタはテレコム・マレーシア・インターナショナルが分離して1992年に事業を開始した携帯通信会社で、アジア11カ国で事業展開している。グループ全体の総加入者数は3億5千万人超、組織化状況は国によりばらつきがある。

会議には、マレーシア、ネパール、インドネシア、スリランカ、バングラディシュのアクシアタ労組代表が参加し、各国の成功事例を共有すると共に、今後の活動計画を検討した。

UNIマレーシア加盟協(UNI-MLC)のモハメド・シャフィー議長は、「マハティール首相率いる新体制下においてビジネスのやり方が変わってきている。アクシアタの会社側の意向を見極めながら対応することが大切だ」と述べた。

野田UNI Apro ICTS部会議長(情報労連委員長)は、持続的な事業発展のためには強い労働組合が必要であり、組合員増加に向けて努力して欲しいと述べた。また、日本の労使関係の状況について講義し、会社との協議や協力関係の必要性について説明した。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、アクシアタ労組アライアンスが3年間継続していることを評価し、さらに効果を高めるために新たな方策を検討すべきだと言及した。そして「2019年8月末にクアラルンプールで開催予定のUNI世界ICTS部会大会に、アクシアタの会社側にも参加を呼びかけ、労働組合への理解を求めたい」と述べた。

最後に野田議長は「従業員の雇用確保と企業の発展のためには強い労働組合と、労使信頼関係の醸成が必要だ。それぞれの立場で努力しよう」と参加者を激励した。参加者は引き続き情報共有を図りながら、戦略的に組織化活動を進めていくことを意思統一した。

 


変化を起こす原動力になれ!第5回UNI Apro青年大会

2018年11月23~24日、マレーシア・サラワクにおいて、第5回UNI Apro青年大会が開催され、アジア太平洋地域15ヵ国から、計150人(UNI-LCJより32人、女性16人、女性比率50%)が参加した。

開会式では、ノリカ・ワルナスリヤUNI Apro青年委員会議長が挨拶し、「第4次産業革命の目まぐるしい変化において、私たち青年はまさに原動力そのものだ。私たち青年こそが、青年に対する投資が果たして十分なのかを問い、若手世代を率いていかなくてはならない。そのためには、若者の組合への参画を強化するとともに、意義ある貢献をするための交流が必要である。技術革新により、私たちは膨大な情報を入手でき、物理的に参加できない仲間ともテクノロジーでつながりあえる。これらのテクノロジーも活用しながら、お互いに学び合い、青年の発言力を高めていこう」と力強く訴えた。

開催国のマレーシア加盟協(UNI-MLC)を代表して、モハメド・シャフィー・BPママル議長が連帯の挨拶に立ち、「第4次産業革命の時代に、青年は重要な役割を担っている。アウトソーシングの拡大、国境を越えた移民問題、児童労働、貧困等、青年に関わる重要課題が深刻さを増している中、青年こそが最大限関与し、社会的な変化に対処していかなければならない」と述べた。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、「UNI Apro、変化のチャレンジに対応するため、労働組合を一新する」と題する基調講演を行い、「第4次産業革命の中で、雇用の非正規化はさらに進むだろう。多くの人が労働法の保護を受けられなくなり、格差が拡大し、組織化率も低下している。この変化に対し、抵抗するだけでは労働運動は前進しない。これらの状況を先読みし、最善の努力によって変化がもたらす影響にきちんと準備をしていかなくてはならない。今日のスピーチは、私が青年大会で話す最後の機会となる。青年の皆さんには、自らが困難な課題に対処していくのだというコミットメントが重要だ、ということを伝えたい」と述べた。

大会では、「2018~2022年度UNI Apro青年委員会アクションプラン」を決定するとともに、「組織化と青年の能力開発」や「第4次産業革命時代の変化の担い手としての青年」、「UNI Aproの中核的活動へ青年労働者を完全に統合させていくための包括的支援」等に焦点を当てたセッションが開催され、活発な議論を経て、各種動議が確認された。

UNI-LCJから3人がパネリストとして報告を行った。UAゼンセン・中川代議員は、若手組合員の組合活動への参画向上に向け、青年活動の広報誌への積極的な掲載や新入社員交流会を通じ、組合の認知度向上を図る等の取組み事例について、JP労組・飯澤青年委員は、全国にまたがるJP労組のユースネットワークの組織体制や青年による社会貢献活動について、情報労連・齋藤青年委員は、日本のクラウド・ワーカーやITエンジニアを取り巻く課題を共有し、彼らとの接点拡大に向けた情報労連の取組みについて報告した。

大会の最後に、UNI Apro青年委員会の役員選挙が行われた。東アジア、東南アジア、南アジア、オセアニアの4地区からそれぞれ指名された候補者が選出された。東アジアは日本の4人の委員(情報労連・齋藤委員、UAゼンセン・寺嶋委員、日放労・釘本委員、JP労組・飯澤委員)が再選され、東アジアを代表する副議長に釘本日放労副委員長が再選された。レイズ新議長(フィリピン加盟協・金融労組)のもと、新体制を確立した。

本大会で築き上げたネットワークを礎に、大会参加者が連帯して運動を前進させ、4年後の青年大会でその成果を持ち寄ることを誓い合い、2日間に渡る大会を終了した。


インドにおける労使パートナーシップの普及

2015年から開始した4年間の支援プロジェクトの最終年となるUNIインド加盟協との共同セミナーが、2018年11月18~19日、インドの首都・デリーで開催され、松浦UNI-LCJ議長を団長に9人の講師が参加した。インド側からは、ナドカルニUNIインド加盟協(UNI-ILC)議長、サンジーブ・ステートバンクオブインディア(SBI)労組書記長をはじめ、銀行労組、郵便労組、セキュリティ印刷労組、新聞労組、メディア労組、IT労連等から28人(うち女性5人)が参加した。

セミナー1日目(18日)は、日本人講師から日本の労働運動、格差是正の取組み、労使関係、組織化等について講義を行い、産業別グループに分かれてグループ討議を行った。

日本人講師からの講義

  • 松浦団長(UAゼンセン):「日本の労働運動の概要と今日的課題」
  • 松本講師(損保労連):「“⾮正規雇⽤社員の処遇向上(正社員との格差是正)”に向けた取組み」
  • 栗田講師(JP労組):「日本のパートナーシップ労使関係」
  • 浦講師(情報労連):「青年・女性の組織化」
  • 鈴木講師(自動車総連):「非正規労働者の組織化」
  • 甲斐講師(全信連):「日本の銀行部門におけるフィンテックと雇用への影響、仮想通貨の現状と課題」

グループ討論テーマ

  • 「労働組合の今日的課題」
  • 「家庭、学校、職場、社会における格差、不平等-格差是正、不平等をなくすため、労働組合はどのような役割を発揮できるか?」

社会パートナー対話セッション:「グローバル経済におけるインドの課題と労使による戦略的対応」

セミナー2日目(19日)午前中は、初の試みとして、インドでも模範的なパートナーシップ労使関係を築いているステートバンクオブインディア(SBI)から、アロック・クマール・チョードリーSBIデリー地区統括本部長、インド社会保障協会からプラビン・シンハ事務局長(元FESインド支部長)を招き、「グローバル経済におけるインドの課題と労使による戦略的対応」と題する“社会パートナー対話セッション”を行った。労働側代表として松浦UNI-LCJ議長、ナドカルニUNI-ILC議長、サンジーブSBI労組書記長がそれぞれの立場から意見を述べた。

SBIは、インド国内に約2万の店舗を持ち、銀行部門の利益の25%を占めるインド最大手の国営銀行である。パートナーシップ労使関係の長い歴史を持っており、今回は労使の協力を得て、特別に対話セッションが実現した。

アロック氏は、自由化が進展し益々厳しいグローバル競争に晒される困難な時代を生き延びるためには、労使双方が対立ではなく、市場競争力を高めるため、戦略的・建設的に協力し、イノベーションに対応し労働者への影響を配慮しつつ効率化を図っていくことが鍵となると力説した。

これを受けサンジーブSBI労組書記長は、労働者にとっても困難な時代を迎えており、雇用を守るためには毅然とした態度で臨むが、企業の発展に貢献するため、SBIの良き伝統である対話を軸とした労使関係を維持・強化していくと述べた。

シンハ氏は、現在のインドが直面する課題として、自由化・デジタル化の進展、社会保障の削減、インフォーマル経済及び格差の拡大、労働者の非正規化等を挙げ、企業が健全に存続するためには、労働者の能力開発と生産性向上を支える建設的な労使関係の構築・維持が欠かせないと述べた。

ナドカルニUNI-ILC議長は、UNIの下、サービス産業の労組が、政治・イデオロギー等、様々な違いを乗り越え結集する必要性を繰り返し強調した。国内外のUNI加盟組合とタイムリーな情報・経験交流を行い、UNI Aproや日本が推進するパートナーシップ労使関係構築を推進していきたいと述べた。

松浦UNI-LCJ議長は、日本の高度経済成長の鍵となった生産性三原則の労使合意、UAゼンセンの組織化の進め方、産業別労働組合の役割等について、実践的に分かりやすく紹介した。「枯れた井戸から水は汲めない」との諺を引用し、労働組合として最も優先すべきは「雇用を守ること=企業を存続させること」であり、労働組合も業績向上に向けて真摯に取組むことにより、ひいては企業の発展と労働条件の維持向上につながるとの考えを繰り返し示した。

インド側からは、「欧米の多国籍企業がハイデラバードに多く進出しているが、プロジェクトが終わると労働者を解雇することが多い。過労死も発生している。これに対してUNIや労組はどのように対応しているのか?日本にはこうした労働者を保護する制度はあるか?」、「移民労働者の問題に労組としてどう対応すべきか」という質問が出された。日本からは「経済成長のために、どのような産業の外資系企業を誘致したいか?」と質問する等、活発な質疑応答と意見交換が行われた。

アチャリャUNI Apro書記次長は、UNI Aproが推進する労使パートナーシップ協力の1つの手段として、多国籍企業とのグローバル枠組協定の締結と日本の実践事例を紹介した。

閉会式で、松浦UNI-LCJ議長は、「それぞれ状況は異なるが、雇用を守り、労働条件を良くすることは日印労組共通の課題だ。共にがんばっていこう」とまとめた。

ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJ講師陣の貢献に感謝し、インド人参加者に「日本から学んだことを各職場に持ち帰り、他の仲間に共有し組合活動に活かして欲しい」と激励した。また日本側には、「インドに進出する日本企業には是非グローバル枠組協定を締結して、日本の労使関係をインドに普及させてほしい」と期待して、閉会した。

この他、19日午後から20日にかけて、UNI-LCJ代表団は、銀行、郵便局、テレビ・ラジオ局等の職場視察と経営側との懇談、新聞労組役員との意見交換等を行い、インドの様々なサービス産業における労働環境、労使関係等についての理解を深めた。

 


第22回UNI世界執行委員会

第5回UNI世界大会で選出された、コルティナ会長、ホフマン書記長、ベシガー副書記長ら新体制で初の世界執行委員会が、2018年11月14~15日、スイス・ニヨンのUNI本部において開催された。日本からは、増田UNI副会長、野田UNI Apro会長、松浦UNI世界執行委員、金子UNI世界執行委員、宮井UNI世界執行委員、中村UNI世界執行委員(メディア部会選出)、オブザーバーが出席した。

主な議題は、第5回UNI世界大会・女性大会の振り返り、第6回UNI世界大会・女性大会(2022年)の開催地変更、2018~2022年度行動計画の実施状況と主な成果、デジタル化の影響に関する取組み経過報告、等であった。

UNI Apro地域の報告として野田UNI Apro会長は、シンガポールにあるUNI Apro地域事務所の法人化について経過を報告すると共に、2019年11月にカトマンズで開催予定の第5回UNI Apro地域大会は、リーダーシップ交代の歴史的大会になると述べた。世代交代の重要な時期であり、本部からの支援に感謝した。続いて、アチャリャ書記次長は、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)にSAARC(南アジア地域協力連合)を加えた“SARCEP”(RCEP+SAARC。更に広域かつ前例のない成長のポテンシャルを秘め、グローバル経済にも大きく影響を及ぼし得る経済圏ができるだろうというUNI Aproの推測)への進化を視野に入れ、UNI Aproにとって、南アジアのまだ組合の無いアフガニスタン、モルディブ、ブータン等での組織化及び、SAARCとの対話に積極的に関与できるよう南アジアの労組の能力強化が重点課題だと述べた。ASEANにおける年次三者対話会議は9回目を数え、ASETUC(ASEANサービス労組協議会)はASEAN政府間人権委員会における労働組合を代表する唯一のパートナーとして認められている。このように、ASEANにおいてASETUCが長年とってきたソフトアプローチは成功しており、SAARCに対してもこのアプローチを採用していく。

世界執行委員会は、テレパフォーマンスへの「労働者の権利に国境無し」キャンペーン、カナダ郵便への抗議キャンペーン、コロンビアで医療介護労働者を弾圧している会社と政府への抗議キャンペーンに対する連帯支援を表明した。

 


UNIとUPU(万国郵便連合)、新しいグローバル協定に署名

クリスティー・ホフマンUNI書記長とビシャー・A・フセインUPU事務局長が2018年10月25日、スイス・ベルンのUPU本部で開催中の管理理事会の場でグローバル協定に署名した。

新しい協定では、郵便部門における持続可能な開発とイノベーションを強化するための、UNIとUPUの協力のアジェンダが盛り込まれている。また、世界の郵便労働者と国際郵便コミュニティーを強い絆で結び、将来的に強化していくことを約束している。

クリスティー・ホフマンUNI書記長は「郵便部門は、現在進行中のデジタル革命により数多くの課題に直面している。しかし本質的な問題の核心は変わらず、それはディーセント・ワークの権利である。UNIは、新しい労働の未来において、革新するための計画、特に郵便ではポテンシャルの高い雇用分野の拡大を歓迎する」と挨拶した。

「郵便部門は世界で最大の従業員である。そして社会における活発な構成員でもある。今回の協力では、各国の郵便オペレーターが職員にどのように仕事をさせるのかではなく、我々がコミュニティーに対してどのようなサービスを提供するかに焦点を当てている」とビシャー・A・フセインUPU事務局長は述べた。

新しい協定は郵便産業の労働者の価値を認め、UNIとUPUが郵便労働者のディーセントな労働条件を促進することに深くコミットすると強調している。

デーブ・ウォードUNI郵便・ロジスティクス世界議長は次のように述べた。「世界には60万もの郵便局があり、地球上の最果ての地域もカバーし、他に比類のない、人的なネットワークを形成している。このネットワークは郵便配達員や郵便内務職員の頑張り、そして、連携とイノベーションの精神によって形成されている。新しい協定は、職員そして私たちのコミュニティーのために郵便産業のスタンダードをおし上げることを約束し、業務を高く評価している」

「UPUは協力と連携を進めるために設立された。そしてUNIは、本協定の原則を実現するためにUPUとの協力に期待している」とコーネリア・ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長は述べた。

UPUは国連の専門機関のひとつ。世界の郵便事業者間の協力を醸成し、真にグローバルな郵便のユニバーサルネットワークを確保している。

UNIはUPUとその加盟国に関する幅広いステークホルダー団体、UPU諮問委員会の活発な構成員で、毎年ベルンで開催される会議に出席し、規則、総務、法制、法律問題に関する活動や研究を監督している。


UNI世界ICTS部会委員会

2018年10月22日、南アフリカ・ヨハネスブルグでUNI世界ICTS部会委員会が開催され、アジア太平洋地域を代表して情報労連・野田委員長と木村国際担当部長が参加した。開会にあたりアンディ・カー議長は、新たにICTS部会担当局長に就任したテレサ・カセルターノを紹介し、全米通信労組での組織化活動の経験をUNIでも存分に生かしてほしいと歓迎した。さらに、これまでICTS部会でシニアリサーチャーを務めていたアレックス・ホグバックが専門職・監督職(P&M)委員会担当局長に就任したことを報告し、ICTS部会とP&M委員会の連携強化への期待を述べた。続いて、UNIアフリカ地域を代表して、キース・ジェイコブス地域書記長が参加者を歓迎し、「2014年12月に南アフリカでUNI世界大会が開催されて以来、アフリカ地域においても社会・経済状況が大きく変化した。欧米系に加えて中国企業もどんどんアフリカ大陸に進出してきている。このような中で多国籍企業に対応するためには、組合の交渉力を向上させて組織力を高めなければならない」と述べた。

委員会では、次の5点の活動計画について具体的取組みを議論・確認した。

1. 多国籍企業対策

ドイツテレコム、オレンジ、テレフォニカ、テレノール、アメリカモビル、MTN、アクシアタ、エリクソン、リバティグローバルの各労組アライアンスを強化する。アクシアタについては12月3日にアクシアタ労組アライアンス会議を実施し、各国のアクシアタ労組における経験の共有と全体的な戦略を検討する。また、欧州労使協議会がある場合には連携をはかる。

2. コンタクトセンター

コンタクトセンターの国際的な労働基準の引上げを意識して組織化に取組むこととし、コンタクトセンター組織化フォーラムを開催する。特に76カ国で28万人以上が雇用されている世界最大のコンタクトセンター「テレパフォーマンス」において労働者の基本的権利が守られていないことを鑑み、「テレパフォーマンス労働者の権利向上に関する声明」を採択した。

3. IT企業の組織化

各地域で設置されたIT組織化ネットワークを活用し、IT労働者の組織化に取組む。また、シリコンバレーのIT労働者へのアプローチを開始する。

4. ICTS労働者の政治的・経済的影響力の構築

AIの倫理原則を検討するとともに、新たな労働の未来におけるスキルに焦点をあててICTS労働者の政治的・経済的影響力を構築する。

5. ICTS部会の戦略課題

アウトソーシング企業の組織化、新しいスキルと仕事、プラットフォーム労働者、将来の仕事等についてICTS部会としての戦略を検討する。

この他、2019年8月末に開催予定のUNI世界ICTS部会大会のプログラムについて意見交換を行い、AIや技術変革がICTS労働者に与える影響等を議題に含めることを確認した。

 


UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会

UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会及びプロジェクト評価会議が、2018年10月9~10日にマレーシア・クアラルンプールで開催された。キャシン議長(オーストラリア)はじめ、日本、マレーシア、タイ、ネパール、インドの委員・オブザーバー等、10人が出席した。日本からは、梅原副議長(全印刷委員長)、田倉委員(印刷労連委員長)が出席した。

9日には、UNI本部SCORE(連帯・キャンペーン・組織化・調査・教育局)/組織化基金及びスウェーデンの労組からの連帯支援を受け、UNI Apro各国において実施されている様々なプロジェクトの評価が行われ、今後の計画が話し合われた。

  • インド:全般的に多国籍企業の組織化は難航している。下請け労働者が多いことと、使用者が正規労働者との接触を巧妙に妨害しているためである。セキュリティ印刷労組のネットワーク形成のためのセミナー開催を2019年に計画。インド全土に9つある紙幣・硬貨製造工場(計9000人)のうち、ナシクにある最大の労組(5500人)がUNIに加盟。残り8つの加盟を働きかけているところであるが、労連を結成し労連としての加盟可能性を検討する。
  • タイ:アムコール、キンバリークラーク(KC)等は組織化され協約締結に至っている。
  • インドネシア:アムコールは組織化され本年7月、協約締結に至った。年末までに組織率80%を目指し、オルグ、組織化訓練、団交訓練、トレーナー育成等を継続。2019年は、2~3月にKCのマッピングから始め、4~6月に組合の基礎研修を実施、7~12月にオルグ、組織化訓練を展開する予定。
  • マレーシア:新聞産業はリストラが続き、組合員が減少している。プロジェクトの見直しが必要。

10日の委員会では冒頭、担当が本年7月より、アチャリャUNI Apro書記次長から小川に変更になったこと、またシンガポール政府が急遽ASEAN三者対話会議の開催を同じ日に決めたことから、ウンUNI Apro地域書記長、アチャリャ書記次長の出席が叶わなかったことが報告された。

2017年9月、福島におけるUNI Apro印刷・パッケージング部会大会以降の主な活動と成果について、小川部長から次の通り報告された。

  • マレーシアのアムコール・タバコで組合が結成されたが、その後、会社が工場閉鎖、海外移転を発表した。
  • インド国内及び日印のセキュリティ印刷労組の連携が強化された。
  • 日本の大日本印刷労組が加盟した。
  • インドネシアのアムコール・フレキシブルで協約を締結した。
  • UNI・インダストリオール共催ウェストロック労組ネットワーク会議(2018年8月、米国・デスティン):UNI Aproからアチャリャ書記次長が出席、アジア太平洋地域の同社の製造拠点等について現状を報告。
  • UNI・インダストリオール共催アムコール労組ネットワーク会議(2018年9月、ポーランド・ワルシャワ)UNI Aproからキャシン議長、スリン・タイ・アムコール労組委員長、小川部長が出席。同社の事業動向や各国における労働者の扱い等について共有。

印刷・パッケージング部会のデジタル化に向けた対応については、キャシン議長の導入報告に続き、梅原副議長が、世界のキャッシュレス動向、日本のキャッシュレスの現状、キャッシュレス化が国立印刷局に与える影響について、報告した。何れ到来するキャッシュレス社会は、印刷局にとって大きな打撃を与えることが確実視されるが、新たな時代に向けて労使が協力して前向きに取組むことが肝要だと述べた。

各国報告では、田倉委員が、日本の印刷産業の現状と今後の労働環境について報告し、印刷産業の高機能化や高度化、デジタル化の進化に伴う労働環境の変化に対応するには、健全な労使関係、人材育成、多様な働き方の構築、中小企業対策が不可欠であると述べ、具体的な取組みを報告した。合わせて、日本および印刷・製版業における最低賃金と印刷労連の取組みを紹介した。

  • ジャグディシュ委員(インド、セキュリティ印刷労組):国内の9つのセキュリティ印刷労組のネットワーク形成(将来の労連結成に向け)を進めている。セミナー開催支援と共に、梅原副議長のキャッシュレス化の報告を英訳してほしいと切望。
  • バラゴパラン副議長(インド、新聞労組):インドにおける新聞購読者数は2014年以降、1億1200万人増えた。地方で1億4300万人(2014年)から2億1400万人(2017年)、都市部で1億5200万人(2014年)から1億9300万人(2017年)に増加する等、地方の伸びが大きく、識字率の向上と関連している。しかし今後5年間のデジタル化動向は注視が必要。
  • マヘンドラ委員(ネパール、ICTメディア・プレス専門職労組):1980年に印刷労組として結成されたが、2018年に情報通信及びメディア産業の専門職労組と統合し、印刷・パッケージング部門だけでなくICT及びメディア部門も代表している。主な活動は、役員研修、女性・青年会議、スキル開発プログラム等。6ヶ月間で500人の新規組合員を獲得した。
  • アムニュイ委員(タイ、KC労組):タイにおける乳製品パッケージング市場の競争は激しく、テトララバル(未組織)、SIGコンビブロック(1工場で組合有り)、エロパック(未組織)、アムコール(4工場のうち3工場で組合有り)等が進出。キンバリークラーク(KC)は1966年にタイに工場を建設、衛生用品・日用品等を生産。現在2工場に組合が有り、これまで労使関係は良く協約も締結している。しかし、今年1月、米国本社が今後3年間で世界の10工場を閉鎖し、5000~5500人を削減する計画を発表したため、各国のKC労組は懸念している。

今後の活動予定は以下の通り。

  • 2019年5月、インド(ムンバイまたはデリー)で、セキュリティ印刷、新聞、パッケージング多国籍企業の組合/労働者を対象として、2日間のセミナー開催を企画する。
  • UNI世界印刷・パッケージング部会大会(2019年10月21~22日、スペイン・トレド)
  • UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会(2019年11月、ネパール・カトマンズ)

 


日本と韓国のUNI加盟金融労組、情報交換

第7回UNI Apro東アジア労組フォーラムの機会を活用し、UNI-LCJ金融部会加盟組織は、韓国金融産業労組(KFIU)と情報交換を行い、懇親を深めた。

日本からは7組織18人、韓国からは、コンKFIU政策部長、ソン・韓国シティバンク労組委員長、キム農協銀行労組部長、パク農協銀行労組局長、チョイUNI韓国加盟協(UNI-KLC)事務局長が参加した。

宮井UNI-LCJ金融部会議長は、歓迎挨拶の中で、「ビッグデータ、AI、IoTといった職場に迫っている大きな変革を的確に捉え、労働者の雇用や働き方に配慮しつつ、持続可能な金融産業を目指していかなければならない。グローバルとローカルの2つの視点を兼ね備えた対応が必要だ」と強調し、両国の経験共有に期待を寄せた。

全参加者の組織・自己紹介に続き、日本から、日本の労働運動(全労金)、現状と課題(労済労連)、FinTechと雇用、特に銀行の現状及び仮想通貨に関する日本の経験(全信連)について報告した。

韓国からは、KFIUの歴史と活動概要の紹介があった。

  • 1960年に5つの商業銀行労組がネットワークを結成し、翌年、産別組織へ変更。
  • 1962年に、世界の金融労組との連帯を強化するため国際産別組織に加盟。
  • 1981年、当時の軍事政権下の労働法の規定により、企業別労組に変更せざるを得なかった。
  • 1997年、アジア通貨危機に見舞われ、5つの銀行が整理され6万人がリストラされた。
  • 2000年、企業別労組の限界を認識し、産別組織へ変更。

現在は商業銀行労組6、政府系銀行労組7、地方銀行労組6、協同組合系金融機関等14、計33の加盟組織、93,000人の組合員を持つ。韓国では3番目に大きい組合である。保険労組は80年代の民主化闘争時代に脱退し、別の産別に加盟している。

主な取組みの成果として、2002年に韓国で初めて週休2日を勝ち取った。

昨今の急激なデジタル化により、非対面チャンネルの販売(インターネットバンキング、モバイル決済・送金、オンライン資産管理等)が増え、店舗閉鎖、人員削減がある中、雇用の安定化に取組んでいる。

最新の団体交渉では、賃金2.6%引上げ、9か月以上勤務した非正規社員の正社員化、妊娠した女性社員の1日2時間の時短等を勝ち取った。

またSDGs達成に向け、金融産業労使で社会的責任を果たす活動として、若年層の失業対策及び雇用創出のための公益基金の創設に労使で合意した。主な業務は、不利な条件の人々向けのジョブフェア開催、北朝鮮と韓国の間の経済協力支援、最も弱い階層への住宅費支援(シングルマザー、1人親世帯)、多文化家族や外国人労働者への支援、高齢者1人世帯の支援、難病患者の支援、奨学金制度等である。

韓国側からは、日本の金融産業の組合のUNI加盟状況や、マイナス金利下での銀行の収益源、少子高齢化・人口減少傾向を見据えた銀行のビジネス戦略と金融産業の規制との関係等、多岐に渡る質問が出され、全信連から回答した。

最後に、大谷全国農団労書記長は、韓国の金融産業の現状と課題について非常に参考になったと述べ、懇親会でも引き続き意見交換できることを期待して閉会した。

 


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